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85#

決勝戦レポート

井上昌己(長崎・86期)

井上昌己が地元記念連覇

 今年も地元記念にかける井上昌己の執念が結果となった。武田豊樹、浅井康太らライバルたちは準決勝で敗退。吉本卓仁、山田英明ら九州の援軍がこぞって勝ち上がり、井上を盛り立てた。「去年(の決勝)は同級生と先輩、今年は後輩のおかげですね」。開口一番、井上は前を回った後輩たちの頑張りをねぎらった。
 「赤板で(野原と)やり合わなかったんでね。(番手まくりが)もう少しググッと出るかと思ったけど、山田もキツそうだったから。とりあえず勝ててよかったです」
 7月寬仁親王牌の落車からスランプにおちいった。「怪我自体はひどくなかったけど、首がおかしくなって力が入らなかった」。競輪祭と今大会に向けて、調子を上げて行くはずが競輪祭は「イマイチだった」と、まさかの結果に。それでも舞台が地元に変わると、別人のような力と勝負強さを発揮した。
 「直前まで成績に表れなかったけど、ここは気合を入れてよかったです。何とか地元で優勝できたし、連覇はなかなかできないんで」
スピードと勝負強さは天性のもの。これから井上は再び九州勢をリードする。

 九州ライン4番手を選んだ岩津裕介はピタリと井上を追走。「今回は2着でも優勝です」と勝った井上を祝福する。
 「今回は山田のデキがそこまでじゃなさそうだった。井上さんは余裕がありそうだったし、最後は(山田の)内を行かないとないかなって感じでしたね。仕方ない。僕は前に任せてたし、うまくワンツーも決まった。一番人気だったし、ヨシかな」

 後閑マークから直線で内に切り込んだ中村淳が3着に食い込んだ。
 「最後は内しかなかったし、あの着で精一杯ですね。(状態も)だいぶよくなってきたし、とりあえず今回はよかった。また頑張ります」

 野原雅也は九州勢の2段駆けに猛然と立ち向かった。
 「どうしようもないですね。前もかかってて、ホームで行くのもけっこうキツかったです。結果1コーナーの上りになったし、もっと早く仕掛けられたらよかったけど」

 昨年大会決勝では九州勢分断に出た後閑信一の出方も注目された。
 「今年はタテで勝負しようと。野原くんと九州で踏み合ってくれればと思ってました。あのまま岩津の後ろについててもね。淳のコースもあるし自分も踏みたかったんで悔いはない。また頑張ります」

 井上の地元優勝に貢献した2人はホッと胸をなでる。先頭を任された吉本卓仁は「作戦どおり。本当はバックまでもちたかったけどね。失敗するわけにはいかないし、昌己さんが優勝してくれてよかった」。山田英明も「ハコを回してもらって絶対ミスはできない。連日、いいとこ見せられてないんで、これが次につながれば」と笑顔でレースを振り返った。

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で各車見合った状態から和田圭がゆっくり出て行く。和田が野原雅也を迎え入れ、これに加藤圭一が続いて前団、後閑信一-中村淳で中団を形成、後方に吉本-山田英明-井上昌己-岩津裕介の並びで隊列は落ち着く。
 青板周回の3コーナーから吉本が一気に仕掛けて、赤板前に早くも先頭に立つ。後閑がこのラインに続き、前受けの野原は引いて7番手。そのまま一列棒状の態勢で打鐘を通過する。後続の出方を確認した吉本はハイペースで駆けるが、打鐘過ぎの2センターから野原が強引に巻き返していく。車間を空けて準備していた山田がこれに合わせて最終1コーナーから番手発進。野原は井上の外で苦しくなる。2センターで山田の内を突いた井上が直線鋭く抜け出して快勝。地元記念連覇を成し遂げた。井上に続いた岩津が2着に流れ込み、後閑マークから中村淳が3着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 井上 昌己 長崎 86期 S1 11.8 追込み
2 5 岩津 裕介 岡山 87期 SS 2B 11.9 マーク
3 4 中村  栃木 69期 S1 3/4B 11.8 追込み
4 3 後閑 信一 東京 65期 S1 2B 12.1
5 2 和田  宮城 92期 S1 1/2W 12.3
6 9 山田 英明 佐賀 89期 S1 2B 12.8 B
7 8 加藤 圭一 神奈川 85期 S2 1/2B 12.1
8 7 吉本 卓仁 福岡 89期 S1 D 14 H
9 6 野原 雅也 福井 103期 S1 3/4B 14.3