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決勝戦レポート

深谷知広(愛知・96期)

豪快にまくった深谷知がⅤ

 怪物・深谷知広が、その実力をまざまざと見せ付けた。ライバル新田祐大とのスピード勝負を制し、2月の高松以来、今年3度目の記念Vを手にした。
「前が緩んでいて、あとふた踏みでいこうと思ったら、思いのほか新田さんが早く来たので(ホームでいけなかった)。新田さんがすごいスピードだったけど、落ち着いて対処できました。佐藤(康紀)さんが、ちょっと離れているのが見えて、直線まで待って。結果オーライですね。久しぶりに優勝できて嬉しいです」
 前回の地元豊橋記念では、まさかの準決勝敗退。「地元で苦しめられたので、今回は苦しめられるように」とその悔しさを今シリーズにぶつけた。初日から抜群の走りで勝ち上がると、準決勝は先行して別線を完封。そして、単騎となった決勝は、上がり11秒0の好タイムで栄光をつかんだ。
 次走は中3日で共同通信社杯。そして、その先には寛仁親王牌と戦いは続く。深谷がこの優勝をきっかけに反撃態勢に入る。
 「(豊橋記念より)疲れが少なかったので、結果がでました。でも、富山だとああいう失敗が命取りになりますね。この後はしっかり休んで。次が大事なので、しっかり今後に向けて流れを作りたい」

 S班の新田祐大は、深谷との力勝負に屈して準V。それでも、見ごたえあるレースを見せてくれた。
 「タイミングを取らないで、いけるところまでいったんですけど。深谷は後伸びするタイプだし、最後は失速してしまって。でも、良いレースが出来たと思います。普通の人なら抜かれないけど、深谷だから抜かれたので気負いはせず。力は出し切れた」

 「あれは無理」と冗談交じりにレースを振り返ったのは佐藤康紀。新田の仕掛けに食らい付いて3着に入った。
 「踏み出しがすごいのはわかっているんですけど、ノーモーションでいかれるので。普通の選手とは違いますね。地元の意地で付いていきました。ちゃんと追走できたので、自分の仕事はできたと思います」

 逃げた中井太祐はまくられて8着。それでも、力を出し切って納得の表情。
 「初めて記念の決勝に勝ち上がったので、勝ち負けどうこうより、自分のレースをしようと思っていました。外に古性(優作)さんが見えて、そこから叩かれないようにずっと踏んでいました。今後につながるレースはできたと思います」

 中井とは対照的に古性優作はがっくりと肩を落とす。
 「ジャンで中井さんが斬った上をいこうと思ったけど、全然叩ける気がしなかった。カカっていましたね。(3番手を)取り切ったところでいける脚もなかったです。力不足ですね」

 初の記念決勝となった山田久徳は、気持ちが空回りしてしまった。
 「前々に踏んで、いい位置を取ろうと思ってました。古性が行くのかと思ったら違いましたね。あの位置を近畿同士で取り合う形になってしまったけど、お互い譲れない位置ですから。ちょっと位置にこだわりすぎたし、もう少し違うレースができたかもしれないですね」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲が鳴ると単騎の深谷知広がいち早く出てスタートを取った。初手は深谷、山田久徳ー市田佳寿浩、新田祐大ー佐藤康紀、古性優作ー南修二、中井太祐ー三谷将太の順で並ぶ。

 レースは青板周回のバックから動く。まずは古性が上昇して前を押さえると深谷は車を下げ、誘導の後ろが入れ替わる。赤板を過ぎ、今度は山田が上昇し、誘導を降ろして先頭に立つと、さらに中井が打鐘をめがけて叩いて出た。これに古性が反応して続いていくと、叩かれた山田と中団3番手を取り合う形に。中団がもつれるなか、中井は全力で逃げて最終ホームを通過。すると、新田が前と車間を詰めていき、早めにスパートした。新田はもつれた上を猛スピードで通過すると、最終バックで全員を飲み込んだ。番手の佐藤も懸命にマークし、北日本ワンツー態勢へ。大勢は決したかたと思われた。しかし、そこへ後方から深谷が襲い掛かる。北勢を猛追すると、2センターからさらに加速。直線で新田を捕らえると、最後は2車引き離してゴールした。新田、佐藤がそれぞれ2、3着。近畿勢は総崩れに終わる。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 7 深谷 知広 愛知 96期 S1 11 まくり
2 1 新田 祐大 福島 90期 SS 2B 11.4 捲残
3 4 佐藤 康紀 青森 73期 S1 1B 11.4
4 8 三谷 将太 奈良 92期 S2 3/4B 11.6
5 2  修二 大阪 88期 S1 3/4B 11.5
6 9 山田 久徳 京都 93期 S1 1B1/2 11.7
7 3 市田 佳寿浩 福井 76期 S1 1B1/2 11.6
8 6 中井 太祐 奈良 97期 S2 1/4W 12 H B
9 5 古性 優作 大阪 100期 S1 3B 12