ほうふ競輪

HOFU KEIRIN

63#


決勝戦レポート

神山雄一郎(栃木)

神山雄一郎が6度目の共同杯V

 盟友、武田豊樹がまさかの一次予選敗退。関東勢にとっては、予期せぬ幕開けだった。準決でタッグを組んだ平原康多とのそろってのファイナル進出もかなわず、神山雄一郎ただひとりが関東で優出。苦境に立たされた決勝だったが、競輪の女神に愛され続ける男に、またしても女神は微笑んだ。
「もう必死でした。(稲垣裕之に)離れて、入られるわけにはいかないし。そこだけは稲垣君に食らいつく気持ちでずっと走ってました」
京都コンビの後ろを選択した神山。その狙いに狂いはなかった。山田久徳が迷いなく風を切って逃げると、今度は最終ホーム過ぎに稲垣が番手まくり。が、すかさず新田祐大が襲い掛かった。
「(新田のまくりを)止められた感じはあったけど。でも…、動けなくて。稲垣に申し訳ないなっていう気持ちが強いです」
 新田がまくりでグングンと迫り来ると稲垣は、最終4コーナーで新田を外に振ってブロック。神山は瞬時の判断で、空いたコースを踏んでゴール勝負。最短距離を踏んだ神山が、新田の猛追を退けVロードを駆け抜けた。
「もう自分もいっぱいだったんで、外にも持ち出せないし。気づいたら稲垣が自分でブロックをさせる形になってしまっていた。自分はもう自然にまっすぐ入っていっただけです」
 地区は違いながらも前で奮闘した稲垣を気遣いながら、神山は言葉を選び振り返る。47歳でのビッグ制覇は最年長記録。追い込みとしての理想を飽くなき向上心で追求する。
「自転車が好きなのは当然なんですけど、競輪っていう種目が好きなんで。あとは競輪は戦法がたくさんある。一から出直して追い込みになったっていうことで、自分が新人のつもりになっちゃった。そこからまた少しずつ頑張ってきたっていうことで、モチベーションはまだ新人のつもりでいたんで。(原動力は)それだと思います。一戦、一戦、自分の求めているレースの形を追求していくだけです。そのなかで結果が出てくれれば最高なんで、そういう気持ちで一戦、一戦続けていきたいです」
 過去の栄光にもおごることないグランドスラマーは、これからも進化の歩みを止めない。

 まくった新田祐大は、惜しくも準Vで大会連覇を逃した。
「位置的には良かったからあとは自分の力を出し切れればと思ってたけど、翻ろうされてしまいましたね。稲垣さんがもってこなければ乗り越えられると思っていたけど、神山さんが内を狙っているのは、わかっていたので…。この悔しさを次のレースで返せれば」

 直線で内、外を行かれてしまった稲垣裕之は3着に敗れた。
「あれだけ山田が行ってくれて優勝しか考えてませんでした。あのブロックがないと新田には行かれてた。ラインから優勝者を出したのは山田の先行力あってこそ。近畿の存在感は見せられたかなと」

 赤板前で新田との連結が外れてしまった山崎芳仁だったが、最終ホームで再度ドッキング。新田のまくりに続いたが4着まで。
「まさか新田があそこでしゃくるとは思わなかった。新田が優勝するように走ってくれればと思ってたし、あそこはしゃくる必要なかったですね。もったいない」

 渡部哲男は久々のビッグ決勝戦をこう振り返る。
「最後はあそこしかないと思ったけど、もうひとつ内やったね。そしたら3着ぐらいあったかも」

レース経過

 飛び出した新田祐大が前受けで山崎芳仁―大槻寛徳、中団に山田久徳―稲垣裕之―神山雄一郎、原田研太朗―渡部哲男―萩原孝之で周回を重ねる。
 青板ホーム過ぎから動いた原田に中団から山田も応戦。青板バックからの激しいモガき合いを制して山田が主導権を争う。中団で立て直そうとする四国勢の内をすくって新田が4番手を奪うが、新田の動きに山崎が続けず渡部が原田を新田後位に迎え入れる。打鐘から山田がさらにペースを上げると原田は徐々に口が空き、打鐘から追い上げた山崎が再び新田とドッキング。ホーム過ぎからは稲垣が後続の仕掛けを待たずに番手まくりを打つが、新田も2コーナー手前から仕掛けて3コーナーからは稲垣、新田の意地のぶつかり合いに。4コーナーで稲垣が自ら新田をけん制すると、空いたインコースをすかさず神山が突く。4コーナー山下ろしを使って新田も最後の力を振りしぼるが、内から最短ルートをとった神山が優勝。2着には新田、内、外を行かれた稲垣は3着に敗れた。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 S/B
1 神山雄一郎 47 栃木 61 SS 9.7
3 新田 祐大 29 福島 90 S1 1/4輪 9.7 S
2 稲垣 裕之 37 京都 86 S1 1/2身 9.9 B
9 山崎 芳仁 35 福島 88 S1 1/4輪 9.6
4 大槻 寛徳 35 宮城 85 S1 1/8輪 9.5
7 渡部 哲男 35 愛媛 84 S1 1輪 9.4
8 萩原 孝之 37 静岡 80 S1 1身 9.4
5 原田研太朗 24 徳島 98 S1 大差 10.7
6 山田 久徳 27 京都 93 S1 大差 14.5

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