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いとう競輪

ITO KEIRIN

37#

検車場レポート

  • 12/6 Wed.  (前検日)
  • 12/7 Thu.  (1日目)
  • 12/8 Fri.  (2日目)
  • 12/9 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
岡本総選手

 岡本総(写真)は今期の競走得点が105点台。初のS級で予想以上に健闘している。


 「今期の成績は自分でもデキすぎだと思ってます。練習はしっかりやってきたけど、なかなか調子が上がってこない。寒いのが苦手なので、これからがちょっと心配です。朝の1レースはS級に上がって初めてかも。しっかり準備して走ります」


 ナショナルチームで鍛えられている雨谷一樹は成績の波が激しい。


 「競技のほうの調子はいいんですけどね。今までで一番いいかもしれない。それが競輪のほうに出ればいいんですけど。しっかり練習して来たので、調子は大丈夫です。記念は早いレースのほうが多いけど、自力でしっかり頑張ります」

2R

 野田源一は11月富山FIで3年ぶりの優勝を飾った。ようやく好調時の切れが戻ってきた。


 「決勝はいい位置を取れたのが勝因ですね。内が空いて準備をしていたわけじゃないんですけど、体がしっかり反応しました。久しぶりに決勝に乗って、なんとか優勝できたんでよかったです。少しずつですけど状態は上がっているので、これからもっと頑張りたいです」


 小林史也は大きな着が目立つ近況だが、先行基本のスタイルは変わらない。


 「前回の武雄は感じが悪かったし、最近はなんかよくないですね。S級点もギリギリぐらいなので、ここでちょっと点数を上げたいと思います。いつも通り自力で積極的に行きます」

3R

 伊藤信は11月豊橋FIで準V。強烈なまくりを主武器に各地で善戦している。


 「今年の1月から新しい練習メニューを取り入れて、よくなってます。6月に大阪に移籍したんですけど、7、8年前から住んでいるので、環境は変わってません。最近は日程が詰まっていて脚力が落ちていると感じたので、しっかり練習してきました」


 布居寛幸も調子は上向き。連係実績豊富な伊藤ときっちり決める。


 「一時はA級に落ちるんじゃないかと思ったし、だいぶ上がってますね。今回もしっかり点数を上げておきたい。伊藤君にいつも以上に頑張ってもらいます」

4R

 鈴木庸之が機動力上位の存在。短走路で持ち味を存分に発揮しよう。


 「2場所前の京王閣でシューズを換えてダメだったので、前回の武雄で戻したらよくなりました。武雄は準決で久しぶりに逃げの決まり手がつきました。車番は悪いけど今なら逃げても大丈夫だと思う。しっかりラインで決まるように走ります」


 石丸寛之もスピードは引けを取らない。初日は鈴木との再戦に燃えている。


 「調子はふつうですね。いつもと変わらない感じでやってきました。鈴木君には前回(武雄の準決勝で)やられているので、今度はなんとかしたい。勝てるように走ります」

5R

 小原太樹は11月の小倉競輪祭の最終日一般戦で勝ち星を挙げた。成績以上に気配は良好だ。


 「競輪祭は動けていたと思います。青森記念の落車の影響はもうないですね。競輪祭が終わってから郡司(浩平)と宮古島へ3泊4日で合宿に行きました。そんなにすごい乗ってきたわけじゃないけど、上向きだと思います」


 追加の石毛克幸は3カ月ぶりの記念参戦に気持ちが入っている。


 「追加は昨日、練習が終わってから受けました。前回の富山の前は1カ月ぐらい配分が空いていたし、疲れとかは全然ないですね。配分が詰まっているほうがいいので。小原君は何でもできるし、強いので信頼して任せていきます」

6R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 簗田一輝(写真)は地元記念に初挑戦。スケールの大きな走りでファンにアピールする。


 「最近の成績、走りはまだ全然ダメですね。けっこう配分も詰まっていて、練習もあんまりできていない。前回の高知から中5日で特に何も変えずに、いつも通りやってきました。調子は悪くないと思います。伊東記念は初めて。目標は決勝です」


 自在戦で存在感を発揮している田中孝彦だが、ここは後輩の簗田に前を任せる。


 「追加をもらったのは3日前ですね。練習もやっていたし、調子も悪くない。簗田君の番手でしっかり仕事をして、ラインで決めたいです」

7R

 蒔田英彦は11月の京王閣FI、高知FIで連続優出と勢いに乗っている。


 「最近は成績もいいんですけど、感じもすごくいいいですね。(11月の)防府記念ぐらいからトレーニングの量を増やしたらよくなりました。追加を受けたのは3日前ですね。来るだろうと構えていたので問題ないです。伊東は相性もいいです。油断せずにしっかり主導権を取りたいですね」


 小嶋敬二は48歳となった今もなお自力勝負で奮闘している。パワーはまだまだ健在だ。


 「最近の成績はまずまずですね。3日の日に追加をもらった。これから練習をしようかなっていう時だったのでよかった。調子自体は悪くないですね。外人の開催が2回続いたんで、それよりは相手の力が落ちるから。ふつうに頑張りますよ」

8R

選手の写真です。
山岸佳太選手

 競輪祭で4日間、大敗を喫した山岸佳太(写真)だが、このクラスでは取りこぼせない。抜群の先行力で期待に応える。


 「競輪祭は全部、着外だったんですけど、親王牌よりもやることはやれたと思います。課題もはっきり見えて、充実した開催でした。終わって気持ちが抜けたので、少し休んで練習してきました。年末(のヤンググランプリ)に向けてというより、来年に向けてやってます。先につながる走りをしたいと思います」


 荻原尚人は前回の京王閣FIで優出。初日は総力戦で勝ち上がりを狙う。


 「最近の調子はあんまりよくないですね。そのなかで京王閣はしっかり決勝に乗れたんでよかったです。いつも通り自力自在に何でもやるつもりです」

9R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 太田竜馬(写真)が一次予選のトリを務める。競輪祭は一次予選で敗退したものの、敗者戦はすべて主導権を握って3連対している。


 「競輪祭は自分の力を出せたと思います。勝ち上がれなかったけど、だんだん戦えるようになってきました。終わってからは自分のペースで練習してきました。小松島のバンクが重くて、ちょっと重く感じました。伊東はプロになってからは初めてです。33は難しいんですけど、うまく組み立てられればいいですね」


 川口公太朗は多彩な戦法を使い分け、コンスタントに確定板に上がっている。


 「最近はセッティングを大幅に換えたり、いろいろと試しながらやってます。いいところもあれば悪いところもありますね。少しずつ上げていきたいと思ってます。相手は強いけど自力でしっかり頑張ります」

10R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 岩本俊介(写真)は今年後半だけで3度のV。FIシリーズ中心ながら快進撃を続けている。追加参戦でも不安はない。


 「前回の松戸の決勝は長めの距離を勇気を持って踏めました。完全優勝できて、いい手応えをつかめました。追加は3日前にもらいました。すぐに練習量を落として調整してきたし、体調は悪くないと思います。自力でしっかり走って岡村(潤)さんと決めたいですね」


 岡村潤はここ数場所の成績がパッとしないが、地元記念で気持ちを入れ直す。


 「競輪祭で脚が落ちていると感じたので、乗り込み、もがきと強めにしっかり練習してきました。今回は楽しみですね。最低、決勝で最高が優勝と思ってます。岩本君にはいつも連れて行ってもらっているし、好きに走ってもらいます。ダッシュがいいので、踏み出しで離れないように。そこだけですね」


 原田研太朗は12月取手FIで完全優勝。競輪祭の3日目から5連勝を飾った。


 「競輪祭からの5連勝はデキすぎですね。競輪祭の最終日からギアを3.93に上げて、それがこのフレームにはしっくりきている。取手の最終日を走り終えて、ここの追加をもらいました。中2日なんでストレッチぐらいしかしてないです。湊(聖二)さんとうまくゴール前勝負できればいいですね」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 郡司浩平(写真)は地元平塚のグランプリ出場を惜しくも逃した。気持ちを新たにここから再スタートを切る。


 「あの位置で走れて、いい経験ができたと思います。この悔しさを忘れちゃいけないけど、これで終わりじゃないので。切り替えて、来年に向けて、また一から作り直す気持ちです。体はまだ完璧じゃないけど、よくはなっています。セッティングだったり、かみ合えばもっとよくなると思います」


 渡邉雄太は競輪祭で一次予選敗退を喫したが、3日間バックを取る積極的な内容で2連対を果たした。


 「競輪祭は意外と動けましたね。終わってから特に変わったことはせずに、ふつうに練習してきました。前回よりはいいと思います。(郡司と一緒の番組で)びっくりしたけど、しっかり自力で頑張ります」


 金子貴志は10月前橋の寛仁親王牌、11月小倉競輪祭とG1連続優出。後半戦に入って一気にエンジンを上げてきた。


 「競輪祭はすごくいい状態で走れたと思います。決勝は深谷(知広)に任せての結果だからしょうがないです。終わってから29日、30日と伊豆のベロドロームに何人かで行って練習して仕上げました。高橋君の番手でしっかり頑張ります」

12R

選手の写真です。
新山響平選手

 新山響平(写真)は11月宇都宮FIで今年初優勝を飾った。競輪祭は二次予選で敗退したが、年末の平塚ヤンググランプリへ、ここでしっかり弾みをつける。


 「競輪祭の結果は不甲斐なかったですけど、ここに向けてしっかり気持ちを入れて練習してきました。11月30日にこっちに冬期移動しました。マッサージの人に見てもらって、パワー系の練習をやりつつ、体の感じを戻しながらやってます。渡邉晴智さんに任せてもらったので、迷惑をかけないように。しっかり魅せるレースをしたいと思ってます」


 渡邉晴智は高いレベルで戦歴が安定している。競輪祭では1年7カ月ぶりのGI優出を果たした。


 「競輪祭はタマタマですよ(笑)。終わってから(渡邉)雄太と一緒に練習して、感じは悪くなかったです。新山君は強いなっていう印象です。あんまり大きなことは言えないんですけど、地元なんで一戦一戦、しっかり走ります」


 長島大介は1カ月ぶりの実戦となった競輪祭で結果を残せなかったが、そのときよりも状態は格段に上がっている。


 「競輪祭で乗り方とか課題が見つかったので、まだ伸びるなっていう感じはあります。ちょっと休んでから練習はしっかりやってきました。競輪祭よりはよくなっていると思います」


 阿竹智史は10月平塚記念、競輪祭と連続落車の憂き目にあった。


 「ケガは大丈夫ですけど、連続落車で気持ちのほうが…。でも悪いことばかりを考えてもダメなんで、いいことを考えるようにしている。びびったら何もできないで終わるし、メインはタテで、最悪はいろいろ考えて走ります」

1R

選手の写真です。
村上直久選手

 中団の村上直久(写真)を警戒しながら岡本総が赤板で前に出る。7番手になった村上は打鐘前2コーナーから一気のカマシ。番手に岡本が飛びつくと、バランスを崩した水書義弘が落車し、中曽直彦ら4名が乗り上げる。番手を奪った岡本が粘る村上をとらえたが審議の結果失格に。逃げた村上が繰り上がった。


 「すんなり出させてもらえると思ったが、意外と(岡本に)踏まれました。座ってからの踏み直しがイマイチよくなかったので、セッティングを変えるかもしれません」


 岡本マークの坂上忠克が2着に。


 「岡本は(水書を)持っていってないと思ったけど…。僕自身は恵まれました。自転車の感じは悪くないけど、気持ちがあまりすっきりしないです」

2R

選手の写真です。
佐藤和也選手

 赤板ホームで飛び出した高瀬卓がそのまま一気にペースを上げる。最終2コーナーからは吉田裕全が番手まくりを敢行し、続く岡本大嗣と埼京ワンツーが決まるかに見えたが、中団4番手からバックで野田源一の内に切り込んだ佐藤和也(写真)が4コーナーから岡本、さらには吉田の内をもすくって抜け出した。


 「2コーナーで行こうとしたら、(埼京が)二段駆けするし、野田(源一)さんも仕掛けるしで内に行ってしまった。人任せになってしまい後ろを連れ込めないようでは…。(レースを)振り返れば最終ホームで行くべきでしたね」


 佐藤に内をすくわれながらも粘り強く外を踏んだ野田源一が2着に。


 「しっかり切ってペースを作ってから飛びつけばもっと楽だったかも。波を作って詰まった勢いで行こうとしたら車が出なかったですね。自分のレースはできたが上位戦の難しさを感じた」


 番手まくりの吉田に乗った岡本大嗣が3着に突っ込んだ。


 「僕はただ前2人に連れてってもらっただけ。何もしていない。吉田君が出たときは誰も来なかったし、2人で決まったと思ったのに来られちゃうんですね…」

3R

選手の写真です。
伊藤信選手

 後ろ攻めの木村弘が赤板前から先制。前受けの齊藤努はこの後位で粘る。打鐘で前団がもつれているところを8番手から吉本卓仁が一気に巻き返す。好スピードで前団を抜き去った吉本が最終バックで先頭に立つが、この動きに乗っていた伊藤信(写真)がその上をすかさずまくって快勝した。


 「(吉本よりも)先に仕掛けたい気持ちがあったんですけどね。緩んで行こうと思った時に、もう横まで来てました。欲を言えば強い選手(吉本に)に沈んでもらいたかったので、そのまま付いて行かずに仕掛けました。感じはよかったです」


 布居寛幸がきっちり食い下がり、人気の近畿コンビで連を独占した。


 「いい展開になった。付いている分には余裕が出てきました。バックで詰まったところを行ってくれた。信があのパターンで抜けることはない。とりあえずよかった。ホッとしました」


 ロングまくりの吉本卓仁が3着に踏ん張った。


 「展開上、後ろになってしまったけど、仕掛けると決めていた。仕掛けようという気持ちになっている。一時期より調子は上がってますね。でも、絶好調なら押し切れてました。練習の感じがそのまま出ている感じですね」

4R

 赤板過ぎに鈴木庸之を押さえて先頭に立った藤田大輔が徐々にペースアップ。打鐘で石丸寛之が中団に追い上げると、車間を詰めた勢いで鈴木は2センターから藤田後位に切り込み、最終2コーナーで春日勇人を飛ばして番手を奪う。鈴木が直線で藤田を抜きにかかると、飯嶋則之が中割り鋭く突き抜けた。


 「(失格が2回あってS級点は厳しいが、)1着を取れたし、2日目も頑張るしかない。何を考えても、思うのはそれだけですね。ひとつひとつの積み重ねです。ケガの影響はないし、車も進みました」


 鈴木庸之が2着に入り関東勢でワンツーが決まった。


 「石丸さんが中団に降りてきたのが予想外でした。(内が空いて番手に潜っていったが、)番手を取り切ってしまえば、石丸さんに行かれてしまっても藤田さんは交わせると思っていたので。感触は良いけど、サドルが少し高かったので、また修正します」


 逃げた藤田大輔が3着に粘り込んだ。


 「今日は先行しようと思っていました。ペース駆けに持ち込めばまくられないと思っていたので。ちょっと打鐘過ぎに内を空けすぎました」

5R

 神田龍が赤板から飛び出して主導権を握ると3番手は篠原龍馬と服部克久で併走に。外併走から篠原が仕掛けるが、これを愛敬博之がけん制。最終ホーム手前から仕掛けていた小原大樹もこのあおりを受けたが、バックで神田を飲み込むと、続いた石毛克幸がゴール前で小原をとらえた。


 「小原君がいいタイミングで行ってくれましたね。強かったですし、これはまくり切っちゃうなと。自分は3コーナーでブロックされるとキツいなと注意した。乗り越えられてからは、あとは差すだけでした」


 もつれた前団を鮮やかにまくった小原太樹は最後に差されたものの2着に粘った。


 「前を取りたくなかったけど、取らされるのは仕方ない。ただ脚を使ってしまい、道中脚がたまらなかった。中団がもつれて、だいぶ外を踏まされてしまいましたけど、自力で初日をクリアできたのは良かった」


 2コーナーで金川光浩をさばいて、南関ライン3番手に切り替えた原誠宏が3着に流れ込んだ。


 「最近にしてはレースが見えていました。篠原さんが前々にいってくれたのでそのおかげですね。反応がいいし、今期の終わりに点数を上げられるよう頑張る」

6R

 赤板前に飛び出した簗田一輝を森田康嗣が一気に叩いて出る。紺野哲也は踏み出しで離れながらも懸命に追いかける。4番手で態勢を立て直した簗田は最終1センターから力強くまくって1着。地元記念で好発進を決めた。


 「(森田が)来るかなって思っていたけど、すごいスピードだったんで。4番(山崎光展)が付いてきてないのが見えて、それから仕掛けました。結果はよかったけど、内容はよくないです。もうちょっと残り2周でペースを上げて、打鐘で突っ張るようにしないとダメですね。しっかり後ろに任せてもらえるようなレースをしたいです」


 直線で詰め寄った田中孝彦だが、わずかに届かなかった。


 「4番(山崎)が付いてきて、かぶったら終わりでしたね。前が頑張ってくれたし、強かったです。最後は抜いたと思ったんですけどね。ラインでワンツースリーなんで何も言うことはないです」

7R

 蒔田英彦が赤板の1センターで山本奨を叩いて前に出る。この後位に山本が飛びつき、もつれたところを後方から小嶋敬二が一気に巻き返す。抵抗する蒔田を小嶋が力でねじ伏せると、最後は岩本和也が鋭く差し切った。


 「小嶋さんがベストなタイミングで仕掛けてくれました。ラインで決められてよかったです。内側のラインの抵抗もすごかったけど、小嶋さんは力ありますね」


 蒔田と見応えある力勝負を演じた小嶋敬二が2着に。


 「キツい。いっぱいだった。大木(雅也)がバックで空けていたので、(蒔田の後位に)入ろうかと思ったけど、入ったらダメだって思って前に踏みました。(感触は)悪くないと思うよ」


 三浦稔希がしぶとく3着に流れ込み、中部ライン3車で確定板を独占した。


 「今回はいい追加ですね。小嶋さんの力を信頼して付いていきました。いつもより余裕がありました」

8R

選手の写真です。
佐々木雄一選手

 人気の山岸佳太は前受けから7番手まで車を下げる。赤板で誘導員との車間を空けてピッチを緩めた上田隼を4番手から萩原尚人が叩いて前に出る。すかさず巻き返した山岸が打鐘で主導権を奪取。叩かれた荻原が飛び付いたことで後位は併走となったが、山岸がもつれを尻目に力強く押し切った。


 「ここで押し切れないと上で通用しないですからね。飛び付かせないように踏んだつもりだったが…。後ろに申しわけない。自分も最後失速した感じだったので修正して、明日(2日目)はもっとよくなるようにする」


 打鐘で飛び付いた荻原尚人は最終ホーム過ぎには番手を取り切って山岸を追いかける。その後位で脚をためていた佐々木雄一(写真)が直線で勢いよく外を伸びるも山岸には届かず。


 「荻原君からああいう(飛び付く)動きはあると聞いていたので。もうちょっと早めに踏んでいればアタマまでいけたかもしれないけどね。一走ずつ実戦感覚を取り戻している感じ」


 本線を分断した荻原尚人は3着に入るのが精いっぱい。それでも見せ場はしっかり演出した。


 「ドカーンと行かれたら厳しかったけど、前に行って合えば何とかなるとは思っていましたし、ペースになったところで遅れずに飛び付けた。だいぶ脚を使ったし、キツかったです」

9R

 圧倒的な人気を集めた太田竜馬が力強い逃走劇で完勝した。前受けから誘導員を残して早めに7番手まで下げた太田は赤板の2コーナーで前に出た川口公太朗をすかさず叩いて主導権を握る。絶妙のペースで駆けて別線を完封。危なげない走りでライン3車を上位独占に導いた。


 「自分のペースで踏み上げて行けました。誰か来ても合わせられるなって思ってました。いつもより余裕を持って逃げ切れたと思います。感じもよかったので大丈夫そうです」


 即席でラインを組んだ松本大地がきっちり2着に流れ込んだ。


 「緊張したけど、強いから安心して付いていきました。誘導を残して引くから自信があるんだなって。変に内に詰まらないようにして、タイミングよく巻き返してくれました。先行なのに2コーナーまくりみたいな感じでした。力が違いましたね」

10R

選手の写真です。
伏見俊昭選手

 赤板で飛び出した早坂秀悟が、岩本俊介の反撃に合わせて打鐘から一気にペースアップ。早坂が別線を出させずに最終バックを先頭で通過すると、番手の伏見俊昭(写真)が直線で抜け出した。


 「(早坂)秀悟に悪いことをした。たぶん残せましたよね?余裕はあったんですけど…。秀悟も岩本を合わせた時に脚を使ったのもあったとは思うんですけど…」


 小野大介が伏見に続いて2着に入った。


 「余裕はありました。内だけ空けないようにと思って走っていました。記念の優秀戦は久しぶりですね。脚は楽だったし、調子は問題ない」


 後方8番手から大外をまくり上げた原田研太朗が3着に食い込んだ。


 「勝ち上がれたのは素直にうれしい。でも、もうちょっと考えて走らないとダメですね。6番手で落ち着いてしまった。岩本さんをけん制するなりして、自分のタイミングでまくりにいく展開を作ることもできたと思うので。ギアのおかげもあってか、なんとか届きました」

11R

選手の写真です。
金子貴志選手

 青板周回から渡邉雄太が押さえてレースは動き出す。後方にいた佐藤博紀が赤板前から一気に巻き返すと、渡邉は冷静に受けて3番手を確保。打鐘の4コーナーで5番手から高橋和也が仕掛ける。渡邉が合わせて踏もうとしたところで北野武史が内をすくって3番手以下が大きくもつれる。あおりを受けた高橋は勢いが一度止まり、その動きを見た金子貴志(写真)は最終バックで自力に転じる。高橋の外に並びかけるような感じで踏み込んだ金子が真っ先にゴールを駆け抜けた。


 「高橋君が止まったなと思って踏んだら、また彼が踏んでいたね。体は反応しているし、踏んだ感じもよかった。ぐちゃぐちゃした展開になったけど、周りは見えていたし、落ち着いていられた」


 一度はまくりが止まった高橋和也だが、再加速。自力に転じていた金子と内で併走する形で2着に。


 「イチかバチかで先に仕掛けて正解でした。結果的に渡邉君の3番手の位置を取れたのが大きかったですね。今日(初日)は落ち着いて組み立てられたし、ホームで行けているので体が反応できている」


 最終バックでもつれる中団の内をもぐっていった黒田淳が3着に突っ込み、優秀戦の権利をゲットした。


 「付いてもらった友定(祐己)さんのためにも外を踏みたかったが、北野さんが内に行った動きをとっさに追ってしまった。自分でも危なかったと思いますよ。内容は悪いけど、外を踏み切れる展開になればチャンスはつかめるデキだと思う」

12R

選手の写真です。
渡邉晴智選手

 前受けから誘導員を残して7番手まで下げた新山響平はすかさず巻き返して赤板前から主導権を握る。快調に飛ばす新山に対し、8番手に置かれた阿竹智史が打鐘で反撃に出る。これに合わせて中団の長島大介が最終2コーナーからまくる。長島をきっちり止めた渡邉晴智(写真)が粘る新山をきっちり捕らえた。


 「新山が強いのはよく分かりました。本当に強かった。それがすべてですね。武田(憲祐)が後ろで離れないでしっかり付いてくれていたのも大きかった。前の新山と後ろの武田のおかげです。感触は悪くなかったです」


 2着に残った新山響平は赤板から2周先行で完全にレースを支配した。


 「誘導を残して下げたのはよくないですね。切らせたかったんですけど。2周、しっかりペースで踏めたと思います。競輪祭は力を出し切れなかったけど、今日(初日)は出し切れたんでよかったです」


 武田憲祐がしぶとく3着に流れ込み、人気のラインで決着した。


 「新山君のダッシュがすごくて、いつもならニュートラルに入るところで入らなかった。さすがですね。最後は中にいったんですけど、外を踏む気力がなかったです。いい勉強になりました」

6R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 赤板前に誘導を下ろした小嶋敬二を長島大介が叩く。これで7番手となった岩本俊介(写真)は打鐘から反撃に出る。この時に接触した三浦稔希、北野武史の2人が落車。最終ホームで岩本が出切るが、田中孝彦は離れて長島が番手にはまる。最後まで力強く踏み切った岩本が先頭でゴールを駆け抜けた。


 「打鐘前に行けるところがあったのに、行かずに悪いクセが出てしまった。フワッとなっているところで行ったんで、あれだと後ろはきついですね。脚は今年一番いいかもしれないです」


 岩本を懸命に追いかけた長島大介だが、なかなか差は縮まらない。そのまま2着に流れ込んだ。


 「駆ける気持ちがあったのが、いい方向に出てくれました。前々に踏んでよかったです。バンクは初日よりも重くて、2日間、力負けしているので、明日(準決勝)は考えて走ります」


 勝負どころで立ち遅れた小嶋敬二は最終2コーナーから外をまくり上げて3着に。


 「キツかった。(北野)武史が転んだ時に、もうみんな踏み出していたから遅れてしまった。前で飯嶋(則之)がキツそうだったし、伸び勝てました」

7R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 赤板で山岸佳太に叩かれた郡司浩平(写真)が飛び付き策に出て、打鐘の3コーナーで3番手に入る。山岸がさらにピッチを上げて懸命に逃げるが、最終バックからまくり上げた郡司が磯田旭のけん制を乗り越えて白星をつかんだ。


 「山岸さんの後ろを取れたので、一回切ればいい位置を取れるかなって思いました。飛び付きは狙ったわけではなく、流れの中での粘りでした。脚がたまっていなかったので、先行選手が踏み直す2コーナーではなくて山岸さんが緩めた3コーナーで(まくろう)と思って。道中は流れる感じもなくて、休めなかったのでキツかったです」


 石毛克幸がきっちりマークして南関ワンツーを決めた。


 「作戦はなしで、郡司君に全てお任せでした。いい位置を取ってからすかさず仕掛けてくれたし、自分は磯田にだけからまれないようにと思って。記念の準決は久しぶりですね」


 最終バック5番手だった阿竹智史が直線で中を踏んで3着に食い込んだ。


 「本当なら郡司君より前の位置にいたかったんですけどね。後ろ攻めだったので、あのような展開になってしまうよね。追い込み選手みたいなレースだったけど、それは狙い通りではないです。必死に踏んでいただけですよ」

8R

選手の写真です。
原誠宏選手

 赤板前に誘導を下ろした川口公太朗に対し、人気の早坂秀悟が赤板の2コーナーから一気に襲いかかる。打鐘の4コーナーで早坂が川口を叩き切るが、永澤剛は踏み出しで遅れて、中団にいた吉本卓仁が早坂を追いかけていく。吉本との連係を外してしまった園田匠が最終2コーナーから外を踏み上げるが、永澤剛とからんで落車。愛敬博之、山田敦也も巻き込まれる。早坂の押し切りかと思われたが、園田に惰性をもらった原誠宏(写真)が大外を強襲。3連単70万円を超える大穴配当が飛び出した。


 「園田さんに付いていって、前が空いたから踏んだだけ。内でガシャーンって聞こえて気付いたら1着でした。記念の準決勝は久しぶり。落車があって気持ちは複雑だが、脚は軽いです」


 人気を集めた早坂秀悟は粘りが足りず2着に敗れた。


 「川口君が先行することはわかっていたので、早めにでも仕掛けようと。行けているしいいですね。ただ最後が甘い。なかなか1着が取れていないし、もう少し何かが足りない」


 後方で切り替えた坂上忠克が落車を避けて3着に入った。


 「川口君は作戦通り走ってくれましたけどね。(川口に)追いつく脚がなかった。誰もこない感じだったが一瞬で吉本君にいかれましたね。記念の準決勝は久々で覚えてない。落車もあったし、あまり喜べない」

9R

選手の写真です。
坂本亮馬選手

 後ろ攻めから早めに動いて誘導員の後位に収まった鈴木庸之は赤板でスローペースに落とす。前受けから7番手まで下げた簗田一輝は1センターからスパート。これに合わせて鈴木も踏み込むが、中バンクに上がった隙を見逃さずに、内から抜け出した坂本亮馬(写真)が最終ホームから先行策に出る。そのままマークの友定祐己の追撃も振り切って、人気に応えた。


 「二次予選なら何とかなるかなって思ってました。打鐘でカマす気持ちもあったし、隙があれば駆けたほうがいいかなって。後ろも強いですから。体はかなりキツいです」


 内抜き先行の坂本を懸命に追った友定祐己は直線で詰め寄ったが、わずかに交わせなかった。


 「前が頑張ってくれました。ホームで(鈴木に)降りて来られたりして、キツかったけど、付いていくだけならできる。悪かった原因がやっと分かった。シューズが壊れてました。2足持ってきていたので、替えたら全然違いました」


 坂本ラインの3番手を選択した布居寛幸が3着に流れ込んだ。


 「余裕はありました。最後に外を踏んだら5番(鈴木)が内に入ってきたけど、3着でよかった。これで(S級の)点数も大丈夫でしょう。ようここまで持ち直せました」

10R

選手の写真です。
湊聖二選手

 中団で佐藤博紀にフタをされた太田竜馬だったが、青板の4コーナーで村上直久ラインの空いた内をもぐり込んで赤板から先行態勢に入る。後方に下げさせられた佐藤が最終ホームから巻き返すが、太田のかかりはよく濱田浩司の横でいっぱいに。番手の湊聖二が直線で追い込み、逃げた太田と1着同着。太田は涼しい顔でレースを振り返った。


 「内が空きそうな気がしたので、狙っていました。2周駆けなので、思い切り踏んだらもたないと思っていた。自分の対応できるスピードでと思ってペースで駆けられました。落ち着いて走れているし、仕上がりもいいです」


 1着を太田と分かち合った湊聖二(写真)は太田の強さに脱帽。


 「自分はなにもしていないです。太田君の番手は乗り心地がいいですよ(笑)。最後は思い切り抜きにいったけど、抜けなかったです(同着まで)」


 濱田浩司が3着に流れ込んで四国ライン3車で上位独占を果たした。


 「太田君は落ち着いていたし、行く気でしたね。太田君はずっと同じペースで踏んでいたし、付いていて楽でした」

11R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 赤板で佐藤和也が切った上を渡邉雄太(写真)が叩いて主導権を握る。併走となった4番手は佐藤が伊藤信を外に飛ばして取り切る。渡邉が快調なペースで駆けて最終バックを1本棒で通過。さらに岡村潤が車間を空けて援護する。渡邉のスピードは最後まで衰えず、会心の逃げ切り勝ちを収めた。


 「初日に失敗した分、決まってよかったです。初手でいい位置を取れたし、佐藤さんが切ってくれて出やすかった。中団が併走しているのもわかったのでペースで駆けて、1センターから踏み上げていった。最後は差されると思いました」


 車間を空けて援護した岡村潤だが最後は渡邉の踏み直しに屈した。


 「バックではもう決まったと思ったけど、それでも車間を空けて援護しようと。ただバンクが重かったからキツかった。自分はよくなってきているし、ラインで決まったのはよかった」


 3番手で内を締めて続いた藤田大輔がしっかり流れ込み、ラインで上位を独占する結果に。


 「渡邉君が強すぎる。まくってこられても大丈夫だと思ったのに岡村さんが空けていましたからね。自分は後ろの気配を感じて内だけは空けないようにしていた。前2人に連れってもらいましたね」

12R

選手の写真です。
金子貴志選手

 最終レースは後ろ攻めから早めに動いた高橋和也がハイピッチで飛ばしていく。新山響平との中団外併走を嫌った原田研太朗は打鐘から仕掛けるが、これに合わせて金子貴志(写真)は最終ホーム前から自力に転じる。すかさず反撃に出た新山は原田のあおりを受けて不発。1周以上を全開で踏んだ金子がそのまま力強く押し切った。


 「(高橋)和也がかかってました。ハラケン(原田)が来ていたので、(番手から出る)判断をしました。もうちょっと待ってもよかったですかね。2日間の感触は悪くないです」


 愛知コンビの後位を選択した渡邉晴智は金子に詰め寄ったが、交わせなかった。


 「前が強かったですね。すべて武田が折り合って、後ろを固めてくれたおかげです」


 渡邉の後位を回った武田憲祐がそのまま3着に流れ込んだ。


 「残り3周から主導権を争う感じでみんなすごいですね。いいレースだったと思います。離れないように、そこだけ集中してました」


 原田研太朗は前を叩けずにシンガリ負けに終わった。


 「作戦ミスですね。中団に追い上げなくてよかった。新山が引いてくれるかなって思ったんですが…。力を出せないまま終わってしまった」

10R

選手の写真です。
太田竜馬選手
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阿竹智史選手

 太田竜馬(写真)が圧巻の逃走劇でシリーズ3連勝を飾った。赤板で先頭に立った高橋和也に対し、太田は後方から一気に巻き返す。打鐘の2センターで叩き切ると、ライン3車できっちり出切る。レースを完全に支配した太田が岩本俊介や小嶋敬二のまくりを封じて逃げ切った。


 「タイミング見て仕掛けて行こうと思っていました。一瞬のスピードは今日(準決勝)が一番よかったです。決勝に行けたので優勝するチャンスもあると思う。体の感じも自転車とかみ合っている」


 番手絶好の阿竹智史(写真)は交わせず2着。太田の強さを称えた。


 「太田君はずっと伸びっぱなし、ずっと加速してました。誰も(まくって)これないだろうと思っていたけど、一応後ろを確認しました。ずっと踏みっぱなしで緩まなかったです。あの展開で抜けないようじゃ優勝は厳しいかもしれないですね。太田君は走るたびにどんどん強くなっている」


 徳島後位の友定祐己が内を締めて3着に流れ込んだ。


 「やっと太田君と決まったね。今まで全部3番手で3回連係していたけど、ずっと決まってなかった。太田君は強いね。抜けなかったけど、余裕はありました」


 叩かれた高橋和也は中団で態勢を立て直したが、脚は残っていなかった。


 「打鐘の(太田の)踏み出しがすごくて、合わせられなかったです。飛びついてもう脚が残ってなくて、流れ込みになってしまった。展開じゃなくて、完全に力負けですね。太田君が強かったです」

11R

選手の写真です。
新山響平選手
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伏見俊昭選手

 赤板前に切った原田研太朗をすかさず郡司浩平が押さえる。さらに新山響平(写真)が郡司を叩いたところで打鐘を迎える。後続は一本棒となって最終ホームを通過。2コーナー、3番手からまくった郡司は1車しか前に進まない。その上をまくろうとした原田も岡村潤のブロックで大きくふくらんでしまう。最後まで快調に飛ばした新山が堂々と押し切った。


 「最後はバテバテで、練習法で取り組んでいるペダリングだけ意識していました。昨日(優秀戦)が途中で意識できなかったので、今日(準決勝)は最後まで意識しようと。郡司さんが切った動きに付いていって出切れなくても4番手があると思い踏んだら踏み合いにならず、すんなりだったので。距離的にはいいところでした。ペースが落ち始めたところで踏み直しも効いた」


 番手の伏見俊昭(写真)は追走いっぱいの2着。レース後は新山の強さに脱帽する。


 「新山君は強すぎる。2周半過ぎから踏んでいるのに全然タレてこないし強いよ。バイク誘導みたいだった。自分は脚がいっぱい。(新山は)頼もしいよね、あれを抜ければ俺にもチャンスがあるってことだから」


 岡村の抵抗を受けながらも耐えた原田研太朗が3着で決勝に進出した。


 「行くにはあそこしかないってところで行けたけど、後ろを連れ込めず自分だけになってしまった。行き切れるスピードがほしいですね。郡司君は脚を使っていたし、新山君が一番楽に駆けていた。ただ前のレースで中四国で決まっていたからあきらめずに踏めました」

12R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
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早坂秀悟選手

 青板のバック過ぎに切った黒田淳を渡邉雄太(写真)がすかさず押さえて先行態勢に持ち込む。ハイピッチで駆ける渡邉に対し、別線の機動型は反撃できず、1列棒状でレースは流れる。打鐘の4コーナーで6番手の早坂秀悟が反撃。好スピードで前に迫るが、これを合わせ切った渡邉雄が会心の逃げ切り勝ちを収めた。


 「初手の位置取りはちょっとミスったけど、先行しか考えていなかった。体調はあまりよくなかったんですが、とりあえず行ってみて、いい感じで出れました。あとは(早坂)秀悟さんを見てですね。師匠(渡邉晴智)を信じて踏むだけでした。師匠と決めたかったんですが…。力は出せたと思います」


 最後まで粘り強くまくった早坂秀悟(写真)が2着に食い込んだ。


 「新山と一緒に(決勝で)走りたいっていう気持ちがすごい出たと思います。でも、雄太には気持ちで負けました。(坂本)亮馬が後ろにいたんで、変にしゃくられたりする前に、しっかり仕掛けられたと思います。雄太がめちゃくちゃ強かったです」


 早坂のまくりを追うような形で外を踏み込んだ黒田淳が3着に入った。


 「インを切って、中団を取って最低限の走りはできました。前が一気に踏んで、車間が空いてしまってキツかったです。先にまくりに行ける感じではなかったですね。(早坂に)行かれてしまって、あそこはスイッチしないともうないので必死でした」


 絶好の番手回りだった渡邉晴智は5着。師弟連係を決められなかった。


 「雄太がすごかった。自分はもういっぱいだったし、しょうがない。本当にキツかった。情けないですね。弟子が1着なのはよかったです」


 


<最終日・9R S級ブロックセブン>


 最終日の9レースはS級ブロックセブンが一発勝負で争われる。杉森輝大が戦歴上位の存在だ。直前の取手FIの決勝は伊早坂駿一の先行に乗って番手まくりを敢行。原田研太朗のまくりに屈して惜しくも優勝を逃したが、気配は上々だ。


 「(取手の決勝は)甘いですね。あれで勝てるようにしないといけない。力不足でした。まだ成績は安定しないし、気を抜くとすぐ落ちてしまう。でも、最近は逃げれるようになってきたので状態はいいと思います。2車、付いてもらえるんで走りやすい。あとはタイミングですね。しっかり仕掛けたいと思います」


 江守昇は差し脚好調。FIシリーズではコンスタントに優勝争いを演じている。


 「FIではそれなりに走れているんですけどね。後輩たちが頑張ってくれているおかげです。競輪祭は予備で繰り上がったんですけど、GIで力の差を感じました。この後の地元の千葉の最後の開催に向けて、最近は練習を強めにやっています。普段はそんなにやることがないので、疲れがちょっと心配です。杉森君の番手でしっかり頑張ります」


 澤田義和は勝ち星から遠ざかっているが、安定した戦いぶりが光っている。ここは北野良栄を目標に勝機を見出す。


 「練習中に落車して、ちょっと耳の辺りを痛めたんですけど、ケガのほうはもう大丈夫です。7車立ては初めてですけど、自分は前でやるわけじゃないですから。北野君との連係は何度かある。積極的なので、しっかり付いていくだけです」


 才迫開は相変わらず成績の波が激しいが、仕掛けがはまったときの爆発力は一級品だ。


 「ちょっと間隔が空いたので、緊張してます。7車立ては久しぶりだけど、経験はしてるので。タイミングを見て、順番が来たら仕掛けたい。点数は上がるんで、開き直って思いっきり行ければ」