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決勝戦レポート

稲垣裕之(京都・86期)

稲垣裕之が8年ぶりの地元記念制覇

 地元の牙城は揺るがなかった。別線の激しい抵抗はあったが、近畿ライン3車で出切った時点で勝負あり。地元両者のマッチレースに場内は大きく沸いた。番手を回った稲垣裕之が村上義弘の追撃を振り切り、8年ぶり2度目の地元記念制覇を果たした。
 「周りの抵抗もすごかったけど、脇本(雄太)君が強かったので、安心して付いていくことができました。村上さんとゴール前勝負を演じさせてくれた脇本君に感謝ですね。吉澤(純平)君が4番手で見えていたし、連日の強さからあれ以上待つと自信がなかったので早めに踏ませてもらいました。地元記念は特別な思いがあるので本当にうれしいです。今開催は前で頑張ってくれた選手、後ろを固めてくれた選手のおかげですね」
 これで獲得賞金額は5千万円台に到達。2年連続のグランプリ出場に近づいた。次走の寛仁親王牌に大きな弾みがついたのは間違いない。
 「賞金のことはあまり考えてません。結果でしかないですからね。このあとはG1もあって大事なレースが続くので、気持ちを切らさないようにします」
 
 5度目の地元記念制覇を狙った村上義弘はライン3番手から気迫の中割り勝負。稲垣に詰め寄った。
 「真剣勝負をしました。優秀戦は稲垣の甘さが出たし、油断していたら中割りで抜こうと思っていた。早めに車間を切って、内か外か迷っているときに稲垣が前に踏んだので、その差ですね」
 
 地元勢を連れて迷いなく攻めた脇本雄太は直線で力尽きた。
 「別線の踏み合いは想定外でした。出切るのにけっこうきつかったんですが、僕の仕事は主導権を取ることなんで、何が何でもという思いで行きました。後ろからの気迫がすごくて、最後は気迫負けですね」
 
 初手から近畿ラインを追った吉澤純平が地元コンビに続いて確定板に上がった。
 「2番車だったので、最初から近畿の後ろにいこうと決めてました。ワッキー(脇本)のカマシのスピードがすごくて、脚を溜められなかったし、余裕がなかったです。単騎で難しいレースでした」
 
 正攻法に構えた山崎芳仁は打鐘前から阿竹智史を突っ張って全開で踏んだ。
 「あれしかなかったですね。(阿竹に)斬られたら、そこをワッキー(脇本)に行かれて、後ろになっちゃいますから。単純なレースになるよりはと思って突っ張りました。力不足ですね」
 
 山崎に突っ張られた阿竹智史は見せ場なく敗れた。
 「山崎さんに突っ張られるのは予想してなかった。あそこで前に出て勝負したかったですね」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲が鳴ると内藤宣彦が勢いよく飛び出してスタートを取った。山崎芳仁を迎え入れ、初手は山崎―内藤、脇本雄太―稲垣裕之―村上義弘、吉澤純平、阿竹智史―三宅達也、岩本俊介の並びで落ち着く。
 レースは早めに動く。青板の1センターから阿竹が上昇し脇本に並びかけると、脇本は車を6番手に下げる。一旦3番手に収まった阿竹は近畿勢を警戒しながら赤板の1センターで踏み上げる。しかし、前受の山崎が誘導を降ろして出させない。これを見た脇本は打鐘の2センターから反撃を開始。グングンと加速し、突っ張り切った山崎を最終1コーナーで捕らえラインで出切る。初手から近畿勢を追走した吉沢もそのまま続き、目標が力尽きたと判断した内藤がバックで吉沢後位にスイッチ。番手の稲垣は車間を切りながら別線の動きに備えると、直線入口で抜け出しを図る。最後は村上とのマッチレースを制して優勝した。近畿勢を追走した吉沢は仕掛けられず、そのまま3着に流れ込んだ。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 9 稲垣 裕之 京都 86期 SS 11.2 追込み
2 1 村上 義弘 京都 73期 SS 1/2B 11.2 マーク
3 2 吉沢 純平 茨城 101期 S1 3/4B 11.1
4 8 内藤 宣彦 秋田 67期 S1 1B 11.2
5 3 脇本 雄太 福井 94期 S1 1/2B 11.7 B
6 7 山崎 芳仁 福島 88期 SS 3B 11.5 H
7 4 三宅 達也 岡山 79期 S1 1B 11.3
8 5 阿竹 智史 徳島 90期 S1 1/2W 11.5
9 6 岩本 俊介 千葉 94期 S1 2B 11.4