とよはし競輪

TOYOHASHI KEIRIN

45#


決勝戦レポート

諸橋  愛(新潟)

諸橋愛の逆転V

 高松宮記念杯、地元の寛仁親王牌とG1で立て続きに落車に見舞われた諸橋愛は、シリーズ2日目の優秀でも落車の憂き目。3場所連続の落車がフィジカルに影響を及ぼさないはずもないが、それ以上に精神的な加重が諸橋にのしかかった。
 「苦しいことばかりだったんでよかった。すべてを寛仁親王牌に合わせてきていたし、寛仁親王牌は決勝に乗って初めてスタートだと思っていた。だから、終わった直後が不甲斐なさというか、人生はうまくいかないなって。でも、また頑張ろうと」
 気持ちをリセットして臨んだ今シリーズ。準決以降も2日目の落車を感じさせない動きで、優勝をもぎ取った。
 驚異の加速力で深谷知広が、別線を置き去りにして主導権を奪取。そのまま金子貴志と地元両者でのゴール勝負かに思われたが、最終バック7番手にいた諸橋が不発の城幸弘から切り替えコースを探して目の覚めるような伸びを披露。鮮やかな逆手劇で4月川崎に続く、今年2度目の記念Vを飾った。
 「城も一緒に踏んでたけど、深谷がすごすぎて…。展開的には厳しかったけど、そういうでも自分は意外と冷静なんですよね。俺が行こうかなってコースを岩津(裕介)が入っていったし、自分はどこまで届くかなっていう感じがあった。ただ、あれで外を思い切り踏めた。金子さんは内の岩津を意識するし、それで僕は伸びました。ビクトリーロードが開いた。落車さえしなければ、調子は保てるですけどね。それでも精神的には強くなったし、この優勝をまたひとつステージ(G1、2)が上げられるようにしたいです」
 リスキーながらも狙った獲物を捕らえに突っ込むスタイルこそが、諸橋の真骨頂。落車禍を抱えながらも、その身上に迷いはない。

 グングンと加速して逃げる深谷後位であくまで冷静に立ち回った金子貴志だったが、最後の諸橋だけが誤算。盤石の態勢で地元V獲りに向け踏み込んだが、その外をゴール寸前で交わされて2着。
 「佐川(翔吾)が来たのも見えていたし、吉本(卓仁)も見えていた。これなら(深谷とワンツーが)決まるなって思っていたし、最後に岩津が入ってきたのもわかった。そしたら、あっ誰だって…、諸橋でしたね。でも上がり10秒9はスピード違反でしょ(笑)。深谷は頑張ってくれたし、ワンツー決まるのが一番。深谷はそういう選手ですから。すごい掛かりだった」

 諸橋を追走した牛山貴広が、外を踏んで3着に流れ込み。落車のアクシデントで準決から深谷フレームを使用。走り終わると深谷にも礼を言って、帰り支度を始める。
 「城君も浮くのを覚悟で仕掛けてくれたし、自分は諸橋さんの後輪だけを見ていた。みんなに助けられましたね、よかったです」

 赤板手前で先頭に立って先行態勢を取った佐川翔吾だったが、襲い掛かる深谷を合わせ切れず3番手から立て直してまくるも不発。
 「途中まではヨシ、ヨシと思ったんですけどね。(深谷を)出させるつもりはなかったんですけど、気づいたらもうヨコにいました…」と、深谷に脱帽する。

レース経過

 号砲で別線の出方を確認しながら地元コンビが誘導員を追うと、周回は深谷知広―金子貴志―城幸弘―諸橋愛―牛山貴広―岡田征陽―佐川翔吾―吉本卓仁―岩津裕介の並び。青板3コーナー過ぎから佐川が早めにアクションを起こすが、中団の城も合わせて動く。佐川は赤板前から誘導員を下ろして前に出ると一度ペースをスローに。サッと8番手に下げた深谷の仕掛けは別線の思った以上に早く、打鐘前でもペースを上げない佐川を2コーナーからの仕掛けで一気に叩いてしまう。車間を詰めた勢いでバックから佐川が、2コーナーからは城が仕掛けるがともに不発。空いた内に吉本、岩津が同時に切り込み、その後ろに諸橋が続く。3番手単独になった岩津は愛知コンビの中を割りに行くが伸び切れず。その後ろから外を回した諸橋がゴール寸前で金子をとらえて4月川崎以来となる通算3度目の記念優勝を飾った。2着には金子、諸橋に続いた牛山が3着に食い込んだ。

 

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 S/B
9 諸橋  愛 38 新潟 79 S1 10.9
1 金子 貴志 39 愛知 75 S1 1/2輪 11.3
4 牛山 貴広 34 茨城 92 S1 1/2身 10.8
3 岩津 裕介 33 岡山 87 SS 1/2輪 11.0
7 深谷 知広 25 愛知 96 SS 1/2身 11.6 B
6 岡田 征陽 35 東京 85 S1 2身 10.9
5 吉本 卓仁 31 福岡 89 S1 タイヤ 11.4
2 城  幸弘 29 山梨 96 S1 5身 11.8
8 佐川 翔吾 31 大阪 94 S2 9身 12.9

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