まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#


決勝戦レポート

鈴木 庸之(新潟)

鈴木庸之が記念初制覇

 地元の雄、浅井康太は2次予選の発走機につくことなく、アクシデントに見舞われ途中欠場。もうひとりのSS班、神山雄一郎も、準決進出がかなわず2次予選で敗退。決勝も波乱のシリーズ象徴するような、大荒れだった。
 先行態勢を取る吉本卓仁に6番手から巻き返した松谷秀幸が襲い掛かり、最終ホームでは両者の踏み合い。メンバー中ただひとり記念決勝の舞台を初めて踏んだ鈴木庸之だったが、気負いはなかった。外を通過した松谷の動向を落ち着いて見極めると、すぐにまくりの態勢を整えた。
 「松谷さんに4番手に入られたら意味がないし、もうあそこまで行ってくれたらと思っていました。(松谷が)合わせられても後ろに3車いるんで、(柴崎)淳がかぶっている間に自分が(まくって)行けばいいんで」
 最終2コーナーから踏み出すと、もつれた前団のあおりを物ともせずまくり一気。後続をちぎる圧勝劇を演じて記念初優勝を遂げた。
 「S級の初優勝も、初めて決勝に乗った時でした。決勝に乗っても獲れない人もいるんで、自分は運がいい。恵まれてますね」
 愛用していたメーカーのフレームが、使用できなくなったことで低迷に陥った。しかしながら、その悩みも新たな自転車との出会いが解消。前回の共同通信社杯から投入した2台目の愛車が、鈴木に幸運を運んできた。
 「1台目は大ギア用に作って、それもすぐに優勝ができた。このフレームは前回からですね、使い始めたのは。勝手に自転車が伸びていくし、初日に先行して思った通りのタイムが出た。やっとイメージ通りになった感じです」
 4月の川﨑では諸橋愛が10年以上ぶりの記念V。同県の先輩たちに刺激を受けながら、ここまでたどり着いた。
 「諸橋さんとは一緒に練習をして、練習では俺が勝てるのに。競走だと違いますからね。ノリさん(藤原憲征)にはS級に上がった時に練習していれば、(記念優勝は)獲れるって。獲れないってことは練習が足りないってことだと言われた。そこまでいかないと練習をやっている意味がないって。だからよかった。これからはもっと警戒されるだろうけど、それでも勝っていかないといけない」
 他の8人を置き去りにする鮮烈なV。手の内に入れた愛車とともに、鈴木はさらなる高みを目指す。

 神奈川トリオの4番手を固めた渡邉晴智は、吉本と松谷のモガき合いでもつれると俊敏に鈴木のまくりに反応。鈴木の加速力には置かれたものの、さすがの立ち回りで2着に入った。
 「(松谷が)行ってくれたんだけどね。白戸(淳太郎)もブロックをもらっていたし、そこからみんな内に行った。そしたらノブ(鈴木)が来たんで、自然と動いちゃった。でも口が空いて、追いつかないと思った」

 鈴木のダッシュに遅れた池田勇人は、渡邉に割り込まれるも懸命に踏んで3着は死守。
 「(最終)1センターもあおりでちょっと見ちゃった。ちょうどそこでノブに行かれた。それで(渡邉)晴智さんに入られちゃった。技術不足ですね…。ああいうレース展開も初めてだったし、まだまだ勉強することはある」

 先行の腹をくくった吉本ラインを追走した地元の柴崎淳は、松谷の反撃が思いのほか早かった様子。終始、内に包まれて、仕掛けのポイントを見失った。
 「ひとりは難しい。位置取りは良かったけど…。もう(松谷が)すぐに来ていた。しょうがないですね。(渡部)哲男さんがもっていった時に、自分が内に入っていければ…。そこでした」

レース経過

 号砲で柴崎淳、松谷秀幸、吉本卓仁と出るが松谷がスタートを取る。隊列は松谷―白戸淳太郎―松坂英司―渡邉晴智の南関カルテットが前受け、単騎の柴崎が続いて、吉本―渡部哲男、鈴木庸之―池田勇人の関東勢が後攻めの形で落ち着く。赤板手前から鈴木が上昇すると、この動きに吉本も続く。松谷がすんなり引いて鈴木が誘導員後位に入るも、打鐘前に吉本が鈴木を叩いて主導権。単騎の柴崎も前に踏み込んで3番手へ追い上げる。6番手に下げた松谷だが、打鐘2センターから一気に仕掛けて前団に襲い掛かる。吉本も突っ張り松谷と激しくモガき合う。後方に下がった鈴木だが、前団のモガき合いを見て最終2コーナーからまくる。番手の池田が踏み出しで口が空くほどのスピードでまくり上げると前団をひと飲みし、3コーナー過ぎに出切る。あとは一人旅で着差以上の圧勝劇。記念初優参で初優勝を遂げた。最終バックで鈴木に切り替え追った渡邉が2着。鈴木に千切れた池田はなんとか3着まで。
 

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 S/B
6 鈴木 庸之 29 新潟 92 S2 11.0
9 渡辺 晴智 41 静岡 73 S1 2身 11.2
5 池田 勇人 29 埼玉 90 S1 1身 11.2
3 渡部 哲男 35 愛媛 84 S1 2身 11.6
4 松坂 英司 40 神奈 82 S1 1輪 11.4
2 松谷 秀幸 32 神奈 96 S1 3/4身 11.8 B
1 柴崎  淳 28 三重 91 S1 3/4身 11.7
7 白戸淳太郎 42 神奈 74 S1 1/2身 11.8
8 吉本 卓仁 31 福岡 89 S1 大差 13.0

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