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決勝戦レポート

深谷知広(愛知・96期)

深谷知広が16年をV発進

 昨年一年は苦しんだ深谷知広だったが、10月大垣記念で優勝と復活の兆しをみせると、12月伊東でも本来の力強さが戻っていることを示す優勝。乱高下した一年をよい形で締めくくった。そして巻き返しを期す16年最初のレースでどのような走りをするのかが注目される中、連日果敢な先行策から圧巻の走りを披露。それが決勝戦でも生きた。
 「3日間先行してきたことが生きました。浅井さんも優勝を狙っていけっていってくれたし、先行して形を残すか、優勝するかだと思ってました」
 最終ホームでも冷静さを失わずに引いてから態勢を立て直した。
 「平原さんに追い上げられたきたときも、しっかり引いて構えました。平原さんにヨコでは勝てないですから。それでもまくれる自信はありましたね」
 後ろに付くのはグランプリ王者の浅井。そのことも深谷にはプラスに作用した。
 「浅井さんが後ろで責任感はありましたね。下手なレースはできないと。去年は全然決まってなくて、今年はワンツーを決められるように」
 今後は高松記念。そして全日本選抜へと向かう。S級S班への返り咲き、そしてG1のタイトルへ。平成の怪物の巻き返しが楽しみになる。
 「今年はしっかり練習してG1で勝てるように。まずは一戦、一戦です。次の高松記念に向けて。そしてそのあとの全日本でも結果が出せるように」

 グランプリ王者としての初戦となった浅井康太は準優勝にも納得の表情。
 「まずは転ばなくてよかったです。深谷もよいレースをしてましたし、決勝戦は深谷が強くて抜けませんでした。深谷は僕よりも脚があるし、認めています。その深谷のまくりを抜けるように脚をつけたいです。先行してるのを抜いて残すのは当たり前。まくりを抜いてこその1番車だと思うので。深谷を抜いてこそG1のタイトルが付いてくると思います。そして今開催は深谷と2回連係して2回とも決まった。深谷と僕、それに(竹内)雄作。他にも後輩はいますけど、中部を盛り上げていきたいです」

 林巨人は深谷、浅井にしっかりと続いて3着。中部で確定板を独占した。
 「深谷君も余裕がありそうでしたし、ホームで浅井君が深谷君を入れて。バックは風が強いし、前も止まるだろうと。僕はもう3番手で離れないようにと、2人に離れないようにということだけを考えていました。それだけに集中していたんで。なのでよかったです」

 地元記念連覇を逃した平原康多はサバサバとした表情でレースを振り返った。
 「今日はもうジャンのところで終了しました。あそこで浅井君とああいう感じになって。脚が終了しちゃいました」

 番手まくりで抵抗した安部貴之は5着に、反省ばかりが口をついた。
 「櫻井君が頑張ってくれたのに、あれじゃ意味がないです。(深谷の)まくりが見えてたし番手から出るしかなかった。あんなに頑張ってくれたのに、この結果じゃ意味がないですね」

 気迫の先行をみせた櫻井正孝だがシンガリ負けに終わった。
 「格下なんであれしかないと思ってました。ペース上げながらなんでいっぱいでした。大舞台での経験の差もあるとは思うんですけど、力不足ですね」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 浅井康太がいち早く出てスタートを取り、初手は深谷知広-浅井-林巨人-岩本和也、平原康多-武井大介、櫻井正孝-安部貴之-佐藤友和で並んだ。
 淡々と周回が進み、レースが動いたのは赤板の2コーナーから。まずは櫻井が上昇していくと、深谷が打鐘で誘導を下ろして前に踏んでいく。しかし、櫻井はその上をしっかり押さえて先頭に立った。さらに、北勢に続いてきた平原が、浅井とからみながらも強引に中団へ。すると、深谷は6番手まで車を下げた。櫻井は一気にペースを上げ、最終ホームを通過していくと、2コーナーから深谷がアタックを開始。深谷は先まくりを狙った平原を猛スピードで抜き去ると、さらに番手から早めに出た安部を楽々と飲み込んだ。最後は迫る浅井を振り切って優勝。3着には林が入り、中部勢で確定板を独占した。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 7 深谷 知広 愛知 96期 S1 14.6 まくり
2 1 浅井 康太 三重 90期 SS 1W 14.5 マーク
3 9  巨人 愛知 91期 S1 1B 14.6
4 2 平原 康多 埼玉 87期 SS 1B 14.9
5 8 安部 貴之 宮城 92期 S1 1/8W 15.2
6 4 岩本 和也 石川 76期 S1 1W 14.5
7 5 佐藤 友和 岩手 88期 S1 2B 15.3
8 6 武井 大介 千葉 86期 S2 4B 15.5
9 3 桜井 正孝 宮城 100期 S1 1B1/2 16.2 H B