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37#

決勝戦レポート

渡辺雄太(静岡・105期)

4車結束の南関勢が圧倒

 4車の心がひとつになった南関ライン。青板の1センターから動き出した郡司浩平が主導権を握って、地元コンビに和田健太郎まで出切った時点で“勝負あり”だった。
 「ピッチの上がり具合がすごかったし、ピッタリ付いていないと離れそうだった。(番手で)粘られたら嫌だったけど、理想の展開でした」
 4車の先頭を買って出た郡司が別線の動向を確認すると、そこからグングンと加速する。吉田敏洋は立ち遅れ、5番手を確保した鈴木竜士が最終1コーナーから反撃に出た。
 「パッと見たら(鈴木)竜士さんが来てたんで、振りながら出ていった感じです。(番手から出て行くのが)ちょっと遅かったかなと思ったけどセーフでした」
 渡邉雄太が鈴木に合わせて、最終2コーナーで自力にシフトチェンジ。記念初Vの時と同じように番手まくりだったが、簗田一輝との2車だった名古屋と違い、後ろには心強い先輩2人がいた。
 「ラインのおかげですね。(グレードレースでは)まだ自力じゃ本命は背負えない感じがある。でも、次は自力で勝負したい」
 初の番手回りでチャンスをモノにした名古屋に次いで、2度目の記念制覇も番手まくり。ラインの結束力を地元Vに結実させたワンダーボーイは、これからも気負うことなく南関地区を引っ張っていく。
 
 「(郡司)浩平ですよね」と、開口一番、郡司を称えたのは2着の岡村潤。初日特選、2日目優秀ともに郡司とワンツー。シリーズ3度目のセットになった決勝も流れ込んで4走すべてが2着。
 「浩平が自分の役割をしっかりやってくれた。(鈴木のまくりが横まで来たけど)大丈夫だっていうのがあって、落ち着いてはいた。あれであんまり仕事をしすぎないようにって。(渡邉を)抜けなかったのは脚がない」
 
 南関勢のシンガリを務めた和田健太郎も、隙なく立ち回り3着。ラインで上位を独占した。
 「僕の役目は4番手で内をしっかり締めること。前の2人が上がっても、自分は上がらないようにした。それにしても郡司の掛かりがすごかった」
 
 5番手からまくった鈴木竜士は、岡村のブロックで失速。南関勢の牙城を崩すことはできなかった。
 「緩んだんで仕掛けたけど、(渡邉)雄太もサラ脚だったからキツかった。悔しいですけど…」
 
 昨年の川崎記念で渡邉の番手から優勝をつかんだ郡司浩平が、今度は渡邉の地元で抜かりなく主導権。迷いなく駆けた。
 「(ラインの4人が出切ったのを)確認してから、あとは(別線に)来られないように徐々に上げていった。残りの1周の前の4コーナーですね、あそこは気をつけていました。ワッキー(脇本雄太)だったら、あれでも逃げ粘れるんでしょうね。だけど、まだ自分にはそれだけの力がない。そういうところを目指してやっていかないと」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で東口善朋、吉田敏洋が飛び出して、吉田--東口-神田紘輔が前受け。以下は鈴木竜士-三谷将太-郡司浩平-渡邉雄太-岡村潤-和田健太郎の並びで周回を重ねる。
 青板周回から鈴木がしきりに後方に目をやると、1センターから郡司が踏み上げて一気に先頭へ。合わせて踏んだ鈴木が中団を確保し、吉田はやや離れた7番手に。郡司は赤板ホームから徐々にペースアップすると、打鐘から全開で飛ばす。番手で波を作った渡辺は1コーナーからまくって来た鈴木に合わせて2コーナーから番手まくり。鈴木にからまれながらも岡村、さらに和田が続くとバックまくりの吉田は外で浮いた鈴木を越えられない。郡司の気持ちに応えた渡邉が押し切って5月名古屋に次ぐ2度目の記念優勝。岡村、和田と南関勢で上位を独占した。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 渡辺 雄太 静岡 105期 S1 9.7 まくり B
2 4 岡村  静岡 86期 S1 1/2B 9.6 マーク
3 9 和田 健太郎 千葉 87期 S1 3/4B 9.6 マーク
4 2 鈴木 竜士 茨城 107期 S1 1B1/2 9.8
5 5 東口 善朋 和歌山 85期 S1 3/4W 9.5
6 6 三谷 将太 奈良 92期 S2 1W 9.6
7 3 吉田 敏洋 愛知 85期 S1 3/4B 9.8
8 8 神田 絋輔 大阪 100期 S1 1/2W 9.5
9 7 郡司 浩平 神奈川 99期 S1 D 0 H