失格によるマイナス点で今期からA級落ちの紫原政文だが、前期S級では優出も多く、1班も狙えるほどの点数を持っていた。A級戦もここで3戦目ならレースの流れもつかんでいるはずで、脚力低下もないのなら地元のここは優勝しか考えないか。紫原にとって市橋司優人の存在が何より頼もしい。市橋は昨年後期から一気にブレイク。優勝3回、競走得点は96点を超えるなど、A級屈指の機動型に成長した。ただ市橋はこのあと広島でレインボーカップファイナルを控えている。3着以内に入ってS級に特進するようならシリーズの勢力図は大きく変わる。
市橋が特進してもしなくても脅威になるのが111期の新鋭、松本貴治の存在だ。在校中にはゴールデンキャップも獲得した逸材。チャレンジ卒業には時間がかかったが、11月向日町で特別昇班すると1、2班戦初戦の松山ではいきなり完全優勝。2戦目の高知では決勝で落車し、1、2班戦の連勝は5でストップしてしまったが、続く岐阜でも完全優勝と落車の影響を感じさせない走りを見せた。前期S級の蓮井祐輝は松本、高田大輔と目標がそろったここはチャンス。高田のタテ攻撃も争覇の一角だ。
前期S級は番手や3番手を回るレースも多かった金山栄治。ここも菱田浩二がいるが、A級でどう戦うか。同じくS降りの堂村知哉は12月和歌山で優出するなどS級終盤は差し脚好調だっただけに侮れない。
大谷靖茂に前期S級の三重コンビ、西村豊、岩見潤が続く中部勢も軽視はできない。