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34#

決勝戦レポート

稲川翔(大阪・90期)

稲川翔が反撃の狼煙

 昨年は初のS班に名前を連ねるも、相次ぐ落車で思った走りができなかった稲川翔。「正直、苦しかった」と語るが、逆境を乗り越え初の記念Vをつかんだ。
 「ワッキー(脇本雄太)を抜いた感触はなかったですね。でも、ゴール後に藤木(裕)に『獲ったか』と言われてジーンときました。(記念優勝は)ひとつの目標にしていましたし、腐らずにきたことが良かったですね。でも、怪我もあって、まさかこんなに早く獲れるとは思わなかったです」
昨年、12月の伊東記念で左肘を骨折。心が折れそうになる中、近畿の仲間たちが支えてくれた。
 「一番苦しかったのは、今年の全日本(選抜競輪)を病院で見ている時ですね。自分は本当に走れるのか。今の現状と違いすぎて。でも、(村上)博幸さんとか、南(修二)さんとか村上(義弘)さんとかが親身になって気にかけてくれたし、村上さんが(3月ダービー)で優勝してくれて、感化されました。ワッキーも頑張ってくれたし、ちょっとずつ何かの形で恩を返していきたいです」
 次はいよいよ静岡ダービー。自信を取り戻した稲川が、再度大舞台で輝きを放つ。
 「レースの中で恐怖心はないですし、走る以上は自分のやることをやろうと思っています。大きいところで、また優勝争いができるように頑張ります」

 準決と同様に力強い先行を見せた脇本雄太だったが、惜しくも準V。
 「風はそんなになかったんですけどね。ただ、稲川さんが仕上がっていました」

 近畿3番手を固めた藤木裕が3着。しっかり内を締めて、稲川の優勝に貢献した。
 「自分も優勝は狙っていました。次に自分が番手を回った時は獲れるように」

 新田祐大は5番手からまくるも、伸びを欠いた。
「本当は郡司位置が欲しかったです。郡司が(2センターで)止まっていて、あの外はダメだとわかっていたけど、いくしかなくて。あれが精一杯です」

 4番手からまくった郡司浩平だったが、地元Vは叶わず。
「位置を取ったけど、それで終了です。改めて力勝負をして、敵わない相手でした。こういう(脇本のすんなり駆けの)ときの戦い方を覚えていかないといけないし、それ以上の力を付けないといけないですね」

 GP覇者の浅井康太は後方に置かれ、まさかの8着敗戦。
「新田君がいくと思って。ワンテンポ遅れてしまいました」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲が鳴ると浅井康太が、様子をうかがいながら誘導を追いかける。浅井に大塚健一郎が続き前受け。以下の隊列は新田祐大、郡司浩平―松浦悠士、古屋琢晶、脇本雄太―稲川翔―藤木裕で周回を重ねる。
 7番手の脇本が青板の2センターから上昇を始めると、郡司も合わせて出て赤板を通過。郡司が切った上を脇本が2コーナー過ぎに押えて出て主導権。稲川―藤木と続いて打鐘。郡司が4番手まで下げるが、近畿ラインに続いた単騎の新田と併走。郡司に振られた新田は空いた5番手に入り、郡司との連結を外した松浦。外に浮いた古屋は後退して、浅井が7番手。先行態勢の脇本がペースを上げて最終回へ。
 2コーナー手前から反撃に出た浅井だったが伸びは一息。4番手の郡司もまくって出るが、逃げる脇本の掛かりがいい。バックを通過して、浅井は中団の外でいっぱい。郡司も稲川の横までは至らず、3コーナーから新田がまくり追い込む。
 後続との間合いを図りながら、稲川が脇本との差を詰めてゴール寸前できっちり追い込みV。2着に脇本が粘り込み、3着も藤木で近畿勢が上位を独占。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 2 稲川  大阪 90期 S1 11.4 追込み
2 5 脇本 雄太 福井 94期 S1 1/8W 11.6 逃残 H B
3 8 藤木  京都 89期 S1 1/2B 11.3
4 7 新田 祐大 福島 90期 SS 1/2B 11.3
5 4 松浦 悠士 広島 98期 S1 3/4W 11.3
6 3 郡司 浩平 神奈川 99期 S1 3/4W 11.6
7 9 大塚 健一郎 大分 82期 S1 1/2B 11.1
8 1 浅井 康太 三重 90期 SS 3B 11.6
9 6 古屋 琢晶 山梨 90期 S2 8B 0