ひろしま競輪

HIROSHIMA KEIRIN

62#


決勝戦レポート

金子 貴志(愛知)

金子貴志が復活のⅤ

 15年最後の記念開催で笑ったのは激動の年を過ごした金子貴志だった。9月のサマーナイトで落車し、恥骨と坐骨を骨折。「あの時は歩けなかった」と、語るほどの大怪我に見舞われた。しかし、10月熊本記念で復帰を果たすと、直前の久留米F1を優勝。今シリーズの準決勝でも、自らの力でファイナル行きの切符を手に入れると、決勝は竹内雄作の番手から優勝を手にした。
 「(竹内)雄作が仕上がっていたので、(作戦は)彼が優勝を狙えるタイミングで行ってくれればと思っていました。でも、無理矢理行ってくれたし、優勝は雄作のおかげです。最後は(渡邉)一成が見えて踏んだけど、キツくて。スピード的に差されたかと思いました」
 復活までの道のりは決して楽ではなかった。仲間に支えられて、ここまで来れたと金子は話す。
 「優勝できて嬉しいです。今年は怪我をしてからは苦しかったけど、ここまでいろんな人が支えてくれました。結果を出すことが恩返しになると思って。でも、9月の段階では、まさか記念を優勝するとは思わなかったですね。やっぱり練習はうそをつかない」
 この優勝を糧にして、16年での更なる活躍を誓う。
 「全日本(選抜競輪)までゆっくりしたいけど、1月にF1戦が連発であるので仕上げないと。来年は一人でも多く中部でグランプリに乗れるように。また、一戦一戦頑張るだけです」

 渡邉一成は自力に転じて2着に入るも、その表情に笑顔はない。
 「誰が見ても(早坂)秀悟の突っ張りに付いていかないといけない。悪いことをしてしまいました。去年のこともあって、3コーナーでかぶる前に力を出し切ろうと思って。届かなかったですね。ゴール前でも焦ってしまいました」

 最終バックで7番手となった近藤隆司だったが、抜群のスピードを見せたが3着まで。
 「打鐘で踏み合ったんで『よし』と思ったけど…。そこで仕掛ける勇気がなかったですね。そこからは渡邉君の追い上げを祈ってました。(佐藤)友和さんが内を行った分、僕は渡邉君を目掛けて。一瞬しか踏んでいません」

 金子を優勝に導いた竹内雄作だったが、自身の記念初優勝はまたもお預けに。
 「優勝は遠いですね。番手にハマってからは余裕があったけど、綺麗に踏めなかったし、最後は力任せになってしまいました。でも、調子が悪い中で決勝に乗れたんで、プラスに考えます」

 持ち味を発揮した早坂秀悟だったが、竹内に番手に入られてはキツかった。
 「そもそも番手に入ったのが竹内君なんで。流したら出てくるし、踏むしかなかったですね。一成さんも来ないと思ったし、どうしようもなかったです。悔しいですね」

レース経過

 スタートで村上博幸が出て、竹内雄作―金子貴志―村上の中近3車が前団に構える。以下は、早坂秀悟―渡邉一成―佐藤友和、近藤隆司―片寄雄己―岡村潤で落ち着く。
 7番手の近藤は、青板の2コーナーから早めに動き出す。併せられた竹内が下げて、先頭に立った近藤はペースを落とす。中団の竹内も合わせて踏み込むが、後方から押えて出た早坂が赤板過ぎに主導権を奪取。早坂に渡邉―佐藤と出切り、近藤との4番手併走の竹内が2コーナーから巻き返す。早坂も合わせて両者の踏み合いで打鐘を通過。が、早坂に渡邉が遅れて、合わされた竹内は冷静に早坂後位に収まる。早坂の先行で最終回。後ろは竹内―金子―村上。渡邉は5番手で、近藤は一本棒の7番手に置かれる。2コーナーから竹内が早坂後位からまくって出て、金子―村上の追走でバックを通過。渡邉は自ら3コーナーでまくり上げる。金子が竹内との車間を空けて渡邉をけん制し追い込む。直線半ばで竹内をとらえた金子が、迫り来る渡邉を半車輪凌いでV。大外を強襲した近藤は3着まで。
 

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 S/B
5 金子 貴志 40 愛知 75 S1 11.8
9 渡邉 一成 32 福島 88 S1 1/2輪 11.4
8 近藤 隆司 31 千葉 90 S2 1/2身 11.2
2 竹内 雄作 28 岐阜 99 S1 3/4輪 12.0 B
3 村上 博幸 36 京都 86 SS 1/2輪 11.8 S
7 佐藤 友和 32 岩手 88 S1 1/2輪 11.4
4 片寄 雄己 39 静岡 79 S1 3/4身 11.2
6 岡村  潤 34 静岡 86 S2 3/4身 11.1
1 早坂 秀悟 29 宮城 90 S1 大差 14.5

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