KEIRIN EXPRESS

　前回の玉野ミッドナイトで通算３度目の優勝を飾った鈴木奈央がレースの中心になりそうだ。

　「中2日だけど、普段から競技と競輪で詰まっているので、何も問題ないですね。練習をしてからマッサージを受けて、疲れは取ってきたつもりです。まだまだ今の成績に納得していないので、結果を出していきたい」

　奈良岡彩子は白星こそ少ないが安定した走りを披露している。

　「無理に仕掛ける事が減って成績は安定したけど、1着がもっと欲しいですね。小倉は白星がないので、今開催のどこかで1着を獲れるように頑張りたい」

　内村舞織はデビュー3場所目で地元戦を迎えて、初白星獲得へ意気込む。

　「デビュー前に練習中の落車でみんなよりスタートが遅れてしまった。体のバランスとかが悪くて思い通りのレースはできていないけど、一戦一戦、力を付けられるような走りをしたい。梶田舞さんみたいなレース運びを目標にして頑張っている」

　8月のいわき平で行われたガールズドリームレースＶと順風満帆の成績を残している高木真備が今開催の主役だ。

　「一発勝負のガールズドリームレースを優勝できた事は凄く自信になった。前回から中8日ほど空いてしっかりと疲れを取りました。今は年末のガールズＧＰに向けて脚を作っている段階。結果はもちろんだけど、内容重視の競走を心掛けたい」

　篠崎新純は自分に合うトレーニング方法を見つけて状態が上向いている様子。

　「今までは自分の体と真逆の練習をしていたみたいで、トレーニング方法を変えてから踏み応えが良くなった。体の使い方とかはまだまだだけど、より成長できる感じはありますね。最内枠を生かして良い位置を確保したい」

　デビュー8場所目となる成田可菜絵は地道な練習で自分の武器を磨いている。

　「自分の持ち味はダッシュだと思っている。でも全然、生かせていないので、力をつけるために中澤（孝之・56期）さんに練習を見てもらって頑張っている最中です。2度目の決勝に乗れるように初戦から仕掛けていきたい」

　2ヵ月ぶりに当所戦に登場する田中晴基がレースの中心となりそうだ。

　「前回の武雄（共同通信社杯）が悪過ぎたので、中3日だけど、1日だけみっちりと練習して悪い所を見直してきた。7月の小倉も良くなかったので、今回は良い結果を出せるように頑張りたい」

　番手を回る岡部芳幸は前回の共同通信社杯で一息も悲観した様子は一切ない。

　「グレードレースはこんなものですよ。記念ならまだ戦えるけど、それ以上になると展開も向かないしなかなかうまくいかない。でも前回は4日間良い勉強になった。それをＦ1でしっかりと出したいね」

　初日3連勝中の不破将登は同地区の谷口遼平を目標に得て笑顔を見せた。

　「連係は初めてですね。番手回りもたくさんあるわけではないけど、これからは番手戦も増えてくると思うので、こういうチャンスはしっかりと生かしたいですね。ウエイト練習の成果も出だしたので、初日4連勝を狙いたい」

　総合力が高い九州勢が本線。ホームバンクで誰よりも気持ちが入っている柳詰正宏が予選メインを飾る。

　「前回の防府から一週間ほど空いたけど、状態はそれほど変わっていないと思う。もうちょっと伸びが欲しいですね。最近はここ（小倉）で結果（昨年8月初日から未勝利）が出ていないので、今回こそは白星ゲットしたいですね」

　「疲れがある」と言う松川高大だが、別線の機動型とは力が違い、初日はラインでの上位独占に期待したい。

　「日韓競輪があってすぐに共同通信社杯もあり疲れを取る暇がないけど、戦える状態にはあると思う。メンバー的にも早めの仕掛けはアリですね。良い作戦を練ってラインで決められるようにしたい」

　一気に調子を上げてきた大川龍二が不気味な存在となりそうだ。

　「いろんなことが噛み合ってきた。自分は流れに逆らわずに乗っていく事が大前提。レースの流れに乗ってどこかで自力を出したいですね」

　稲村好将は現状の成績を打破しようと試行錯誤を繰り返している。

　「最近は思ったような走りができていなくて、今は山崎（芳仁）君のトレーニング方法を取り入れている。直前も体のことは気にせず、全力でモガいてきた。疲れはあるが、ナイターなので、抜けてくれると思う。これで良い方向に向いてくれれば」

　どのラインも一長一短があるものの、いわき平オールスターでの落車の影響を感じさせず、前回の武雄共同通信社杯で2連対を果たして準決へ進出した木暮安由が混戦を断ってくれそうだ。

　「前回終わってからは地元に帰らずに武雄で調整した。バンクで走りたかったけど、雨だったので室内でローラーに乗って体を作った。練習の感じでは、前回より良いと思う。次走が寛仁親王牌なので勢いをつけるためにもタテで勝負して結果を出したいですね」

　バック数と逃げの決まり手が断トツの大竹歩が果敢に主導権を取りにいきそうだ。

　「共同通信社杯終わりの人が大多数なので、自分のコンディションが一番良さそうですね。渡邉（雄太）君も以前みたいにがむしゃらに先行しなくなったように見えるので、主導権自体は取りやすいと思う。ただラインが2車なのは厳しいですね。3車なら何も気にせず先制できたけど、2車だとそうはいかない。巧く仕掛けていきたいですね」

　渡邉雄太はレースの組み立てに柔軟性が出てきた。

　「最近はヨコの動きとかをやっているように見えるけど、たまたま当たりにいっただけで、意識は全然していない。タイミング良く仕掛けられているのが、良い成績に繋がっていると思う。中3日で、静岡に帰って軽く練習してきました。小倉はＳ級では2回目。前回はひとつも着に絡めず大敗だらけだったので、今回は確定板に載れるように頑張りたい」

　岡村潤は前回の武雄3日目に渡邉とワンツーを決めている。

　「中3日が続く疲れと練習をし過ぎた疲れもあるが、尻上がりに良くなってくれるはず。この後に続くグレードレースを見据えて、今回は新車を試す。それが良い方向に向いてくれれば良いですね」

　打鐘まで動きがなかったが、地元の内村舞織が後ろの鈴木奈央を警戒しつつ最終ホームを目がけて一気に先制。鈴木はそつなく追走すると2角で番手から捲り出る。内村に若干の抵抗を受けるが、3角で先頭に立つと後続を寄せ付けず押し切った。

　「ホームで仕掛けたかったけど、外を踏むか迷ったのと内村さんが踏んでいたので、仕掛けられなかった。一応対応はできたけど、思ったより踏み切れていないですね。疲れを取って、2日目は主導権を取れるように頑張りたい」

　奈良岡彩子は前受けから鈴木後位に飛び付き2着を確保。

　「ギアを下げて正解でしたね。元のギアなら鈴木さんの後ろに飛び付けずに内で併走してくるしくなっていたと思う。久し振りにイメージと体の動きが噛み合ったレースでした」

　元砂七夕美は終始奈良岡を追い流れ込んだ。

　「前回の松阪がダメだったので確定板に載れて良かった。バックを踏む場面があったけど、踏み直せた。位置取りも悪くなかったと思います。いつも2日目が悪いので、少しでも良い着を取れるようにしたいです」

　内村舞織は逃げて見せ場を作るも、直線で末を欠き悔しい4着に。

　「ホームで鈴木さんを待つか迷ったけど、地元なので思い切って仕掛けた。4着ではダメですね。3着までに残らないと自力で戦えない。でも自分でレースを作れたのは悪くないと思います」

　高木真備は打鐘前に後方から上昇する成田可菜絵に合わせて始動すると4角で踏み上げて主導権を取る。ペースを緩めることなく最終バックを通過して、番手に嵌った篠崎新純を振り切り逃げ切った。

　「打鐘付近から仕掛けようと決めていました。スピードのノリと踏み直しはまだまだですね。今までは最終バックで一度スピードを緩めて踏み直す脚を残していたけど、それでも強い相手には捲られてしまうので、今は緩めずにそこからさらに踏み上げることを心掛けている。修正する所はして、2日目を戦いたい」

　篠崎は高木に飛び付き番手を奪うと直線で迫った。

　「あれが私の真骨頂ですからね。譲れない所です。いつもよりすんなり追走できましたね。でもまだまだ余裕がない。余裕が出てくれば、高木さんを交せる脚をタメられると思う」

　高橋朋恵は最終ホームで篠崎に割り込まれるも3番手を確保して流れ込んだ。

　「高木さんの後ろを本当は取りたかったが、篠崎さんに割り込まれてしまった。でもすぐに立て直せて3番手を取れたので、最低限のレースはできたと思う」

　打鐘で先行態勢を取る松本卓也を谷口遼平がすぐさま強引に叩きにいくと最終1コーナー過ぎに出切る。番手の不破将登は捲り出た田中晴基を一振りで止めると直線で追い込み初日の連勝を4に伸ばした。

　「打鐘過ぎで谷口君が仕掛けた時にスピードがあまり出ていなかったので、叩き切ってくれるか不安だった。田中さんの仕掛けは気にしていて、そんなに強烈な捲りではなかったので良かったです。岡田（雅之）さんは離れてしまったけど、ラインで決まったのが何よりです」

　中村圭志は内を締めながら直線は中コースを突いたが2着まで。

　「ずっとバック踏んでいたので、キツかったですね。余裕もなくて自分の仕事で一杯だった。岡田さんまで付いてきてくれれば完璧だったけど、前回の良い流れが今回も続いているみたいなので、これを大事にしたい」

　谷口は車間を空けて援護してもらうも直線で僅かに末を欠き3着に。

　「打鐘からずっとスカスカしていて、かなりキツかった。全然カカらなくて、何とか残れた感じですね。体の状態は良くなってきているので、自転車の問題だと思うので修正したいですね」

　田中は捲り出るも進みが悪く4着まで。

　「自転車のセッティングを変えたらそれが体とマッチしていないですね。勝たないといけない展開だったんですけどね。やっぱり前回の悪い部分を引きずっているのかなと思う」

　竹澤浩司が赤板で前受けの松川高大を押さえるとそのまま松川は番手で粘る形をとった。松川は一度、坂上忠克に競り負けるも立て直して稲村好将をどかして4番手を確保すると、終２センターあたりから外を踏み直線で追い込んで白星を掴んだ。

　「引いてしまうとホーム近くからの巻き返しになってしまうので厳しいと思い、内で粘る形になった。判断は良かったと思うけど、競り負けたときは焦った。2分戦は難しいですね。でも脚を使ったわりには、タイムが出ていて悪くないと思う。後ろに迷惑かけたのは反省ですね」

　坂上は松川に競り勝ち絶好展開を迎えるが、松川に伸び負けて2着に。

　「粘られるのは予想していた。久し振りにやってやろうっていう気持ちが出ましたね。思い切り番手を守りにいった。2着だけど、やる事やって番手も守ることができたので、悲観することはないかな」

　竹澤は久々の勝ち上がりに笑顔が戻ってきた。

　「後ろが粘られて悪いことをしたけど、勝ち上がれたのは嬉しいですね。山崎（将幸）君の単騎カマシは想定外だったけど、良い目標になって踏めましたね。この勝ち上がりを良いきっかけにしたい」

　柳詰正宏は直線でコースを迷い5着も、点数上位でギリギリ準決に進出した。

　「松川君が競り負けたときはやばいと思ったけど、さすがですね。道中は余裕あったけど、最後はコースを見てしまって、伸びるかなと思ったけど、全然だめでしたね。準決は悠長な事は言ってられないので、決勝にいけるように頑張りたい」

　大竹歩は渡邉雄太と打鐘で踏み合いになるも渡邉を出させず主導権を取り切る。最終バック前で番手の近藤龍徳が車間を空けて援護するも内々を潜り中団を取った木暮安由が鋭く捲って前団を飲み込み初日特選を制した。

　「緩めば叩きにいく気持ちはあったけど、緩まなかったので捲りに構えた。別線が先行争いをしてくれて良かった。展開が向きましたね。脚の感じは変わらず。1着を取れたけど、おごることなく気持ちを切り替えて挑みたい」

　朝倉佳弘は呼吸を合わせてワンツーを決めるたが、木暮の強さに脱帽した。

　「木暮君はスピードが凄いし、しかけるタイミングも良かった。強過ぎる。渡邉君が下りてきたときも巧く対応できたので悪くない。下手に何かを考えて走ると付いていけないので、頭を空っぽにしないと。準決は初日以上にピッタリと付けたいですね」

　大竹は渡邉に踏み勝つも、木暮に捲られて悔しさを露わにした。

　「後ろの様子がわからず主導権を取ってからペースで踏めないどころか、最終ホームで一杯。後一周あるのが信じられないぐらいでした。木暮さんの捲りを合わせられるぐらいの脚が欲しいですね」