KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

やひこ競輪

YAHIKO KEIRIN

21#

決勝戦レポート

園田匠(福岡・87期)

園田匠が悲願のG1初戴冠

 ゴールした瞬間右手人差し指を高々と上げて勝ち誇った。前日に「33歳でピークがくるって言ってて、(34歳になる前)最後にG1を獲るチャンスが来ました」と語っていたが、園田匠はそれを有言実行の快勝で見事にタイトルを呼び寄せた。

 「師匠(吉岡稔真氏)に散々迷惑をかけてきて、自分の中で33歳で(タイトルを)獲るって最後の挑戦で獲れたので人生計画通り、とりあえずは師匠に恩返しができたかなと思います。家族に散々迷惑をかけてきたので、嫁さん(良恵)にありがとうと言いたいです。普段は言えてないので」

 今年は全日本選抜、高松宮記念杯と準決勝まで進み状態も良かった。前日に「ここまでは準決で落車とかあったんですけど、なければやれるとは思ってました」と言ったのは本心からだったのだろう。強気なスタイルでこれまで落車もあったが、G1決勝の舞台でも迷わず最後は突っ込んだ。

 「大塚(健一郎)さんや小倉(竜二)さんが自分に連日アドバイスをくれて色々と勉強になったので、それを参考にしてレース中ぶっつけ本番で考えながらやってました。的確なアドバイスをくれたので、それを頭に入れながら走ってました。(最後は)もうどんな展開であれ、内側をぶっ込む(突っ込む)つもりでいたので、全然恐怖心はありませんでした」

 タイトルホルダーになっても変わらずいつものスタイルで今後も突き進む。

 「自分らしい泥臭いレースを、どこからでも突っ込んでこれるような、今までにないタイトルホルダーになりたいと思います。あとは師匠が獲れなかったオールスターが最大の目標なので、それまでは。それが一番孝行できることだと思うので」と次なる目標へ足を止めることはなさそうだ。

 

 武田豊樹と神山雄一郎の関東SSコンビは惜しくも着に終わった。武田は「あのメンバーだと脇本君が先行では日本一ですし、まくりだと新田君が日本一になります。その中でこのメンバーだと総合力で戦うしかない。神山さんと作戦をしっかり立てて、早めに追い上げていったんですけど、力不足でしたね」と悔しそうに振り返った。

 神山も「あの形で武田君を抜くのは大変ですね。武田君が(番手から)出ちゃったら出ちゃったで大変なんで。あのメンバーであの攻防戦の中で、脚は残ってなかったです。その中で武田君と着になれたのは頑張れたかなというのがあります。優勝するにはあともうひとつやらないといけないことがあったかなと思います」。

 

 北日本の先導役を担った新田祐大だがシンガリ負けに終わった。

 「行けるところはあったんですけど、仕掛けられなかったです。一瞬も逃しちゃダメですね。心技体を鍛え直します」

 

 渡邉一成は着に終わり、悲願のG1初戴冠はまたしてもならなかった。

 「新田君の後輪だけ見てました。打鐘、ホームでそんなにスピードは上がってなかったので、新田君のダッシュ力なら出れたはずだし、北の人で決まったと思うんですけどね。番手が僕だから安心して駆けられなかったというのもあるだろうし、そういう意味ではアシストできなかった」

 

 菊地圭尚は早めに内を突くも、コースが空かず着に。

 「厳しいですね。全然悪くはなかったんですけど。コースが空いてくれれば突き抜けてたと思うんですけど、みんなコース取りが上手いんで。また頑張ります」

 

 約2年振りのG1決勝だった伏見俊昭は8着に終わった。

 「良い緊張感、良い雰囲気の中で走れました。もう少し高いレベルで戦えるようにしてきます」

 

 今シリーズ仕上がり抜群だった脇本雄太もタイトルへは届かなかった。

 「まだまだ組み立てが甘かったですね。(金子貴志に)もう少し早めに追い上げて欲しかったです」

 

 武田に飛び付かれ脇本との連結を外してしまった金子貴志は反省の弁を口にする。

 「分断されてしまって。脇本を追い上げると北日本勢を引き出す形になってしまうんで。ああなったときにどうするか、そこが微妙な判断でした。せっかくワッキー(脇本)が先行してくれたのに申し訳ないです」

 

 

  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です

レース経過

 最内の武田豊樹を制して、渡邉一成、菊地圭尚が号砲で飛び出すと渡邉が正攻法を確保。新田祐大を迎え入れると、新田―渡邉―伏見俊昭―菊地―武田―神山雄一郎―脇本雄太―金子貴志―園田匠の並びで周回を重ねる。
 青板周回の2コーナーから脇本が上昇を始めると、中団の武田も合わせてアクションを起こす。武田は4コーナーで早くも誘導員を下ろして前受けの新田を下げさせると、ホーム手前から叩いてきた脇本の番手に飛びつく。武田は1コーナーで金子を飛ばして脇本後位を確保すると、先に降りて4番手を確保していた園田が1センターで金子を迎え入れる。下げて6番手の新田に動きはなく、最終ホーム手前から脇本が腹をくくってペースを上げる。1センターから新田が反撃を開始するが、合わせて金子も中団からまくって出る。その金子に合わせて武田も番手から踏み込むが、脇本の踏み直しでなかなか前に進まない。直線に入ると神山が脇本、武田の中を割りに行く。金子、新田が外に膨らむと空いた中バンクを園田が一気に突き抜けてビッグ初優勝。武田、神山は惜しくも2、3着に終わった。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 8 園田  福岡 87期 S1 11.1 追込み
2 1 武田 豊樹 茨城 88期 SS 3/4W 11.4 追込み
3 7 神山 雄一郎 栃木 61期 SS 1/2W 11.3
4 4 菊地 圭尚 北海道 89期 S1 1/2B 10.9
5 2 脇本 雄太 福井 94期 S1 1/4W 11.6 H B
6 3 渡辺 一成 福島 88期 S1 3/4W 11.1
7 5 金子 貴志 愛知 75期 S1 1/4W 11.3
8 6 伏見 俊昭 福島 75期 S1 1/4W 11
9 9 新田 祐大 福島 90期 S1 1B 11.4