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別府競輪

BEPPU KEIRIN

86#

GⅠ読売新聞社杯全日本選抜競輪

2.8Fri 9Sat 10Sun 11Mon

次回開催

F2

2/20 ・21 ・22

検車場レポート

  • 2/7 Thu.  (前検日)
  • 2/8 Fri.  (1日目)
  • 2/9 Sat.  (2日目)
  • 2/10 Sun.  (3日目)

1R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 オープニングレースの1番車に抜てきされたのは鈴木竜士(写真)だが、前回の高松記念を途中欠場しているだけに状態が気がかりだ。


 「高松の前検日前日に首のギックリをやってしまって、それがけっこうひどかった。直前だったので出場したけど、やっぱりダメだと思ったので帰りました。ここまでは毎日ケアだけして、だいぶ可動域は広くなったんですけどね。ただ脚は落ちてないと思うので。1R、1番車は2、3回あるし、あんまり変に意識せずにいきたい。(吉田)拓矢が予選のメインだし、(同県、同期で)最初と最後を頑張りたい」


 山田久徳も高松記念出場組。惜しくも二次予選で敗れたが、シリーズ3勝と動きは悪くなかった。


 「高松はリカバリーできたかな。二次予選はしょうがないかなと思うし、3勝できたからいいと思います。ここまでは時間がなかったので、調整、治療(ケア)、調整、治療で。そこそこ戦える感じじゃないかな。1Rなんで頑張って起きます。初日をクリアしてゆっくりしたいですね」

2R

選手の写真です。
南潤選手

 南潤(写真)は直前の岸和田で昨年7月の岐阜以来となる久々の優出。徐々に調子を戻している。


 「やってることは変わってないけど、調子は戻ってきてますね。練習もできてるんで。(オールスター前の新人訓練で)コケてからは乗れてなかったけど、岸和田で久々に決勝に乗れた。今はモガけてる感覚もあるので。練習はけっこうするようにしてるし、そのなかでちょっとずつ感覚を戻していければ。GIなんでメンバーがいいから、しっかり考えて走りたい」


 競輪祭では一次予選を連勝するなど鈴木庸之はGレースでも存在感を発揮している。前回の高松記念決勝でも逃げる山崎賢人に対し、あわやの場面を作った。


 「叩き切ればライン3人で決まると思ったけど、(山崎のけん制が)あんなきれいに入るとは思わなかった。内から太田(竜馬)にも行かれたし、腰砕けになっちゃいましたね。でも脚はいい感じなんで。前検日前日も弥彦のバンクで乗れたし、高松から空いてないけど、高松はオーバーワークで入って、いい感じで(疲れは)抜けてきてると思う。別府も相性がいいから、好きですね」

3R

選手の写真です。
園田匠選手

 九州勢のトップバッターは園田匠(写真)だ。レースでの感覚を大事にする園田にとっては中3日というタイトなスケジュールも理想的。問題は早いレースという点だけだ。


 「一番苦手なやつですよ。不安はそこだけ。最近は落車もせずに、(大宮、高松と)記念、記念で来てる。ずっと(山崎)賢人と一緒でいい練習もできたしね。落車の影響もなくなってきてるので状態もいいです。野原(雅也)君とは初めてです。ちょっとどういう感じかっていうのはあるけど、色んな人について勉強したいので。九州トップバッターなんで頑張ります」


 根田空史は12月宇都宮からFI戦連続優出。1月立川記念でも3連対するなど調子を上げている。


 「ようやく手首の痛みがなくなったのが大きいですね。9月青森記念の初日から痛みが出てたけど、引いたら急激に良くなった。あと競輪祭のときにワッキー(脇本雄太)にセッティングを出してもらった。まだまだ煮詰めないといけないけど、それもいい感じです。別府は優勝もあるし、相性はいいほうだと思う」


 

4R

選手の写真です。
渡部哲男選手

 渡部哲男(写真)にとって別府競輪場は通算100勝目、200勝目を飾ったゲンのいいバンク。今年は早くも5勝を挙げるなど差し脚好調で今シリーズも期待できそうだ。


 「流れがいいだけですよ。(寬仁親王牌の落車で横突起を骨折して)まだ骨は完全にひっついてないし、8割ぐらいしか戻ってない。脚はだいぶ戻ってるかもしれないけど、骨折の影響で腰が使えてないから踏み出しがキツい。骨折や年明けに体調を崩して4キロ落ちた体重をまだ戻せてないので」


 和田真久留は二次予選で敗れた前回、和歌山記念を反省しつつ、今年初のGIに臨む。


 「練習はできてます。前回よりはいい。(前回は)脚自体は問題なかったけど、組み立てでミスをした部分があった。そこはしっかりと。思い切り良く行ければ。しっかり押し切れるように」

5R

選手の写真です。
山崎芳仁選手

 予選で山崎芳仁と神山雄一郎がラインを組むというメンバー構成に。メンバーを見た山崎芳仁(写真)は「なかなかないっすよね」と目を丸くする。


 「付いてもらうからには自力で頑張るしかないですね。前回(前橋FIを欠場)は風邪をひいたので大事を取って休んだ。4、5日くらい休んだんで、練習は10日ぐらいですね。もう体は大丈夫。あとは今開催でまたひかないようにしないとですね」


 大宮記念で落車している吉田敏洋だが、大きな影響はなかったようだ。


 「体は大丈夫です。幸い大したダメージじゃなかった。影響がないことはないけど、日にちも空いてしっかりトレーニングはできたしね。1週間ぐらい様子を見ながらゆっくりして、そこからはそれなりにしっかりできた。手ごたえもあったしね。落車前より練習では良かったんで、これならって感じはありました。取鳥(雄吾)以外は40歳近い自力ばかりだけど、オッサンをナメんなよって言いたいですね」

6R

選手の写真です。
井上昌己選手

 当所記念2度の優勝実績を誇る井上昌己(写真)は小川真太郎の番手に行けるメンバー構成を生かせるか。


 「直前はけっこう追い込んでやったので疲れてたけど、2日間休んだら軽くなった。自分なりに練習はやったし、直前はまあまあアタリがついたと思う。付いていく分には問題ないと思います」


 対する稲垣裕之は前回の小田原を8着6着で途中欠場している。


 「前回は初日のアップ中にギックリ(腰)になって、ちょっとダメでした。今回はしっかりケアをしてきたので体はもう大丈夫。不安はないです」

7R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 前回の松阪記念こそ決勝進出を逃した渡邉雄太(写真)だが、今年は宇都宮、高知とFI戦を連覇するなど好調。そろそろビッグ優出の期待がかかる選手だ。


 「GIでも前よりは走れるかなと思う。松阪のあとも普通に練習をやってたし、調子も今までどおりですね。別府を走ったのはけっこう昔(15年9月以来)ですね。今回もいつもどおりのレースで頑張りたい」


 点数を落として6番車になってしまった原田研太朗だが、今年に入ってからは1着も増えており侮れない一車になりそう。


 「ボチボチですね。感覚もだいぶ良くなってると思う。勝つところでしっかり勝ててるので。(今年初戦の)小松島の2日目からフレームを換えた。それまではハンドル幅を狭めたり、色々やってたけど、今年はここまでずっと一緒のフレーム。方向性は固まってきたと思う。あとは自分の体だと思うんで、しっかり治していければ。ずっと悪かったけど、もう下がるところまで下がったんで」

8R

選手の写真です。
大塚健一郎選手

 地元勢から唯一の参戦となったのは大塚健一郎(写真)。「数字が実力ですから」と話すように、まだまだ復調途上であることは間違いないが、地元のここは気迫の走りを見せたい。


 「前回(高松記念のブロックセブン)は新車で、そのままここでも使おうかと思ってたけど、テスト、テストをした結果でナシということで。その日にバラしました。2台目の新車も来てたので、今回はそれで。一生に一度なんで冒険します。(地元GIを走るのは)最初で最後でしょ。花火を上げますよ」


 山中秀将が竹内雄作、大塚のラインに襲いかかる。


 「(前回、大垣FIから中20日)詰まってるよりは空いてるほうがいいんで、全然気にならないです。やりたい練習もしっかりできたし、時計も良かったので問題ないと思います。でも10年ぐらい(選手を)やってるのに、いまだに(GIへ向けて)どうやって調整すればいいのかわからないんですよね。ただ自分が(警戒の目で)見られる立場じゃないんでやりやすい。チャレンジする立場のほうが楽ですから。S級初優勝したのもここなんで、いいイメージで走れそうです」

9R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 吉田拓矢(写真)は、昨年の競輪祭後の四日市記念から5場所続けて決勝に進んでいる。5137着の前回の松阪記念は、成績以上に上々の動きを披露していた。


 「内容のある納得のいく練習ができた。(前回の)松阪より状態は、いいと思います。(1月の)京王閣から元々使っていた自転車に換えました。不安要素がないし、踏むリズムが合っているのかなっていうのがある。松阪はちょっと疲れがあるなかで、しっかりと走れました。GIで勝ちたいし、そこは忘れないようにしたい」


 前回の松阪記念は8682着と地元で一息だった柴崎淳に、変わり身が期待できそうだ。


 「(昨年12月の)佐世保で右(シューズの)のサンが壊れた。その時にヒザと腰をやってしまったけど、体の方はもう問題ないです。ただ、サンの方は馴染むのに時間が掛かる。だから、前回より(馴染んでくるんで)いいと思います」


 

10R

選手の写真です。
浅井康太選手

 浅井康太(写真)は、昨年のグランプリ準Vから年明けの立川記念2112着、松阪記念2113着と安定した成績。昨年の競輪祭からGI連続Vに挑む。


 「前回の松阪(記念)はやっぱり自力を使っていないので、自力を中心としたトレーニングをしてきました。体調管理はしっかり対応してやってますね。(別府は)そんなにイメージはなくて、いまから指定練習で走ってみて、感触を確かめたいと思ってます。(初日は)自分は自力でしっかり自分のタイミングで仕掛けたいと思ってます」


 吉澤純平は、前回の小倉FIの準決で落車に見舞われた。10日以上空いて、状態面が気になるところだ。


 「(落車の影響は)大丈夫です。(練習は)量的にもできたんで、あとはレースで走ってみてですね。小倉では初日にセッティングを変えて感じが良かったんですけど、サドルとかが壊れちゃった。フレームはそのままです。でも、どうですかね」


 昨年末にヤンググランプリを制した太田竜馬は、今年に入って3度の優勝。前回の高松では記念初制覇を飾った。


 「(前回から)まだ疲れがあったんで、ケアを中心に3日間をすごしました。(高松記念は)疲れが残ったまま入ったんですけど、踏んだ感じは良かった。(初日は)いつも通り仕掛けるタイミングで、仕掛けるだけです」

11R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 昨年12月の四日市記念初日で落車失格の菅田壱道(写真)は、今シリーズが19年初場所。およそ2カ月間の長期欠場とブランクがある。


 「しっかり去年の気持ちを切り替えて、リフレッシュをした。それから気持ちづくり、体づくりができた。ここまでいい感じでこられたと思います。やるべきことはやってきたんで、あとは出し切れれば。(新山響平を)信頼して、自分はいい着が多いんで何も言うことはない」


 昨年、賞金王に輝いた三谷竜生は、和歌山記念1128着から中20日以上空いた。


 「(和歌山記念のあとは)練習しすぎて腰痛が出たので、大事を取って(松阪記念を)休みました。でも、治して練習できてるし、合宿もいってる。1週間以上は練習してると思います」


 清水裕友は、今期一発目の立川記念を優勝。S級S班として19年、幸先のいいスタートを切ったが、その後はコンディションを崩した。


 「今年はタイトルを目指しているんで、どっかでタイトルを獲りたいなと思います。(1月松阪記念は)インフルエンザになったんで欠場しました。1月の中ごろだったんで、そのあと3日ぐらい休んで、2週間ぐらいは練習できました。体調は大丈夫だと思います」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 初日は近藤隆司とのタッグで「スタールビー賞」進出を目論む郡司浩平(写真)は、近況白星を量産している。


 「コンリュウ(近藤)さんの前でやりたい。自分のスタイルで2人で勝ち上がれるように。現時点では脇本(雄太)さんくらいの先行力もないし、長い距離も踏めない。だけど、競輪は脚力だけじゃなくて、ほかの部分でカバーできる。そのレースの対戦相手とかを含めて、何が最良の戦法なのか考えていきたい」


 村上義弘は、今年の2場所、大宮記念、高松記念でともに決勝進出を逃している。


 「あんまりリズムが良くないっていうか、うまくいってないところもある。修正点もあったので、3日間ちゃんと乗ってできる限りのことはした。平成最後のグランプリはダメだったし、平成最後のGIは(勝ちたい)」


 前回の高松記念でまずまずの手応えをつかんだ平原康多が、いつもの笑顔で今年初GIを迎える。


 「(昨年の)グランプリで転んでしまって、怪我で立川記念を走れなかった。そのあと大宮(記念)で走って、感覚がちょっとズレている部分があった。それを高松(記念)でしっかり走って、修正できてきたかなと思う」


 

1R

選手の写真です。
大槻寛徳選手

 南関ラインが切ったところを鈴木竜士が押さえて出て、打鐘で先行態勢を取る。桐山敬太郎が4番手、7番手に山田久徳が置かれての一本棒で鈴木は最終ホーム手前からペースを上げる。桐山のまくりを阻んだ大槻寛徳(写真)が、ゴール寸前で逃げる鈴木を交わした。


 「(桐山のまくりは)見えていたし、タイミングが合った。(鈴木が)駆けてくれたからには、止めようとは思った。結構、余裕があったんだけど、抜きにいったら(鈴木に)踏み直された。それでも1着が取れたんで(調子は)問題ない。ラインで決まったんで良かった」


 別線を完封する先行策を披露した鈴木竜士は、内容の濃いレースに満足そうに汗をぬぐう。


 「重いですけど、全然大丈夫ですよ。押さえて駆けて残れているんで戦えてますね。今年最初のGIの1レースの1番車で(結果を残せて)サイコーです。長い距離を踏めたのもあるし、2日目以降は(もっと)良くなると思います」

2R

選手の写真です。
坂口晃輔選手

 赤板ではすでに7番手に下げていた南潤が、赤板の2コーナーから山降ろしで踏み込む。中団の鈴木庸之が大きく車間を空けて、南にとっては前が遠いが坂本貴史を叩いて先行策。鈴木と絡みながらも、番手の坂口晃輔(写真)が鈴木のまくりを止めて追い込んだ。


 「単騎もいて細切れだったので、(南は)走りやすかったんじゃないかな。5番(鈴木)が仕掛けてきて先に当たられたけど、凌げて良かったです。本当は車間を空けて(別線を)酔わしたかったけど、(最終)1センター辺りで後ろを見たら8番(成清貴之)がいたので最小限の動きで援護しようと。南君がしっかり1周半行ってくれたし、強かった」


 ケレン味のない仕掛けで持ち味を存分に発揮した南潤が、2着に粘り込んで中近ワンツー。


 「切って切っての流れになるかなって思ったけど、そうならなかったですね。いつもなら早めに仕掛けているけど、初日だったので力んでいる部分もあって見てしまった。ジャンの辺りはバタバタしていました」

3R

選手の写真です。
根田空史選手

 天田裕輝が切って出ると、前受けの根田空史はちゅうちょすることなく下げる。赤板の2コーナーで出た野原雅也は、別線を警戒しながら波をつくって徐々に踏み上げる。根田は7番手から最終2コーナー過ぎに仕掛ける。中団の天田は動けない。逃げる野原を根田がまくりでとらえて、根田ライン3番手の五十嵐力が外をシャープに突き抜けた。


 「直線も長いし、外を踏めたらいいなって思ってた。9番手だったんで、ぶっちゃけそんなに余裕はなかった。でも、思いのほか伸びました。自分(の状態)はいいんじゃないですか」


 後方に陥った根田空史(写真)ではあったが、落ち着いた仕掛けでラインの3車で勝ち上がりを決めた。


 「全然、余裕があったんで、落ち着いていこうっていうのはあった。あそこで無理やり(叩きに)行ったところで(野原と)踏み合って、天田さんの展開になっちゃう。だから、溜めて一発と。状態がいいからこそ、あそこで落ち着ける。踏んだ瞬間に確定板に入れるとは思った」

4R

選手の写真です。
和田真久留選手

 打鐘で前に出た金子幸央を小松崎大地が4コーナーで叩いて出るが、そこをすかさず和田真久留(写真)が仕掛けて1コーナーで出切る。和田は重いバンクを物ともせずに押し切り。渡邉晴智とワンツーを決めた。


 「無理やりですね。けっこうペースは上がってたけど、行くべきところで行けたので。(細切れでも)普通にラインがあるほうが良かったけど、単騎の人の動きはなるべく気にしないようにしてた。重いなかで踏んだんで2日目以降につながると思うし、つながってほしい。2日目も攻められるようにですね」


 マークした渡邉晴智は和田の強さに舌を巻いた。


 「すごいですね。でも前回(大宮記念準決勝)の野口(裕史)ので練習はできてた。和田は強いですね。オレが付くとみなさん強い。いつか抜いてやります」

5R

選手の写真です。
志智俊夫選手

 後攻めから動いた吉田敏洋を、打鐘で取鳥雄吾が叩く。単騎の松岡健介が中団へ追い上げると、吉田は一車下げて5番手に。山崎芳仁は7番手となり最終ホームを通過する。バックから吉田が仕掛けると、合わせて出てきた松岡と接触。これでスピードが鈍った吉田だったが、2センターから再び加速すると、山崎芳仁の巻き返しを張りながら番手の志智俊夫(写真)が抜け出した


 「(吉田)敏洋は接触で踏み止めているのに、また車が伸びていったね。僕もペダルが入って危なかったけど何とかね。調子は絶好調ですよ」


 松岡と接触しながらも外を粘り強く踏んだ吉田敏洋が2着に粘った。


 「風が強くてキツかったから、取鳥君はペースが落ちてきたけどね。接触で前輪はほとんどダメになった。スポークだけは無事だったから踏めたけど」

6R

選手の写真です。
井上昌己選手

 各ラインがそれぞれ動いて正攻法が入れ替わると、小川真太郎が打鐘から誘導員を下ろして先行態勢に。別線の動きはなく小川はホームからペースアップ。番手絶好の井上昌己(写真)が直線鋭く抜け出した。


 「(小川を)残せる技術があれば良かったけど。小川君も風が強いなか1周半行っているし、キツかったと思う。直前の練習で荒井さんにいっぱいやられたけど、走ってみたら脚の感じはそこまで悪くないです」


 2センターからまくり追い込みに行った稲垣裕之マークから直線で内に切り込んだ村田雅一が2着に食い込んだ。


 「稲垣さんが言ったとおりの展開になったけど、小川君が思ったよりも駆けていかなかったですね。変に詰まったりしてました。今日は稲垣さんのおかげです。最後は(内が空いているかどうか)半信半疑で突っ込みました。脚の感じはいいし、余裕はありました」

7R

選手の写真です。
岩津裕介選手

 打鐘手前で渡邉雄太が先頭に立つが、間髪を入れずに原田研太朗が反撃に出る。カマシ気味に主導権を奪い、中四国ラインの3車がきれいに出切る。車間が空いて4番手に渡邉が飛び付く。駆ける原田の掛かりが良く、さらに3番手の柏野智典が後続をけん制。番手で願ってもない展開が訪れた岩津裕介(写真)が、余裕をもって差し切った。


 「(原田が)抜群のレースをしてくれたし、レース運びがすごく良かった。いつもより踏んでいる感じもあったんだけど、なにより強かった。柏野さんもアシストしてくれて、自分は楽をさせてもらった。(調子は)戦えるくらいの感じにあるのかなと」


 勝負どころでの俊敏な反応が光った原田研太朗が、逃げて2着に残った。


 「渡邉君と稲毛さんでけん制し合うような形になったんで、僕は(仕掛けて)行きやすかった。前のレース(6レース)で(小川)真太郎を見てたら、あの展開で残らないんで、僕はペースでいかないとっていうのがあった。(二次予選の勝ち上がりが)4着権利なんで、(ラインの)3人で4着以内に入るのがテーマでした。まくりに構えてしまうと、2人はいいけど(3人目が)…。逃げたほうが堅いと思った」


 

8R

選手の写真です。
海老根恵太選手

 赤板前から長島大介が上昇しようとするが、それに合わせてホームから竹内雄作が踏み上げ打鐘前から主導権を握る。6番手を確保した山中秀将はホームからの巻き返し。3コーナーで前団を飲み込むと、続いた海老根恵太(写真)がゴール前で逆転した。


 「キツかった。(踏み出しで)ちょっと空いたんでヤバいと思ったけど何とかですね。来る前に山中とバンクで一緒に練習してたし、じゃんけんもせずに山中の後ろと言って付いてた。初日から一緒になるとはでしたね。(山中とワンツー)それが一番うれしい。1着取れたんで最高です」


 海老根に差されたものの、山中秀将は豪快な仕掛けで逃げる竹内をまくり切った。


 「竹内のかかってるところで仕掛けたので苦しくなったけど、あのタイミングじゃないと行けなかった。50m遅かったら大塚さんの餌食になってた。竹内の先行を相手にしっかり仕掛けてワンツーが決まったので悪くない。でも、もうちょっと足りないかなって部分も感じてるので修正したい」


 

9R

選手の写真です。
齊藤竜也選手

 後ろ攻めから動いた松谷秀幸が誘導後位に入ると、吉田拓矢は柴崎淳にフタをして打鐘から主導権を握る。7番手になった柴崎は4コーナー山おろしで加速すると、1センターで吉田を飲み込んだが、そこを松谷がバックまくり。続いた齊藤竜也(写真)が好展開をモノにした。


 「松谷君は2、3歩目で伸びていくタイプなので踏み出しで車が進まなくても信頼して付いていた。風が強かったから差せたけど、軽いバンクコンディションならそのまま押し切られていますよ。でも、GI初勝利を飾れて嬉しいですね(補充を除く)」


 結果は南関勢で上位独占。南関3番手を固めた山賀雅仁が2着に食い込んだ。


 「前の二人のおかげ。今までの過程もあり、メンバーを見たときから3番手回りでいいと思った。調子はちょっとわからないので、記者やファンの目で判断してくれれば」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 渡邉一成、浅井康太に吉澤純平と各ラインが次々に切ると、前受けから下げた太田竜馬が打鐘から飛び出して主導権を握る。ライン3番手の松浦悠士(写真)は車間を切って、別線のまくりをけん制。そこから直線鋭く突き抜けた。


 「太田君がバッチリのタイミングで仕掛けてくれました。自分はできる限りのことをやろうと。浅井さんが3コーナーで来ていたので、僕が止めたほうがラインで決まるかなって。内だけしゃくられないように気を付けました。3番手でもしっかり仕事ができたと思います」


 2着の小倉竜二は、逃げた太田の頑張りを褒めちぎった。


 「今回のバンクコンディションで逃げが残っていないので、どうかなって思っていたけど、太田もパワーが前より付いているなって。しっかり踏み直しているし、強くなっているよ。後ろが仕事してくれりゃ、(仕事の必要がなくて)良いですね」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 上昇した清水裕友ラインに続いた三谷竜生(写真)は、前受けの新山響平がすんなり下げて労せずに3番手を手に入れる。その新山は6番手で木暮安由と併走から、打鐘過ぎにようやく8番手まで引く。4コーナーまで誘導を使っていた清水が、先行の腹を固めて逃げる。新山の巻き返しは不発で、前団との間合いを取った三谷が最終3コーナー過ぎから踏み込んで中川誠一郎に踏み勝った。


 「展開が良かったですし、しっかり1着が取れて良かった。残り2周のところで新山君がどうするのかなと。そしたら引いたんで、この位置でいいかと。前(清水)も掛かってたんで、なかなか(仕掛けて)行けるタイミングがなかった。最後、しっかり踏み込んで、中川さんに踏み勝って1着が取れた。自分のなかではもう少しっていう感じですけど、(状態は)悪くない」


 「まさかの先行になりましたね」と、絶好の展開が巡ってきた中川誠一郎も、想定外の清水の先行だった。3番手すんなりの三谷には屈したが、2着はキープした。


 「新山君が前受けだったから、カマシと思ったんですけど。あんだけ来なければ、(清水も)駆けますよね。僕的には恵まれました」


 三谷マークの椎木尾拓哉は、最終4コーナーで内よりに進路を取って、清水と中川の間を踏んだ。


 「(三谷)竜生が踏んだ瞬間はキツかった。外じゃ間に合わないと思って、ああなりました。見た感じ(内に入るのが)早いかなと。見た目が良くない。もう少し(自分の状態が)上向きになるように、しっかり集中して走りたい」

12R

選手の写真です。
古性優作選手

 山崎賢人が打鐘前から先行態勢に入ると、後ろは内から古性優作、平原康多、山田英明の3車で併走に。アンコになった平原が下げ、古性優作(写真)も打鐘過ぎには引くそぶりを見せたが、山崎がペースを緩めたことで再度内を踏み上げて番手勝負に。タイミング良く山田を競り落とすと、郡司浩平の追い上げもしのいで直線抜け出した。


 「できるだけヨコの動きとかなく、タイミングで位置を取れればと思ってた。番手の予定はなかったけど、山崎君が減速したので引けなくなった。もう、そこは譲らんと頑張りました。平原さんが(赤板ホーム過ぎに)しっかり切ってきて難しかったし、危ない場面はいっぱいあったと思う。(前回)岸和田でセッティングを戻して、決勝は先輩、後輩のおかげで優勝できた。そこから流れに乗れてますね」


 村上義弘は古性の俊敏な動きにきっちり続いて2着を確保した。


 「いやあ、もう必死でした。古性君に付いていっただけです。ちゃんと付いていけて良かった。何でもできる選手だし、古性君らしいレースだったと思います」


 内から4番手に追い上げた平原をゴール前でとらえた佐藤慎太郎が3着で「スタールビー賞」へと進出した。


 「平原が頑張ってくれた。出入りが激しくて、低速からバンバンと行く流れが何回かあった。流れるところがなくて、状態がいいかはわからないですね。ただ何回も脚を使ったわりにはゴール前伸びてるので」

1R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 打鐘の3コーナーから竹内雄作(写真)が仕掛けると、ライン3番手の山内卓也が離れる。竹内、北野武史で坂本貴史を叩いて逃げる。坂本も動けず、番手の北野も追走いっぱい。竹内が押し切った。


 「初日にスピードが乗り切らないで中途半端に終わってしまった。(2日目は坂本が)切ったところを行ったんで、展開も良かった。ただ、後ろにバックを踏ませてしまって、うまく流れに乗り切れていない。そこを修正していかないと」


 北野が流れ込んで2着。3番手に飛び付いた坂本貴史だったが、結果的に仕掛けられずの直線勝負で3着流れ込み。


 「自分にも余裕があるけど、やっぱり(竹内が)掛かってたんで楽な3番手ではなかったです。(最終)バックは向かい風の中で(竹内は)踏み上がっていったんで強かったです」


 

2R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 稲毛健太が6番手の内に包まれて、打鐘を通過してもなかなかペースは上がらない。好位の3番手にいた小川真太郎(写真)は、最終ホーム手前から発進。先行態勢を取っていた田中晴基も合わせて踏むが、小川が早めに仕留めてそのまま押し切った。


 「スタートでボーっとしていて、稲毛さんラインの後ろが良かったのに初手の位置取りを失敗した。でも、後ろが(橋本)強さんだったので安心して、冷静に走れた。脚は悪くないし、踏めていると思います」


 内藤秀久のブロックで小川との車間が空いた橋本強は、態勢を立て直し懸命に踏んで小川に追いつく。天田裕輝を再三にわたってけん制。牛山貴広の強襲に3着も、動きは悪くなかった。


 「いいところで(内藤にブロックを)もらってしまった。すかさず追い上げていけたけど、迷惑を掛けちゃいましたね」


 

3R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 北日本ラインが押さえて出ると、中団が鈴木庸之と柴崎淳で併走になって打鐘を迎える。3コーナーから鈴木、柴崎の2人がともにインに切り込んでもつれるが、結果、両者が下げて番手は菊地圭尚(写真)がキープ。スローペースを最終ホーム手前から踏み上げて飯野祐太が逃げる。もつれた後続がほどけて4番手に鈴木、柴崎が6番手。まくり気味に追い込む鈴木を退けて、追い込んだ菊地が勝ち星を挙げた。


 「ノブ(鈴木)に来られたと思って、(競りの)覚悟を決めていた。そしたら引いてくれた。でも、そのあともノブも(柴崎)淳も来てたんで、無我夢中でした。状態的には悪くないと思いますよ」


 最終1コーナーで4番手で立て直した鈴木庸之は、車間を詰めながら前団をのみ込む勢いだったが、直線半ばのアクシデントでスピードが鈍った。


 「(飯野の)番手で粘っても駆けないし、引いたら4番手だった。(落車事故があって)接触してゴール前で一気に重くなった。1着は縁がないですね(笑)。勝率より連対率ばっかり上がってしまいますよ」


 

4R

選手の写真です。
北津留翼選手

 桐山敬太郎の動きに続かなかった吉田拓矢だが、他にのラインに動きがないと見るや一気に踏み込んで打鐘から主導権を握る。6番手になった佐藤博紀がバックまくりで前団に迫ると、短くなった隊列を北津留翼(写真)が8番手から豪快に飲み込んだ。


 「フレームが曲がってたので、昨日直してもらった。落車してから(修正を)やってなかったんで。でも位置取りが甘いですね。吉田君が来るのが遅かったし、僕が1回切ればよかった。最後は何とか佐藤君に連れてってもらったんで良くなりました」


 佐藤博紀は惜しくも2着に敗れたが、先まくりで吉田を飲み込んだ脚は良かった。


 「2着ですからね。もうちょっと早く行きたかったけど、吉田君がけっこう踏んでた。1回詰まったけど、(吉田が)もう1回踏んで行ったから。桐山さんも車間を切ってる感じで、合わされるかなと思ったのもあった」


 

5R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 赤板手前ではすでに先頭に立っていた野原雅也が、別線の動きを警戒しながらレースを支配する。取鳥雄吾がインを突くが、結局下げて4番手。野原の逃げを利した稲垣裕之(写真)が、抜かりなく勝機をモノにした。


 「野原君が頑張ってくれました。前回は腰痛が出てしまって、それをかばうようなセッティングにしたらあまり良くなかった。2日目からは元に戻しました。腰も大丈夫だと思います」


 4番手から追い込んで2着の取鳥雄吾が課題をあげる。


 「(野原が)前に出たあとに流したので、内をしゃくろうと思ったけど…。なんとか2着だけど、初日に走って先行ではまだまだ力が足りないと感じた。もっと練習してパワーアップしないといけない」


 

6R

選手の写真です。
中村浩士選手

 南関3車を受けた山田英明が4番手に入る。先頭に立った郡司浩平はペースを落として、別線の動きに注意を払って先行態勢。一度は内を進出した小松崎大地は、後方に下げての立て直しを余儀なくされる。先行を腹をくくった郡司が、最終ホーム手前からペースを上げて駆ける。郡司の掛かりがよく、別線は不発。番手で願ってもない展開が訪れた中村浩士(写真)が、ゴール前で郡司を交わした。


 「郡司君が2周行ってくれたし、掛かっていた。自分はなにもしていないですよ。ただ付いていっただけ。郡司君は取れた位置から流れを見て走れるし、いろんなカード(戦い方)を持っているんで、そこが強みですよね。絶好の展開をうまくコントロールできたし、郡司君も上手に踏めていたので大丈夫だなって思っていました」


 二次予選の一発目で郡司浩平が、ラインを上位独占に導いて準決進出。納得の表情を浮かべる。


 「(準決の)27人のうち、(南関地区が最終的に)何人上がれるか。とりあえず3人は上がれた。最終的には(GIを)獲るのが目標だけど、まずは準決に乗って、決勝ですからね。去年からするとGIの準決も苦しかった。前だったらジャンくらいだと(踏む距離が)長いなって思ったけど、ペースだったらやれるっていう自信もある。自転車の感覚が良くなれば、自信もついてくる。落車がないんで、自分がイメージするいい感覚を維持できていると思います」


 

7R

選手の写真です。
山田久徳選手

 根田空史に併せ込んでフタをした新山響平が、赤板の2コーナーで誘導を降ろして主導権を握る。山田久徳が抜かりなく中団をキープして、根田は7番手。山田が最終2コーナー手前からまくりで前団に迫る。逃げる新山も必死に合わせて抵抗するが、直線半ばで山田がとらえる。村上博幸がその外を踏んで1着。


 「(山田)久徳も単純なスピード勝負だったら、分が悪いんで7番手とかになったらチャンスがない。だから、勝負どころだけだと思っていた。前回(松阪記念の)まさかの決勝じゃないけど。7番手になった時にどうするかだけでした。(最終3コーナー過ぎのあおりは)追い込みとしてやってきた部分もあるし、久徳がまくり切らなくても、そこの位置だけはっていうのがあった。脚的にも楽なんで(最終)バックでも踏んだら進む感覚がもてました」


 練習仲間の村上とともに準決進出を遂げた山田久徳(写真)は、初日の内容が一息だっただけに胸をなで下ろす。


 「初日は構えてしまって恥ずかしいレースだった。2日目は、メンバー的に中団は絶対に取らなきゃいけないと。ただ、新山君のダッシュがすごかったし強かった。バックが向かい風だったんで助かったけど、あれが追い風だったらと思うとゾッとする。(村上)博幸さんとは一緒に練習をして、お世話になってるんで準決に上がって欲しかった。なんとか勝負権のあるところまでは、仕掛けられたらっていうのがあった」


 

8R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 前を取らされた山崎賢人は山中秀将の上昇に対して誘導員を残して7番手に下げると、中団から打鐘に合わせて出た吉澤純平(写真)を一気に叩いてホームで先頭に立つ。出られた吉澤は井上昌己を飛ばすとバックから番手まくり。山中のまくりを許さず押し切った。


 「今回の感じじゃ先行で逃げ切るというよりも前々何でもやる感じでしたね。ワンツー決まって良かったです。(山崎を)突っ張れたら突っ張るけど、行かれたので(番手で)勝負したんですけどね。(バックから番手まくり)あそこは何も考えず、行けそうなら行くという感じでした。前回(小倉FI)の落車でサドルとハンドルが壊れた。セッティングも変えて行ってたけど、まだ数値もとってなくてざっくり出してるので。練習では同じようにして来たつもりだけど、感覚が違ったのでセッティングをいじりたい」


 武田豊樹が2着に続いて、茨城師弟コンビでワンツーが決まった。


 「吉澤はいつもどおりじゃないですか。山崎君のこともあまり気にしてなかったと思う。あそこは引けなかったんでしょうね。僕たちのラインを支持してくれるファンに応えられてうれしい。僕は内を締めながら、(吉澤を)迎え入れる準備をしてたからキツかった。練習の成果がお互い出たんじゃないかな」


 

9R

選手の写真です。
坂口晃輔選手

 渡部哲男の当日欠場で8車立てとなった9レース。後ろ攻めからレースを動かした吉田敏洋は鈴木竜士を受けて3番手を確保する。2コーナーから一気にまくり上げると、7番手まくりから狭いコースに切り込んだ清水裕友、さらに直線では和田健太郎、鈴木がからんで落車するアクシデントが起こる。荒れたレースを制したのは坂口晃輔(写真)。まくり切った吉田に続くと、ゴール前できっちりとらえた。


 「吉田さんが『自分でレースを組み立てられるから』と後攻めを選んだ。その分、脚を使うけど、“策士”だと思います。位置を取ってまくってくれているので、ホントにそのおかげです」


 吉田敏洋はひと回り以上年齢の違う若手機動型を相手に攻めのレースを展開。好位確保からのまくりで中部ワンツーを演出した。


 「自力型の中で年齢は一番上で脚力的には劣るかもしれないけど、自分でレースを作り、積極的に仕掛けるというポジティブな考え方がいい面に出てくれた。今回は落車明けだけど、前検日から言っているように落車前より状態はいいくらいです」


 

10R

選手の写真です。
浅井康太選手

 渡邉雄太が赤板ホームで誘導員を下ろすと、外から菅田壱道、内からは単騎の杉森輝大が中団に追い上げる。これで7番手になった南潤は打鐘から一気に仕掛けると、ホームで渡邉を叩き切り、ライン3車で主導権。4番手の渡邉が2センターから外に持ち出すと、これをけん制しながら前に踏んだ浅井康太(写真)が直線抜け出した。


 「南君が強かったですね。出切ってからラインで決まったかなって思ったけど、渡邉君のスピードが予想外だったので前に踏ませてもらった。とにかく南君が強かった。自分の態勢が整ったのが1コーナー付け切ってからでした。シューズのサンは微調整します。マークする分にはいいけど、自力でどうなるかなってところなので。準決勝は自力の可能性が高いのでね」


 2センターからまくり追い込んだ渡邉雄太が2着に食い込んだ。


 「ホームは全開で踏んでいて、たまたま中団に収まれた。脚は溜まっていなかったけど、南も踏んでいたのでバックでタレてきた。それで詰まったので仕掛けていった。体の使い方を意識して変えたら車の進みは初日よりも良くなった」


 

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 赤板の2コーナーで山崎芳仁が、先頭に立つ。一本棒の7番手で反撃のタイミングをうかがっていた近藤隆司は、打鐘の3コーナーから踏み上げる。最終1コーナーで南関3車が出切って、車間が空いた4番手に山崎。6番手の平原康多にとっては楽な流れではなかったが、2コーナーから強引に仕掛ける。岡村潤のブロックをこらえて平原が前団をとらえる。続いた諸橋愛(写真)は、平原の外に進路を取って差し切った。


 「(平原のまくりの)タイミングが自分のなかでズレてしまって、離れるかと思った。(平原が仕掛けて)行くかと思った時に行かなくて、バックを踏んだ時に行かれた。そこをリカバリーできてるんで悪くない。嫌な緊張感もないし、不思議と落ち着いてる。練習してきたのがあるから、いつも通りいけばいいのかなっていうのがありますね」


 関東勢を追った原田研太朗が外を伸びて2着。「凌いだ感じですね」と、平原康多は3着も、さすがの勝負勘で突破口を見出し、諸橋とともに準決にコマを進めた。


 「(近藤の仕掛けで)あれで完全に(南関ラインで)決まるパターンだって、途中でわかった。だから、行かないとって、無理やり(まくって)行った感じです。位置を取るのにも脚を使ってたけど、後輩のお手本になるように。(調子は)いいんだか、わるいんだか、わからない」


 

12R

選手の写真です。
小倉竜二選手

 優秀の「スタールビー賞」は太田竜馬が三谷竜生を強引に叩いて打鐘過ぎ4コーナーから先頭に立つ。三谷の巻き返しを小倉竜二がけん制すると、接触した三谷が2センターで落車。これに対して椎木尾拓哉も乗り上げてしまう。直線で小倉が抜け出すと、徳島勢後位を回っていた松浦悠士が初日特選同様に3番手から突き抜けた。


 「太田が頑張ってくれました。そこってタイミングを逃さず行ってくれましたね。小倉さんも仕事をしてくれましたし。(出切ってからは)タイミングをずらそうとあおりだけ作って、あとは小倉さんがやってくれるだろうと思ってた。三谷さんがこっちに落ちてくるんじゃないかと思って体が固まってしまったけど、そこから整えてしっかり前に踏めました。普段、自力で動いてる分、余力があったので最後もうひと踏みすることができた。(GIの)特選自体初めてなんで、ここまで走れるとは思わなかったけど、2日間とも太田の先行がデカい」


 2位入線の小倉竜二(写真)は三谷の落車で審議対象になってしまったが、セーフの結果にホッと胸をなで下ろす。


 「優秀なんで持って行くつもりはあまりなかった。振ったというより、(三谷を)合わせるぐらいで出て行って、太田と踏み合いでいいと思ったんだけど、まさか落車になるとは。落車させたんで、ちょっとダメっすね」


 3着には太田竜馬が粘り、初日と同じラインでまたも上位独占を決めた。


 「タイミング良く行けたかなと思います。三谷さんも全開だったと思うので、けっこう踏みました。ホームは流れてるんですけど、バックは爆風ですね。落車はヒヤッとしたけど、小倉さんが失格しなくて良かった。初日と同じ感じで出来すぎっすね。自信というより無心で。的確に判断はできてる」


 

1R

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朝倉佳弘選手

 赤板の1コーナーで野原雅也を押さえた金子幸央が主導権。長い関東4車が出切って、5番手で田中晴基と野原の併走になる。最終ホームを目がけて金子がペースを上げる。田中は2コーナー手前からインを進出して、4コーナーで芦澤大輔を弾く。志村太賀は張られた芦澤のあおりを受けて、関東4番手の朝倉佳弘(写真)が中のコースを伸びて1着。3連単は50万円を楽に超える高配当。


 「初日にぶつかって失敗したから、(3日目は)引っ掛からないようにすり抜けようと。ただ、その前に4番手の仕事ができなかったのが…。アッシー(芦澤)と(志村)太賀に申し訳ない。(田中)晴基を入れちゃったのが」


 野原との5番手の取り合いから、田中晴基は内を押し上げて関東勢の番手まで進出。芦澤を外に張って追い込んだ。


 「もう外には行けないなっていうのがあった。でも、自分だけになっちゃった。一番の理想は(野原と金子で)やり合ってくれることだった。とにかく前々に攻められたんですけど、自分のことでいっぱい、いっぱいでした」


 

2R

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桐山敬太郎選手

 合わせて踏み上げる稲毛健太から主導権を奪った桐山敬太郎(写真)が、絶妙なペースをつくりあげて逃げる。7番手の池田勇人、4番手の稲毛のまくりを不発にした桐山は、内藤秀久の追い込みを振り切って1着。


 「(逃げ切れたので)まだ、調子が悪くないってことがわかりました。誰か来たら番手勝負だと思っていたけど、来なかったので逃げ残れる距離で踏もうと。内藤さんが連日仕事ができていないって言っていたので、だったら(逃げて)行きますよって。2日間はオーバーワーク気味だったのかな。(3日目は)軽かったです」


 流れ込んだ内藤秀久は、他地区ながら3番手を固めてくれた4着の佐々木則幸を気遣う。


 「桐山が気持ち良さそうに駆けていたのでね。誰も来なかったし、ラインで決まればいいかなと。ワンテンポ早く車間を詰めていけば、ラインで決まったのかな。後ろに佐々木さんが付いてくれたんで、せっかくならラインで決めたかった」


 

3R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 松岡健介の上昇に吉田拓矢は、赤板過ぎから突っ張る。再度、松岡が仕掛けるも、吉田がダッシュ良く合わせて主導権をキープ。中団で脚を溜めていた池田良のまくりは不発。最終4コーナーでインから堤洋に当たられて態勢を崩した神山拓弥だったが、逃げる吉田をきっちりと交わした。


 「(突っ張られた)松岡さんが俺のところで止まったから、んっていうのはありました。(番手で競りかと)構えました。そのあとは吉田が全部やってくれた。誰か割ってくるのが見えて、堤さんだったんで締めました。吉田も勝手に残った感じだし良かったです」


 3位入線の堤が失格で、結果的に関東ラインで上位を独占。微差の2着も吉田拓矢(写真)は、突っ張り先行で上々の動きを見せた。


 「武田(豊樹)さんのアドバイスをもらって、ハンドルを広いのに戻しました。狭いのが流行っているんで(初日、2日目は)狭いのにしたけど、僕には合わなかった。(体がうまく)連動しない。いつもの広さにハンドルを戻したら、体が沈んで感覚も楽でした」


 

4R

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小松崎大地選手

 赤板ホームから前に出た飯野祐太が打鐘からペースを上げる。井上昌己にすくわれて7番手になった取鳥雄吾がホームから巻き返すと、小松崎大地(写真)は合わせて2コーナーから番手まくり。4番手を固めた永澤剛まで連れ込んでラインで上位を独占した。


 「飯野君が頑張ってくれました。(番手まくりは)色んな選択肢のなかのひとつを選択した感じ。それが合ってたかどうかはわからないけど。でも3人で確定板にのれたし、それは良かった。(飯野を)残せたような気もしなくもないし、でも行かれたら…。そういう感じですね。言い訳としては」


 小松崎に続いた守澤太志だったが、逆転はならず。


 「差せそうな感じはあったけど、差しはぐれた。すいません。最後の踏み直しが小松崎さんも強いんで」


 

5R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 長島大介の上昇に合わせて中団から柴崎淳がアクションを起こすと、渡邉一成は赤板ホームから誘導員を下ろして応戦する。再び7番手になった長島が打鐘前2コーナーから踏み上げるが、渡邉もピッチを上げて出させない。別線のやり合いを尻目に脚をためた柴崎淳(写真)はバックまくり。押し切ってラインで上位を独占した。


 「(渡邉)一成さんがやる気でしたね。最終ホームで引くのが遅くなった動きだけが余計でした。バックの風は感じたけど、車の伸びは良かったと思う。今回は戦える状態で入ったし、初日(8着)も脚の感じは良かった。勝ち上がりでも戦える調子だと思うけど、GIは紙一重だし、頭も使ってレースをしっかり組み立てないといけない」


 柴崎のまくりにピタリと続いた金子貴志だったが逆転はならず。


 「僕が1番車だったし、初手は中団から攻める作戦で、その位置が取れた。柴崎君は最終ホームで車を引くのが遅くなったけど、余裕はありそうだったので信頼して。いいスピードでまくったし、最後は抜きに行ったけど踏み直された」


 

6R

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芦澤辰弘選手

 青板から上昇した坂本貴史は前受けの山崎賢人にフタをして、赤板ホーム過ぎから先頭に立とうとするが、山崎がこれを突っ張って出させない。中団を確保した杉森輝大が2コーナーからまくり上げたが、山崎の踏み直しと大塚健一郎のけん制で不発に。そのまま山崎が押し切るかに、杉森マークの芦澤辰弘(写真)が大外を突き抜けた。


 「山崎(賢人)君の突っ張りは予感していました。坂本君もそう思ったから早く押さえたんじゃないかな。どちらにせよ中団中団でと思っていました。途中でガツンと踏まれた時に離れてしまったけど、緩んだので追い上げていけた。杉森さんに一生懸命付いていって大塚さんのブロックで杉森さんが失速したけど、最後は外を伸びたのでうれしいですね。最近悩んだりしていたけど、(1着を取れて)安心しました」


 終始レースを支配した山崎賢人が2着に粘り込んだ。


 「直線で少し上に自転車が上がってしまったけど、失格しなくて良かった。今日は突っ張り先行しか考えていなかったです。大塚さんが3着に入ってくれたのが何より。体の感じは悪くないけど、もっと脚力を付けないとダメですね」


 

7R

選手の写真です。
南潤選手

 赤板の2コーナーで先頭に立った南潤は、2車のラインでも臆することなく逃げる。近藤隆司を制して北津留翼が3番手を確保。鈴木庸之が、打鐘の4コーナーから反撃に出るが3番手まで。リズム良く風を切った南潤(写真)が、後続をシャットアウトして逃げ切った。


 「初日も2日目もバーンって下げて、(仕掛けて)行ってるだけなんで。(3日目は)切ってくれるメンバーならって、ああなりました。鈴木さん以外なら(切って)行ってくれるかなと。そのあとは距離関係なしに、流れで叩いた方が楽かなと。きれいなジャン先行ができたんで、あとはまくって来る人を合わせられればと」


 南のダッシュに一瞬遅れた村田雅一は、苦笑いで振り返る。


 「ジャンのところは油断してました。(南が)近藤さんを合わせに行った時(少し離れてしまったところ)ですね。(南は最終)2コーナーでしっかりと踏み直してた。もう僕はいっぱいでした」


 

8R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 先に動いて小原太樹を受けた小川真太郎(写真)は新山響平のカマシに合わせて打鐘から内をすくうと、遅れてきた佐藤博紀をドカして新山の番手を奪う。稲垣裕之は4番手の菊地圭尚とからんだことも影響して巻き返し届かず。小川が直線鋭く抜け出した。


 「4番手を取ってまくってやろうと思ったけど、あれは4番手じゃまくれませんでしたね。すげえかかってた。後ろをチョロチョロ見てたら離れたけど、追いついて良かった。得意の決まり手、差しをつけちゃいました(笑)。でもアレで良かった。勝手に体が反応して(打鐘で)内に行ったし、判断良く動けた」


 敵が番手にはまる展開になった新山響平だったが末良く3着に粘った。


 「(小川)真太郎が残してくれました(笑)。後ろは見えてたし、そこから見ながら踏めた。最後はキツかったけどね。(佐藤)博紀さんがギリギリまで真太郎の脚を削ってくれたから3着まで残れた」


 

9R

選手の写真です。
根田空史選手

 打鐘過ぎから単騎で先頭に立った竹内雄作を追った根田空史(写真)は番手で休むことなく最終ホームからすぐさま叩いて主導権を奪う。中団から山田英明がまくるも、松谷秀幸が最終4コーナー手前で強烈ブロック。援護を受けた根田がけん命に粘って、押し切った。


 「竹内さんは単騎だけど、あの動きは想定していた。最終ホームで番手に入ることは考えなかったですよ。叩くまでにある程度は脚を使ったし、全体的に重いコンディションなのでペースに入れられた感じはなかった。松谷さんのブロックがなければまくられていたと思うので、仕事に感謝ですね」


 ホームから仕掛けた菅田壱道が柏野智典のけん制で外に浮くと1センターから内に切り込んだ大槻寛徳は荒井崇博をドカして山田のまくりにスイッチ。山田がけん制されると、今度は内の狭いコースを突っ込む。入線は3位だったが、松谷の失格により2着に繰り上がった。


 「展開が激しくてよくわからなくなったけど何とか突っ込めた。今日から新車に換えたけど、無我夢中だったし感触などはつかめなかった」


 

10R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 赤板前から上昇した吉澤純平を渡邉雄太が叩いて打鐘から主導権を握る。前受けから8番手に下げた中川誠一郎(写真)だったが、構えることなくホーム手前から一気のまくり。番手の小倉竜二と2人できれいに出切ると、そのまま力強く押し切った。


 「風がなくて寒くなかったし、コンディションがとにかく良かった。2日目までの状態なら踏み込む勇気がなかったです。顔見せでこの(バンクの)状態ならいつもの感じでいけるなって。なんとか小倉さんにも(決勝に)乗ってもらいたいなって気持ちもあったので。ホームで仕掛けようか迷っていたけど、緩んでいたのでいきました。(優勝した一昨年の)ダービー以来の決勝です」


 マークした小倉竜二は2011年6月の高松宮記念杯以来となる久々のGI決勝へ。


 「もっと(中川は)タメるかと思ったけど、早めに仕掛けていったね。本人は余裕で出ていったけど、付いていくので一杯だった。連日、人の後ろで付いているだけで決勝に上がれるのはなかなかないよね。最近は原田(研太朗)ばっかり決勝に乗っているので、中四国で人数が多く乗れたらいいね」


 中川の仕掛けを追うように2コーナーから踏み込んだ吉澤純平が3着で決勝に駒を進めた。


 「(渡邉が)流していたら飛び付きも狙っていたが、結構流れていたので引きました。みんな脚を使っていたのでなんとかなりました。中川さんにスイッチしたつもりだったけど、どんどん伸びていった。自分だけになってしまって諸橋さんには迷惑かけました」


 

11R

選手の写真です。
和田真久留選手

 赤板を迎えてもレースは動かず、5番手の古性優作が1センターから上昇を始める。その上を狙いすましたように、山中秀将が大ガマシを敢行。打鐘で勢いよく飛び出す。山中、和田真久留(写真)の南関コンビが3番手以下を大きくちぎって最終ホームを通過する。離れた3番手の古性はなかなか差を詰められず、南関勢のセーフティーリードに思われたが、和田がバックで番手からまくる。そのまま後続を大きく離した和田が、2着に大差をつけてビッグ初優出をGIの舞台で決めた。


 「組み立ては全部、(山中に)任せてました。自分がもうちょっと落ち着いてやれて、技量があれば山中さんと(決勝に)乗れましたね。GIの準決でこのメンバーだから、(別線が)追いつき切らないってことはないと思った。全部、山中さんのおかげです。(GIの決勝は)いつか乗れるくらいの感覚でいたけど、そこは甘かった。(GIの決勝に乗れて)ホッとした感じがある」


 最終2コーナーからまくりを打った浅井康太が、近畿勢を乗り越えて前の2人を追いかける。失速する山中をとらえにかかったが、浅井が山中に接触して両者で落車のアクシデント。浅井に乗った吉田敏洋が、2着に入った。


 「あのジャンガマシは予想してなかった。でも、そのあとは浅井が冷静に対処してくれた。あとは浅井がどのタイミングで行くのか、木暮(安由)を使うのかとかでした。自分は周りが見えてました」


 太田竜馬のまくりは浅井に合わされ、香川雄介は中部ライン後位に切り替える。直線ではアクシデントもあって、しぶとく3着に入った。


 「太田に付いていくことだけ。(太田と連結を外した)実績もあるんで。ただ、浅井が先まくりをしたんで、太田は無理やなと。それでも4、5着かなと思ったんですけどね」


 

12R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 赤板前から上昇して誘導員を下ろした郡司浩平を打鐘で原田研太朗が押さえると、そこをすかさず平原康多が叩いて打鐘過ぎ4コーナーから主導権を握る。番手の武田豊樹(写真)は車間を切って後続をけん制しながら直線抜け出した。


 「平原君は勝負強いですね。位置取りだけじゃなく、ああいう競走ができるのが強み。何とか僕も油断せず頑張ったつもりだけど、(平原が4着で)ちょっと残念。平原君と決めたかったけど、松浦(悠士)君も強いですしね。平原君は決勝を走れないけど、平原君にもらったチャンスだし、決勝は吉澤(純平)君と頑張りたい」


 関東ライン3番手を回った佐藤慎太郎がゴール前外を伸びて2着に食い込んだ。


 「準決勝であそこまで思い切り先行できるなんて(平原は)超一流の自力選手だと感じましたね。4コーナーまで待って外を踏んだんだけど、俺が(平原、武田の)間を行くぐらいで踏めば平原を残せたのかな。あれだけ頑張ってくれたから一緒に乗りたかった」


 中村浩士とからみながら4コーナーから内に切り込んだ松浦悠士が最後は平原の内を突いて3着に。見事にGI初優出を決めた。


 「(原田)研太朗が必ず仕掛けてくれると思ってたし、郡司(浩平)を止めて研太朗のコースを作ってからと思った。内に来たのが誰かはわからなかったけど、負けないように体を預けて踏んだら前が空いてた感じ。(同期の)研太朗と一緒に戦って自分だけだけど乗れた。気持ち的にはいい気持ち。研太朗と一緒に戦って乗れたのはデカいですね」