ひらつか競輪

HIRATSUKA KEIRIN

35#


12月27日

検車場レポート

1R


久米康平選手

 久米康平(写真)はここまでレース間隔が空いて準備万端。持てる力を出し切って、オープニングレースでグランプリシリーズを盛り上げる。

 「2レース、3レースよりも、むしろ1レースでよかったですね。指定練習のあとに準備ができるので。やりたい練習のイメージがあったんですけど、やっとレース間隔が空いて、それができました。新しいパワー系のトレーニングです。体はパンパンになりましたけどね(笑)。あとはそれがレースで出るかどうか」

 山形一気は、11月岸和田FIで今年2度目をV奪取。しかし、その後は思ったような成績を残せず、表情は硬い。

 「岸和田は、探り探りだったし、たまたまです。最近は微妙ですね。体に問題はないんですけど…。自転車なのかな。今回は優勝したときのフレームに戻します。優勝した時もしっくりはこなかったんですけど、ある程度セッティングは煮詰まっていたので」

 近況は優出のない志村龍己。悪い流れを断ち切るため、まずは初日の勝ち上がりに闘志を燃やす。

 「(前回の広島記念でも)体の感じは悪くないのにダメでしたね。新しいフレームにしてから良くないです。今回は新車で走ります。練習ではちょこっと使っているけど、レースでやってみないと。初日は位置取りが重要になると思う。意地でも(勝ち上がり権利の)2着までに入ります」

2R


芦澤大輔選手

 前回の前橋FIで落車した芦澤大輔(写真)だが、「怪我の影響はない」と幸い大事に至らず。今年最終戦をいい形で締めくくり、来年につなげる。

 「物足りない年だったし、ガッカリで反省の多い一年でした。周りの期待も感じるので、なんとかまたはい上がれるように。最高の舞台(グランプリ)を目の前で見られるし、モチベーションにもなりますね。来年につながる走りができるように頑張ります」

 芦澤に前を任されたのは伊早坂駿一。12月取手FIの準決では近藤隆司を破って優出を決めた。大きい着こそ目立つものの、点数以上の脚はある。

 「前に比べたら調子が落ちていたと思うけど、ここまでにしっかり練習をしてきました。平塚は走りにくいとかもないし、あとは競走で力を出し切れるかどうか。こういう舞台で決勝に乗れれば自信にもなる。積極的にいきます」

 11月防府記念で落車した高久保雄介は、ここが復帰2場所目。今シリーズは上積みがあるのかどうか注目される。

 「落車して、鎖骨とろっ骨を6本折りました。初めての骨折で、こんなになるとは。前回(宇都宮FI258着)が復帰戦だったんですけど、思ったより走れましたね。いまは練習もできているし、自転車に乗ってしまえば違和感はないです。レースを走るのがいいと思いますね」

3R


小川勇介選手

 小川勇介(写真)は近況は人の後ろを回るレースが増加。初日も吉本卓仁の番手から勝ち上がりを狙う。

 「調子は普通です。なかなか自力では厳しいし、数字にも出ている。(人の後ろが)自分には合っているし、なんでもできた方がいい。それが強みですし。(吉本とは)相性いいですよ。(12月)伊東記念の3日目にもワンツーを決めています。自分より自力があるし、好きに走ってくれれば」

 重倉高史は、残念ながら来期A級に降級。それでも、先を見据えて全力投球を誓った。

 「中途半端なレースで、中途半端な点数で。出し切れていないですね。来期は落ちちゃうけど、腐らずにやるしかないですね。今シリーズは来期に向けて積極的に走りたい。なにも考えずに仕掛けたいですね」

4R


天田裕輝選手

 天田裕輝(写真)は、リズムをつかめていない近況。さらに、直前の広島FIを欠場するなど、状態面が心配される。

 「(広島は)疲れと、腰痛が出たので。大事を取って欠場しました。でも、練習も調整もできたし、調子は大丈夫です。平塚は久しぶりですね。バンクを改修してから走っていないけど、大丈夫だと思います。勝ち上がりが厳しいので、集中して頑張ります」

 佐藤和也は11月伊東記念で2勝を挙げると、前回の久留米FIでも173着。状態を上げてきている。

 「もう、小田原に冬期移動しています。直前は平塚に入って練習もしました。平塚は走りやすいですね。(内容は)いつも通りです。自転車をいろいろ換えて。そこはまだかみ合っていないですけど、調子は最高です」

5R


海老根恵太選手

 海老根恵太(写真)は12月千葉FIを無傷で制し、地元として500バンク最後の開催に花を添えた。前回の西武園FIは624着でVこそならずも、好感触を得ていた。

 「千葉は展開が良かったですね。渡邉(雄太)が行ってくれたおかげです。(千葉から)中2日で西武園を走って、ここも中3日で疲れはありますね。でも、千葉から感じがいいです。西武園も着はあれですけど、感覚は良かったです。いまは誰もいなければ自力でやろうと思っているんですけど、(初日は)吉川(誠)に任せます。立ち遅れることもあるし、迷ったんですけどね。南関で連係したいし、頑張るというので」

 佐藤朋也は、最終日ながら2場所連続で白星。一年を振り返って、来年の奮闘を誓った。

 「今年は無難に。良くもなく、悪くもない一年でした。来年はもうちょっと頑張りたいですね。状態は変わらずです。平塚はあんまり覚えてないし、イメージも特にないですね。(勝ち上がりは)あんまり気にしても。いつも通り走るだけです」

6R


北野武史選手

 北野武史(写真)は前回の広島記念を4133着。決勝はあわや優勝のシーンもあり、ソツのなさを発揮した。

 「(決勝は直線で)外に行くと間に合わないから、内に行くと決めていました。ゴール後は獲ったと思ったけど、待っていた仲間に3着と言われて。最初はからかっているのかと思いましたよ(笑)。夢をみましたね。獲りたかった。ここまでは中2日だったので、ゆっくり体を動かしてマッサージを受けてきました。(状態は)前回と大差ないと思いますよ」

 伊藤裕貴は11月奈良FIを118着から高確率で連対。さらに、今年最終戦の当所に向けて仕上げてきた。

 「ここに向けてやってきたつもりです。優勝したい気持ちはあるけど、言うほど甘くはない。力を出して、やれることをやりたいです。(初日は)3対3対3の3分戦ですし、やりやすいですね。しっかり勝ち上がれるように」

7R


友定祐己選手

 佐藤友和は、競輪祭の落車でフレームが破損。試行錯誤を重ねながら、今年ラストに臨む。

 「競輪祭の落車はたいしたことはなかったけど(フレームがダメになった)。そのあとの別府記念でフレームを換えて、次の前橋も走ったけど。悪くはなかったけど、かみ合わなかったですね。今回は新車で走ります。いい開催にしたいです」

 9月岐阜記念、12月伊東記念を優出している友定祐己(写真)。しかし、今期はFI戦の優出がなく「なんでだろう」と、首をかしげる。

 「記念の決勝には乗れるのに、FIの決勝に乗れない。(11月)防府記念の落車でしっくりこないところはあったけど、それでもちょっと…。俺にはなぜかわからん。流れに乗れていないんですね。状態は悪くないのに。初日は(目標の)工藤(文彦)に神頼み。連係は1回あると思うけど、付いたのはだいぶ前ですね」

8R


石塚輪太郎選手

 今年S級に初めて上がった石塚輪太郎(写真)は、11月大垣記念を優出するなど大きく飛躍。前回の広島記念でも、1911着で力強い走りを見せた。

 「広島は二次予選がもったいなかったけど、あとはまとめられているし。調子はいいと思います。中2日は初めてなので、疲れさえでなければ大丈夫です。(来年の)ダービーの権利もかかっているので、ひとつでも上の着を目指したい。いい選手ばかりですけど、相手は気にせずに走ります」

 石塚という絶好の目標を得たのは澤田義和。番手から援護して、得点最上位の意地を見せるか。

 「石塚君とは初めてです。レースを見てて、強いのは知っています。最近はフレームをいろいろ試していて。前回の静岡(FI542着)の初日に使ったフレームが一番良かった。今回はそれを使います」

9R


桐山敬太郎選手

 ここは地元の桐山敬太郎(写真)が人気を集めそう。11月伊東FIから調子を上げると、12月佐世保記念では1512着と3連対。さらに、前回の西武園FIでも今年2度目のVで弾みをつけてのホームシリーズ。

 「西武園は今年2回目の優勝でしたけど。1回目の(6月)立川(FI)はちゃんと獲れていないと言うか、攻めた結果で獲れただけ。でも、西武園は番手でしたけど、ちゃんとした形で獲れた。その違いはだいぶある。(中3日だが)その覚悟はあったし、問題ない。初日は自分でやります。いまは調子がいいので、自分でやっても問題ないです」

 新山将史は、昨年と同様グランプリシリーズに参戦。10月当所記念は決勝で落車も、相性は悪くない。

 「いつも良くなってくると落車している。でも、体は大丈夫だし、気持ちを新たに頑張るだけです。いまは冬期移動をしないで、室内を中心に練習をしています。(冬期移動をしている弟の)響平とは別ですね。ここまでは中2日で調整程度です」

10R


脇本雄太選手

 脇本雄太(写真)は、10日にチリのサンティアゴで行われたワールドカップのケイリンで完全V。03年の矢口啓一郎以来、ワールドカップのケイリン種目で金メダルを獲得した。本業では競輪祭以来、およそ1カ月ぶりの実戦を迎える。

 「帰国してからは休みなく練習をしているし、充実している。忙しいなかでも、自分は楽しんでる。ブノワ(ヘッドコーチ)体制で結果が出たんで、ナショナルチームは盛り上がってくると思います。自分のなかでも成長しているんで、これを弾みにしたい。ただ、競技とは別なんで、(競輪で)そんなに期待をされてもっていうのはある」

 6月高松宮記念杯の落車で鎖骨骨折に見舞われた吉田敏洋だが、10月の寬仁親王牌では決勝に進出。復帰後はFIで3度の優勝と順調に調子を戻してきている。

 「どんな形であれ早い段階で勝ち星を挙げられたのは、前を任せた子たちが頑張ってくれたおかげ。先行き不安ななかで勝ち星を挙げられて光がみえた。勝つことがなによりの薬だっていうことを痛感しました。そこから(自力でも)にっちもさっちもいかない状態ではないし、来年につながるように。自分でも(怪我の影響が)もっと長引くかと思った。あとは現状がベストなのか、まだまだ上積みがあるのかは、これから次第だと思う」

 11月の防府で記念初Vを飾った和田真久留は、ホームバンクの平塚で17年を締める。

 「地元なんでやっぱり譲れない気持ちがあります。前回の広島は不完全燃焼だったけど、(脚の感じは)悪くなかった。終わり良ければすべて良しの気持ちでやりますよ」

11R


奥井迪選手

 14年、昨年と2度のガールズグランプリ制覇を遂げている梶田舞だが、今年は苦しみながらもなんとかグランプリの出場権を獲得。連覇に静かに闘志を燃やす。

 「いままでいいと思っていたことをやってないので、自分に対して疑問はあります。結果は出てないんで、これ(グランプリ)で結果が出れば、こういうのもいいのかなっていうのがある。年齢的にも30歳になったし、体の変わり目っていうのもあったと思う。まだまだ自分のことがわかってないですね。それでも連覇に限っては自分だけなんで頑張りたい」

 「デビューして以来、先行に迷いも感じました」と、一年を振り返った、奥井迪(写真)。それでもこの舞台にたどり着き、もう自分のスタイルに迷いはない。

 「練習はしっかりできました。やることをやって来られたんで、それで自分の走りをして、結果は受け入れるしかないです。勝ち負けっていうより、この舞台でそれ(先行)をするためにやってきた。苦しい時期もあったけど、ここで走れることは幸せです。とり年の年女なんで、最後に羽ばたけるように。(有馬記念の)キタサンブラックみたいに逃げ切りたい」

 3.77にギアを上げて一発勝負に挑む児玉碧衣が、ビッグタイトル獲得に気持ちを込める。

 「(前回の)取手が終わってから、3.77にしたり、後ろを10枚のギアにしたりして練習をしていた。いままで(ガールズ)コレクションだったりは、3.71のギアを踏んでいたけど、3.77でやります。筋肉痛になるくらい発走機の練習をしてきた。自信をもってやる」

 前回の平決勝で落車に巻き込まれた高木真備だが、コンディションに不安はなさそうだ。

 「(昨年のグランプリの悔しさは)グランプリでしか晴らせないと思っている。落車があったけど、全然怪我もなく問題なく練習ができている。一年間、誰にも負けないっていうくらいにやってきたつもりです」

12月28日

検車場レポート

1R


山形一気選手

 久米康平が、岸川哲也を打鐘で押さえて前に出る。すると、すぐに巻き返してきた泉文人に合わせてペースアップ。番手の山形一気(写真)は、4番手からまくってきた岸川を阻んで追い込んだ。

 「(久米)康平のおかげ。自分はなにもしていないです。ホームで車間を空ける余裕があったら、もっとよかったんだけどね。自分としてはゴール前でチョイ差しのイメージでした。ワンツースリーで本当なら喜べるけど、勝ち上がりが2着権利なので…」

 久米ラインの3番手を固めた柳谷崇が、山形に続いて2着に入った。

 「恵まれ一本です。最後は山形君がコースを空けてくれました。優しい後輩ですね。落車して成績を落としたが、セッティングを戻したら道中も楽でしたね」

 久米康平は3着に粘るも予選敗退。

 「いい形でいけたので、抜かれたのは仕方ないです。あの駆け方は得意ではないので…。でも、踏んでいる感触は悪くなかったと思います。風もとくに気にならなかったです」

2R


伊早坂駿一選手

 高久保雄介が押さえて出ると、前受けの田中孝彦が番手で粘って隊列が短くなる。すかさず仕掛けた伊早坂駿一(写真)に展開が向いて、打鐘で主導権を奪って逃げる。中団はもつれて田中は、関東ライン3番手まで押し上げて星野辰也を弾くがそこでいっぱい。茨城両者の勝負は、番手絶好の芦澤大輔を二の足で振り切った伊早坂の逃げ切り勝ち。

 「出てからは落ち着いて、見ながら駆けられた。しっかり最後まで踏めたし良かったです。(約2週間空いて)しっかり練習できたんで、脚も問題ないです」

 後続との間合いを計りながら直線で追い込んだ芦澤大輔は、伊早坂をとらえ切れず半車輪差の2着に肩を落す。

 「すべてに余裕があったんですけど…。申し訳ない。自分が加速していかなくて、踏んだんですけど出てない。自分自身がショックです」

3R


吉本卓仁選手

 伊原克彦、巴直也の順で前に出る。すると、重倉高史が巻き返して最終ホームで主導権を奪取。吉本卓仁(写真)は重倉を目掛けて仕掛けると、バックで前団をとらえる。そのまま小川勇介の追撃も振り切った。

 「(小川)勇介には悪いけど、構えようかと思った。そうしたら、重倉君が仕掛けていったので。追いかける形で、脚を使わないでいけました。出切ってからは、キツかったですね。まくり切るのに時間がかかっているし、これが現状なんでしょうね。2人で勝ち上がれて良かったです」

 目標が不発となった江守昇は、最終2センターからコースを縫うように踏んで3着に食い込んだ。

 「ジャンで巴が出る並びになっちゃいましたね。最後に(先頭に)出た人が飛び付くので、脚を使ってたと思う。3コーナーくらいからは、(吉本、小川の)2人が相当前にいっちゃってた…」

4R


佐藤和也選手

 打鐘の2センターで坂本修一を叩いた天田裕輝が、そのまま先行態勢に入る。前受けの佐藤和也(写真)は5番手を確保。態勢を整えて最終2コーナーから踏み上げる。坂本後位から前に踏んだ藤田昌宏の上をいくと、直線半ばで前団をとらえた。

 「最近は内に潜ってばかりだったので、外に行けてよかったです。詰める勢いで仕掛けました。1番(藤田)に合わせて踏まれたし、前に追いつく場所も悪かったけど、なんとか届いてよかったです。ジワジワいきましたね。最近はダッシュだけではなくて、地脚の練習もしています。まくった感じはよくないけど、1着を取れているってことは(調子が)良いんでしょうね」

 岡光良が天田の番手から追い込んで2着に入る。

 「天田が先行してくれて。バックくらいで誰かきてくれたら仕事ができたんですけどね。誰もこなかったし、最後に来てしまうとどうしようもない…。必死で踏んでしまいました。自分もギリギリで2着でしたね」

5R


海老根恵太選手

 前受けから後方まで下げて早めに順番が巡ってきた日野博幸が、打鐘で主導権。愛媛コンビを受けて地元の吉川誠が、好ポジションを確保する。6番手で佐藤朋也と八谷誠賢がからんで、吉川は最終1センターからまくり上げる。吉川が逃げる日野をとらえて、追走した海老根恵太(写真)が追い込み人気に応えた。

 「(吉川は最終)2コーナーから行くのかなと思ったけど、すぐに行ったんでビックリした。強かったですね、でも車券に貢献しているのに(吉川は)勝ち上がれないんで…。自分は2センターくらいでようやく余裕が出てきたし、あの形になったら1着を取らないと」

 吉川と海老根の間をこじ開けるように踏んだ高橋雅之が2着。

 「恵まれました。海老根さんは楽そうだったし、自分はちょっと無理に入った。(コースは)あそこしかないと思っていた。でも、ダメな時はあそこに入っても進まないので、いいと思います」

 早めにのまくりでラインを上位独占に導いた吉川誠が、汗をぬぐいこう振り返る。

 「地元だからお客さんも見に来てくれているし、変なレースはできない。後ろに海老根さんが付いてくれて、責任のあるポジションでもあった。南関で決まって良かったけど、最後はもういっぱいだった」

6R


伊藤裕貴選手

 伊藤裕貴(写真)が別線を粉砕して白星を手にした。正攻法に構えた伊藤は打鐘で7番手に下げると、4コーナーから一気のスパート。新井秀明のブロックを乗り越え、逃げる森山智徳を2コーナーでのみ込んだ。

 「本当だったら、(打鐘で飛び出した森山に)付いていってカマすのが普通ですけど。2着上がりを考えてしまって。ちょっと距離が長いかなと。バンクは軽かったけど、(新井の)ブロックがキツかったですね。でも、北野(武史)さんに抜かれていないので。(ウィナーズカップが)また一歩近づきました」 

 北野武史は、新井のけん制で伊藤と口が空く。それでも、バックで付け直して2着を確保した。

 「悪くはないけど、(前回の)広島に比べたら、調子が落ちる。あの(新井の)ブロックに当たられたらヤバいと思って。避けたから、キツかったですね。2着を確保できて良かった」

7R


佐藤友和選手

 後ろ攻めの工藤文彦が打鐘で前に出る。すると、岡山勢を追った佐藤友和(写真)が、その上を押さえて先行策。そのまま絶妙なペースで駆けると、後続の追撃も振り切った。

 「作戦を考えている以上は、勝つイメージがある。工藤の押さえ先行はないと思ったので、僕は出させてくれると思っていました。あれが出させない相手なら、力を出し切れない。落ち着いてペースを刻めましたね。(新車は)バッチリです。(踏んだ感じは)軽いですね。踏みごたえは足りないけど、それが結果的によかったです」

 最終ホームを8番手で通過した小笹隼人は、2コーナーから踏み上げて前団に迫る。このだ性をもらった渡邊健が、直線で中のコースを伸びて2着に食い込んだ。

 「小笹君が仕掛けてくれてよかった。いいスピードでいってくれたし、あとはコースだけ。最後は内しかないと思っていました。外は絶対いけないので。入った時のスピードも、踏んだ感触もよかったです」

8R


石塚輪太郎選手

 佐藤佑一が打鐘で飛び出すが、3番手の根本雄紀が立ち遅れる。小川賢人と追い上げた根本で3番手がもつれると、この隙を石塚輪太郎(写真)は見逃さなかった。2センターから踏み込んで、最終ホームで佐藤から主導権を奪取。そのままラインで出切ると、別線を大きく引き離して押し切り。

 「予選はしっかり勝ち上がろうと。タイミング良く仕掛けられたし、脚も軽かった。前回から日にちがない中での参戦だったけど、体調も大丈夫。長い距離を踏めたので、準決に繋がると思います」

 澤田義和が石塚にピタリと続いて2着に入った。

 「初めて付いたけど、石塚君は強かった。ケツを上げずに仕掛けていくからタイミングが取りづらかった。最後も(石塚が)しっかり踏み直していたよ」

9R


桐山敬太郎選手

 打鐘手前から出た馬場和広の先行策。一本棒の7番手に置かれた伊藤成紀が、4コーナーから巻き返して前団をのみ込む。しかしながら、桐山敬太郎(写真)も素早く反応。伊藤ラインを追いかけると最終バックでその上をまくって白星を奪取した。

 「レースは見えてました。(伊藤ラインの)番手に飛び付くことも考えながら踏んでたけど、(宝満大作が遅れた)3番手になっちゃった。冷静に見られているし、自転車も出ている。(中3日で連戦の)疲れだけが心配だったけど、なんとなく疲れを取る方法もわかってきた。それまでは1着は取れていたけど、自分のなかでは納得できてなかった。それが(前々回の)佐世保記念から急に自分の感じと合ってきた」

 単騎の新山将史が神奈川コンビ追走から外を踏み込むが、近藤俊明が凌いで2着をキープした。

 「(ブロックを)もらわないように外々を踏んでました。桐山君が落ち着いていたし、僕は追走していただけです。(中2日でも)今回の方がいいと思う。余裕もありました」

10R


吉田敏洋選手

 スローペースで打鐘を迎えると、脇本雄太を警戒していた早坂秀悟が一気に踏み上げて先行策に出た。先に出た吉田敏洋(写真)は、北日本勢を受けて3番手を確保。まくってきた山田英明に合わせて踏み上げる。後方から迫る脇本とのまくり合戦を制して、1着を手にした。

 「早坂と脇本が見合っていたし、泳がされるんじゃないかってことはありましたよ。みんなダッシュがすごいから必死でしたね。全力で踏んで、入れるところに入ろうと。(合わせ切れたのは)タイミングが良かっただけです。これが決勝なら良かったけど、初日ですからね」

 吉田に合わせられた山田英明は、吉田の仕掛けを追う形で2着に入線。

 「後ろにいた脇本君もそうですけど、前にいる吉田さんも強いので。2人よりも先に仕掛けないといけないと思ってました。吉田さんに一歩目で合わされました。あの(中部ラインの)山は乗り越えたかったですね。調整をしていない分、体は重いけど、日に日に軽くなってくるはずなので」

 最終ホームを7番手で通過した脇本雄太は、1センターから踏み上げる。しかし、大外を踏まされて3着まで。

 「ジャンのところは、早坂さんのダッシュが良くて付いていけなかったですね。でも、付いていったらあおりりを受けて終わっていたと思う。ホームまで待ってしまったけど、行くならジャンの4コーナーでしたね。遅くなってしまった」

11R


奥井迪選手

 「ガールズケイリンができる前から応援してくれている人たちもいた。長年のファンの方、お待たせしました」

 13年にプロデビューも「ガールズケイリン」として産声をあげる前のエキシビションの09年から、石井寛子はその名を歴史に刻んでいた。「ガールズグランプリ」は5年連続5回目の出場。デビューから一度たりとも、ベスト7の座から陥落することはなかったが、一昨年の準V止まりだった。

 「それまでの4年間は出られてうれしいっていう感じだったけど、今年はどうしても優勝って、この一年間を考えてやってきた」

 大外枠の7番車はガールズケイリンにとっては大きなハンディ。そのハンディを抜群のスタート力ではねのけて周回中は2番手を確保。後続の動きを待つことなく自らを信じて赤板の2コーナーから動いた。

 「実は後ろは見ていなくて、チャンスは1回だと思ったので、あそこで行くって決めてて。自分を信じて練習の成果を出そうと思いました。(奥井迪が仕掛けてきたところも)後ろは見ていなくて、突き進んで自分を信じて行った。そしたら奥井さんが来て飛び付けたので、これはチャンスあるなって思ってました」

 半周近く風を切ってから、最終ホームで主導権を奪った奥井迪後位に飛び付く。長澤彩に踏み勝つと、奥井の掛かりが良く高木真備らは不発。優勝は奥井と石井寛子の2人に絞られた。

 「奥井さんはすごいスピードでした。まず落ち着いてと思って、回して、回してって唱えながら、最後、踏んだんですけど、差せたかどうかは定かではなかったです。1周してきたバックのファンの方が、“寛子やったよ”って言ってくれたので(優勝が)わかりました」

 実戦では初めての3.79のギアに上げて一撃にかけた石井が、5度目のグランプリで女王の座をつかんだ。

 「グランプリの優勝は夢でもあったので、本当にうれしいです。来年はトライアルが始まるので、気を引き締めて明後日から練習します」

 初の賞金女王にも輝いた石井は、今年からの練習再開を約束して来年を見据える。

 昨年に続く先行策からの2年連続の準Vに、奥井迪(写真)は何度も天を仰ぐ。

 「なかなか先行の神様が…。ジャンから行くって決めていた。無欲というか勝ちにこだわるよりも走りで魅せたいって思っていた。この舞台で先行をするっていうことは勇気がいるし、ひとりではできない。お客さんが本当に後押しをしてくれた。だからこそ、お客さんのためには勝ちたかった」

 石井の後ろで脚を溜めた梶田舞だったが、最終バックではかぶって3着が精いっぱい。

 「奥井さんの先行に乗っていこうと思っていました。被ってしまったのが残念です。4コーナー過ぎしか、踏むところがなかったですね。でも、やりたい競走はできました。悔いはないです」

12月29日

検車場レポート

5R


新井秀明選手

 前受けから引いた蒔田英彦が、赤板の2コーナーで出たところで隊列が一巡する。すると、7番手の八谷誠賢が、すぐさま踏み上げて打鐘の2センターで主導権を握った。番手の新井秀明(写真)は別線の動きを冷静に見極めると、直線で追い込んだ。

 「八谷さんは、(別線が来るのが)遅かったら駆けるって言っていました。青森記念で連係した時も、突っ張って駆けてくれたし、男気がハンパないですね。最後はできる限り残そうと思っていました。八谷さんサマサマです」

 打鐘の2センターからカマした重倉高史だったが、とっさの判断で口の空いた4番手に降りる。3コーナーから内を突いて3着に入った。

 「八谷さんが目いっぱい踏んだから、口が空くとは思っていました。(最終)2コーナーで行こうと思っていたんですけど、八谷さんもメイチで踏んでいたし、新井さんにも見られていて行けなかったです。2回は仕掛けるチャンスがあったのに。ビビらなかったら、1着までいけたと思う」

 

6R


友定祐己選手

 南関ラインを出させて、久米康平は中団まで下げる。新山将史はギリギリまで久米にフタをして、引きつけてから赤板の2コーナーから踏み込んで主導権。新山の思惑通りに運んだかに見えたが、田中孝彦が飛び付いて後続がもつれる。結果的に久米に絶好の展開。最終ホームで新山を叩いた久米の先行を番手の友定祐己(写真)が追い込み1着。

 「久しぶりに最終4角をハコで回ってきた。(1着で)良かったです。久米君はダッシュもあるんで、もうちょっと落ち着いてもよかったかなっていうのもある。あとは本人の(仕掛ける)タイミングもあるんで。最後は少し早く踏みすぎたかな。前もタレていたのもあったけど、その辺の余裕がもう少し欲しい」

 初日に続いて先行策に出た久米康平が、中四国ワンツーをメイクして2着に粘り込んだ。

 「友定さんが前を取ってくれて、作戦通りカマせました。でも、カマシのわりに自転車が流れなかったし重かったですね。練習疲れのせいなのか、思ったよりも体が重いです」

 

7R


伊藤成紀選手

 吉川誠を一本棒の7番手に置いて、高久保雄介が抜かりなく先行態勢を取る。しかしながら、ペースを緩めたところを吉川に強襲されて先行争いに。今度は内に詰まった上原龍から切り替えた小林大介が、自力に転じてまくり上げる。高久保の番手の伊藤成紀(写真)は、小林を止められず最終4コーナーから高久保の内を追い込んだ。

 「小林さんを張って、合わせて出ていこうかと思ったけど。高久保君がフワッて外に車を外して、踏むところがなくなってしまった。それで空いた内を踏みました。でも、番手を回っている以上は良くなかった」

 最終2コーナーからまくり上げた小林大介は、ラインの杉本正隆と2、3着。タテ脚健在を印象づけた。

 「(前を)乗り越えたかなと思った。でも、(伊藤が)内を踏んでいったので、あれじゃ厳しいです。(12月29日が)誕生日だったので、40歳最初のレースで一発を狙っていた。感触としては今年全体的に言えることだけど、悪くはないです」

 

8R


松岡貴久選手

 吉田敏洋が赤板で早坂秀悟に併せ込むと、中部勢を追った吉本卓仁が2コーナーで先に踏み込んで主導権。吉田も合わせて踏んで、3番手をキープする。早坂もすかさず巻き返すが、海老根恵太は付け切れない。ひとりで出切った早坂を吉本が追いかける。吉本は空いた車間を詰めていっぱい。直線で追い込んで1着の松岡貴久(写真)が汗をぬぐう。

 「吉本さんのおかげです。吉本さんも追いつくのでキツかったと思う。(最終)ホームのスピードはハンパじゃなかった。頑張ってもらったんで、ありがたいです。自分も(外に振って)やることをやったんですけど…。状態ですか? 後ろを回っているぶんには全然、大丈夫」

 最終4コーナーで吉田が外を踏むと、付けた北野武史は中のコースを見極めて2着に突っ込んだ。

 「(コースを)ちょっとだけ迷って、開いたんでこっちだと思って行きました。(準決は)余裕がありましたね。初日がしんどかった。それに(前回の)広島記念が調子が良くて、それから日にちがたっているんで今回はダメかなっていうのはあった。だけど、まだまだイケそうですよ(笑)」

 「ギリギリ、セーフ」とは、4番手から外を踏んで準決をクリアした吉田敏洋。3着にもレース内容には納得の表情を浮かべる。

 「先行できないまでも、レースの流れであの形を自分でつくっていけた。ある程度読み通りだったし、周りを動かしながらっていうのが、テーマとしてできた。ただ、相変わらず早坂はスーパーダッシュだし、(吉本)卓仁の平面ダッシュもすごい。年寄りにはキツいです」

 

9R


東口善朋選手

 一度は和田真久留に押さえられた佐藤友和だったが、遅れた桐山敬太郎を張りながら再び先頭へ。これを見ていた石塚輪太郎は、打鐘で踏み上げて主導権を奪取する。そのまま風を切ると、最後は東口善朋(写真)が直線で抜け出した。

 「ジャンの3コーナーくらいで(石塚の)スピードが悪いなと。最終バックでは、ちょっとヤバいかなって感じはありました。中団争いをしてくれれば、もつかなと思ったんですけどね。でも、あれで自分がのみ込まれてしまったら、行ってくれた意味もなくなるので。石塚君が頑張ってくれました」

 佐藤の余力を見極めた成田和也は、2コーナーで桐山後位にスイッチ。直線で石塚と東口の間を伸びて2着に入った。

 「(前を取らされたのは)しょうがないですね。ああなったら、突っ込むしかなかった。いけるところをいっただけで、たまたまですよ」

 態勢を立て直した和田真久留は、中近勢を追って4番手を確保。最終2センターからまくり追い込んで3着も、表情は浮かない。

 「スタートけん制が入ったから、(佐藤)友和さんの(積極的な)気配はなかったけど。自分で1回出てからと思ったら友和さんも一緒に出てきて。石塚君のすんなりカマシになってしまった。3分戦だし、もっとわかりやすい組み立てになるかと思ったけど、あそこまでごちゃつくとは。桐山さんが付いてて情けないですね」

 

10R


山田英明選手

 伊藤裕貴を警戒しながら、伊早坂駿一が押さえて先行態勢を取る。それでもすかさず伊藤が叩きに出ると、伊早坂は突っ張り主導権を死守。山内卓也のアシストで伊藤は4番手に入り、山田英明が6番手。人気の脇本雄太が最終ホームで8番手に置かれる。2コーナー手前から伊藤がまくりを打つと、山田、さらに番手の芦澤大輔も張りながらタテに踏んでまくり合戦。山田が前団をとらえたところを、脇本がゴール寸前でとらえて1着。

 「なかなか誰も(押さえに)来なくて。まったく自分の思っていた展開と違いましたね。ラインが3車だったら突っ張っていたと思います。(最終)ホームで山田さんが行きかけてやめたので、行こうと思ったらまた行かれて…。車も進まなくてヤバいと思いました」

 まくりのタイミングが狂った山田英明(写真)だったが、力のなせる業で小川勇介とともに決勝に進んだ。

 「ホームで行ければベストでしたけど、タイミングが合わなくて…。先に仕掛けて脇本君にまくられるのは仕方ないけど、かぶって終わるのだけは嫌だった。初日よりは状態的にも楽になっていますね。決勝でもっと良くなってくれれば」

 山田を追走して3着入線の小川勇介は、セッティング変えて好感触。

 「いやー、凌ぎましたよ。初日よりも全然いいですね。八谷(誠賢)さんにセッティングをみてもらった。ミリ単位ですけど、(感触が)全然違う」

 

11R


太田竜馬選手

 「(吉田)拓矢の頑張りに尽きますね。本当にいい関係かなと思います」

 鈴木竜士は、吉田への感謝の言葉を繰り返した。同期同県の後輩として、互いに切磋琢磨して力をつけた。昨年のヤンググランプリではラインを組むことのなかった2人だが、今年の大一番では吉田に前を託した。

 「(作戦は)太田(竜馬)君(ライン)の後ろから始めようと。あと拓矢に任せていました」

 赤板の2コーナーで前に出た吉田は、中団のもつれを誘ってマイペースで先行。最終ホームからギアをトップに入れる。番手の鈴木は、3番手の外併走からまくってきた太田をブロックするも止められない。

 「拓矢は冷静に走ってくれたし、いいレースでした。自分はもっとやれることがあったかなと思う。必死だったし、(太田を)もっていくしかないと」

 上をいかれた鈴木だったが、吉田が太田を張ると空いた内コースに吸い込まれる。「拓矢、ごめんと思って踏みました」。インから先頭に躍り出ると、太田、さらに、その間を割ってきた山岸佳太を阻んで激戦を制した。

 「1着とはわかったけど、ゴール前で接触したので車体故障とかで審議にあがったらヤバいなと思っていました。でも、ゴール後に拓矢が(審議にはなっていないと)声をかけてくれました」

 エリート集団と言われる107期。その中でも新山響平、吉田と並び、早々とS級で活躍した。順風満帆に思われたが、今年一年は結果の出ない苦しい日々。それでも信じた道を突き進み、年末に大輪の花を咲かせた。

 「本当に今年1年は苦しかったというか、成績もともなわないし、やってきたトレーニングとかもすぐに結果が出なくて。もどかしかったんですけど、拓矢のおかげで、最後にこうやって締めくくれてよかったです」

 次の連係は、さらなる高みで。この優勝を追い風に、今後の邁進を誓う。

 「次は(吉田の)前で頑張れるように。そのためにはGIに出ないことには。(今後は)しっかり先行でGIを獲れるように頑張りたいですね。もちろん、GIは獲りたいって気持ちはありますし、その前に記念なりGIIなりも、しっかり決勝にコンスタントにあがって、優勝狙える位置まではいたいです」

 吉田を力でねじ伏せた太田竜馬(写真)だったが、鈴木に屈して準V。狙い通りのポジションから仕掛けるも、あと一歩届かなかった。

 「あの位置(3番手)を取れたら勝ちだと思っていました。(まくり切って)いったと思ったんですけどね。内から鈴木さんが来て。寄ってこられて、あれでフラフラになってしまった。止まった感じはなかったけど、車輪は負けているなと。途中まではよかったけど、しゃあないですね。力は出し切れたし、来年(のヤンググランプリ)は、運が向いてくれれば優勝できるかな」

 堀内俊介は、直線で最内のコースを踏むも3着まで。

 「先輩たちのアドバイスで内に行こうと。でも、普段は内に行く競走をしていないから、いけるか不安はありました。(2センターで内)コースが空いて、チャンスと思ったら鈴木君が降りてきて。そこで、バックを踏んでしまいました。鈴木君が外を行ってくれれば…。今回はああいうレースでしたけど、もっと大きいレースで戦えるように力をつけたいです」

 

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