KEIRIN EXPRESS

　2月高知では準Ｖ、前回の玉野では今年初Ｖを挙げた古川貴之が登場。　

　「良くなかったころは逃げても残れなかったけど、最近は逃げても残れるようになってきたし練習の成果が出ていますね。まくりも出るようになったので戦法の幅が広がりましたね。初日は野口（大誠）君とは別になったけど、割り切って力勝負をしたいです」

　前回は冴えを欠いた山本巨樹は立て直しを誓う。

　「前回は前回なので仕方ないです。練習はできているので状態は問題ないです。小倉は走りやすいイメージだし、前回の分も今回は頑張りたいですね」

　前期Ｓ級の守谷陽介も意地をみせたいところ。

　「1月広島の前にインフルエンザを発症してずっと尾を引いていたけど、体調は良くなってきたし練習もできるようになってきた。小倉はＳ級で優勝もあるバンクだし、点数を落としてしまったので頑張りたいです」

　前回久し振りの優参を決めた山口貴弘は確かな手応えを掴んでいる。

　「2月別府からフレームを換えてセッティングも一新して、走る毎に踏んだ感触が合ってきている。今回も前回良くなかった所を修正してきて更に良くなっている。緩んだところがあればしっかり仕掛けていきたいです」

　前回2勝を挙げた片折亮太も機動力は高い。

　「最近は1着が取れているけど良くなっている感覚はないですね。悪い時と同じような感覚です。ただ、点数を落としてしまったのでまた上げていきたいです。追加は2週間前から分かっていたので準備はしっかりできています」

　片折の番手を得た大塚英伸は頼れる目標に全幅の信頼を寄せる。

　「片折君とは2度目の連係で、以前はＡ級の時に連係してワンツーを決めています。前回彼が逃げて押し切っているのをみているし、強いのは分かっているので信頼して任せます」

　実績断然の佐藤友和は力の違いを示したい。

　「奈良記念の前は良い練習ができたし、今回も中４日だけど宮古島で結構乗り込んできて状態は良く、疲れも心配ないです」

　佐藤の番手回りは初となる阿部力也。

　「自分が前でやったことはあるけど、佐藤さんの後ろは初めてですね。脚の感じは最近ずっと悪くないですし、流れが向けば問題ないです。初日は追走することに集中して」

　破壊力ある西本直大も侮れない存在。

　「2月の和歌山からセッティングを一新して良くなっていますね。前回は1着こそ取れていないけど状態は良いです。緩んだところを逃さずに仕掛けたいです」

　静岡記念では2連対の活躍をみせた佐々木豪が登場。　

　「Ｓ級のレースは難しいけど、前回はしっかり力を出し切れましたね。ただ、同県の松本（貴治・111期）さん達が強いのでもっと強くなりたい気持ちはあるし、自分もまだまだだと思っています。良い相乗効果を持って練習できているし、今の（練習）環境は良いですね。今回もバッチリ練習できました」

　佐々木豪とは初連係になる福島武士が援護役。

　「2月高松記念の前から状態は良くなっています。今回は（レース）間隔が空いたので練習と体のケアはしっかりできましたね。佐々木（豪）君とは初めてだけど、離れないようにしっかり追走したいです」

　ムラはある土屋壮登だが力はある。

　「練習は普通にやってきて状態は普通ですかね。静岡記念の最終日に佐々木（豪）君と戦っていて、脚力の違いは分かっています。考えてヨコも視野に頑張りたいです」

　前回の地元戦で優参を果たした大矢崇弘は勢いのある1車。

　「最近はずっと調子が良くて、噛み合えば結果も付いてくると思いました。それが前回出てくれましたね。変わらず調子は良いです。小倉は2年振りです」

　底力ある荒井崇博は落車明け。

　「今回は前回と違う自転車で、状態は走ってみないと何とも言えないね」

　坂上樹大は積極的な吉田茂生を目標に勝ち上がりを目指す。

　「静岡記念の後から地元も雪が溶けてバンクで乗れるようになりました。良い練習ができたし状態は問題ないです。吉田君はいつも頑張ってくれるので信頼して」

　前回の静岡記念では連日積極的なレースを展開して成績以上に存在感を示した原田研太朗。

　「前回は積極的に攻めてしっかり体が反応していたし、それなりに走れていましたね。ただ、末が足りなかったです。その辺がもう少しつけばね。今回もしっかり練習はできました」

　機動力高い天田裕輝も一発を狙っている。

　「前回は腰痛が出てしまって一本休んだけど、体調は整えてきたので状態は問題ないです。ドームは好きだし、思い切って仕掛けたいです」

　中井太祐の番手も選択できた森川大輔だが長考のあげく自分で組み立てることに。

　「前回の立川でも中近連係で山本（伸一）さんの番手を回ったのでその流れで中井君の番手という選択肢もあったけど、自分もまだ自力を出したいし初日は自分でやります。今回は直前に風邪を引いたけど、その前に練習はしっかりできていたので問題ないです」

　赤板前で上昇した守谷陽介ラインを追った山本巨樹が打鐘前で叩いて先制。すかさず巻き返した野口大誠は小林卓人の執拗なけん制を耐えてバックで先頭に立つがいっぱい。まくった野口を追ってまくり上げた古川貴之が大外を伸びて混戦を制した。

　「結構いくのはキツかったけど、野口君が仕掛けた上を行けているし悪くはないですね。弟子の金ヶ江（勇気・111期）と一緒に練習しているおかげで良い刺激をもらえているし、そのぶん余裕もあるので野口君の上を行けたと思います。キツかったけど、（力を）出し切れてよかったです」

　大外を強襲した森安崇之が2着。

　「守谷君が仕掛けてくれたおかげですね。脚には余裕があったし、伸びも悪くないですね。最近はあまり良くなかったけど、今回は体調を整えてきてマシにはなっていますね」

　まくられて大敗も意表を突く先行策で奮闘したのは山本巨樹。

　「初日（特選）で3車ってこともあったし先行は最初から考えていましたよ。出切ってから回していって3コーナーまでペースで踏めれば持たせられる自信はあったけど、その前にまくられているのでダメですね。ただ、次に繋がるレースはできましたよ」

　青板の2センターで黒川茂高が落車するアクシデントがあったが、片折亮太が仕掛け所を見極めて打鐘前で叩いて出る。出切ってからペースで踏み上げると別線は成す術なく巻き返せず、終始ペースで駆けた片折がそのまま押し切った。

　「落車があったのは音がしてすぐ分かりましたね。それで落ち着いて自分のペースで踏む事ができました。後は、誰かがカマしてくると思ったのでそこだけ合わせようと警戒していたけど、誰も来なかったので最後まで自分のペースで踏むことができました」

　片折をマークした大塚英伸が2着。

　「自分はヨコができないぶん、車間を空けるぐらいしか援護のしようがないのだけど、交わしにいったら思ったより片折君が強かったです」

　目標を失った柴崎俊光は4着で辛くも勝ち上がりには成功。

　「前が落車してどうしようか考えていたら、レースが進んでいて…。動くことができなかったですね」

　西本直大が打鐘で前々に踏み上げる田中勇二と萱島大介を制して主導権。佐藤友和がホームからカマして巻き返すが、西本に合わされて出切れず。絶好の展開巡ってきた竹内公亮がゴール前で抜け出して白星を飾った。

　「西本君が良いタイミングで仕掛けてくれました。佐藤さんが来たところも合わせてくれて全てやってくれましたね。2車だったので内をすくわれないようにだけ気を付けていました。西本君のおかげです」

　萱島大介に乗った島田竜二がゴール前強襲して2着。

　「萱島君が良い位置を取ってくれたし彼が全部やってくれましたね。自分は余裕があったし周りもみえていました。もう少しの差で1着を逃したけど、脚は悪くないです」

　打鐘で叩いた西本直大がレースを支配。

　「仕掛けるタイミングは悪くなく、出切ってからは少し流して（佐藤が）来たのに合わせて踏んでいったけど、少し踏み過ぎて最後タレましたね。ただ、だいぶ良くなっているし修正はできる範囲です」

　打鐘で中団に追い上げた土屋壮登がホームで三上佳孝を叩いて先制。しかし、北村貴幸が離れて土屋後位に追い上げた佐々木豪がバック過ぎにまくり上げて人気に応えた。

　「引くのか引かないのか迷っていたら残り1周近くになっていて組み立て自体は0点でした。もっと早めに行ったら3車で決まっていたのに。後ろの福島（武士）さんが離れていたのは分かったので付け直すまで待って、それで土屋さんの後ろに嵌る形になりましたね。それでも周りをみる余裕はあったし、福島さんが付け直してからはすかさず行けました」

　一旦は離れかけた福島武士だが、付け直して続き面目を保った。

　「佐々木君は引くのか引かないのか中途半端な動きで、そのぶん呼吸が合いませんでしたね。少しスローペースの中、いきなり行ったので離れかけてしまった。それでも付いていけたので良かったです」

　三上佳孝に乗った荻野哲が佐々木豪ラインに切り替えて3着。

　「三上君は頑張ってくれたけど相手も強かったです。佐々木（豪）君に行かれてから三上君を迎え入れることもできたけど、自分の着もなくなりそうだし申し訳ないけど切り替えさせてもらいました」

　　赤板の1センターで上昇した荒井崇博ラインを打鐘で吉田茂生が叩いて先制。8番手から巻き返した大矢崇弘を止めた坂上樹大がゴール前で吉田を差して中近で上位独占。

　「吉田君が良いペースで駆けてくれたので自分も仕事がしやすかったです。2番（大矢崇弘）が強いのは分かっていたし来たのも分かったので、そこはしっかり止めようと。ただ、あまり引き付けるようだと荒井（崇博）さんも飛んでくるのでそこにも警戒して仕事はできました」

　積極策で別線を封じた吉田茂生が2着。

　「先行はしようとハナから考えていました。出切ってからペースで踏めていたし、たとえまくられたとしても坂上さんが止めてくれると信じて踏んでいきました。状態は良くなっていますね」

　3番手の荒井崇博だが被って動けずに苦戦を強いられた。

　「2番がジャマになったけど、自分の組み立ても失敗していたのは事実。7番（吉田）が行くのは分かっていたので、切らずに出させて、2番も行くだろうしもつれたところをまくればよかったです。最善の組み立てではなかった」

　中井太祐が打鐘前で原田研太朗を叩いて先制。追い上げた天田裕輝が原田と併走になり4番手がもつれる展開に。初手から中井ラインを追っていた森川大輔がバックでまくり上げると竹内智彦のけん制を乗り越えて白星を飾った。

　「後ろがもつれてくれたので展開が向きましたね。ただ、自分も動けているので悪くはないです。中井君も合わせて踏んでいたけど乗り越えられてよかったです」

　中井を援護した竹内智彦だがまくりを止め切れずに2着。

　「3番手の位置でやり合ってくれればよかったのに、真後ろから来られたので自分の対処がそのぶん甘かったです」

　先制してレースを支配したのは中井太祐。

　「出切ってから踏み応えはあったし、最後まで踏めていたと思います。越えられてしまったのは仕方ないけど、前回の地元記念に向けて仕上げた貯金はあるし小倉は相性が良いです」