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決勝戦レポート

新山響平(青森・107期)

“新星”新山響平が記念初優勝

 「作戦はあんまり浮かばなかったんで、どこを取ってもと思って前受けになりました」
 昨年のデビューから1年、2度目の記念決勝の舞台にも臆することなく新山響平は堂々の前受け。自らのポテンシャルを信じた“超特急”が、そのまま別線をクギづけにしての逃げ切りで、4日制の記念ではデビュー最速となる1年20日での優勝を飾った。
 「今日は全身を使って踏めたのが良かったです。まさか勝てるとは思ってなくて、(菊地)圭尚さんに勝ってもらえればくらいの気持ちでいたんですけど。自分に展開が向きました」
 7番手から早めに上昇を始めた木暮安由は、川村晃司に併せ込んで3番手を確保。そこからは川村、近藤隆司、単騎の竹内雄作とG1決勝でもしのぎを削っている同型に反撃の隙を与えず、最終ホーム目がけてフルアクセル。
 「(誰か)早めに押さえに来ると思ったんで、1回出させて思っていました。そしたら引いてくれたんで」
 中団以降は新山のダッシュに置かれて、最終バックでは地元の菊地圭尚、木暮、山下渡に優勝争いは絞られたが、結果は新山の独壇場。番手すんなりの菊地、脚を溜めた木暮に影を踏ませずにゴール板を駆け抜けた。
 「最後までわからなかったけど、ゴールして(優勝が)わかりました。(デビューから)1年たっちゃいましたからね。(記念の)決勝は前回(6月の別府)で乗っているんで、意外に早く優勝できたと思います。でも、これで終わらないように。まだ、なんにも成し遂げてないんで、しっかりとタイトルを獲って頑張りたい」
 9月の共同通信社杯、そして10月には初めてのG1、寛仁親王牌と秋には大一番が待っている。
 「(G1は)走ってないし、いまでも憧れの舞台。それまでしっかりと練習を怠らないようにします。まだ、これがスタートにすぎない。(北日本の)みんなで切磋琢磨して、北でG1を獲れるように」
新山にとって記念Vは、あくまでスタート地点。その醸し出す存在感と底知れない力で輪界の歴史を塗り替えていく。

 シリーズ3度目の連係となった菊地圭尚は、またしても2着。3年連続の地元記念準Vに終わった。
 「G1もあるけど、去年からここで優勝するつもりでやってきた。地元で記念初優勝と思ってた。2年間悔しい思いもしているし、その分もと思ってたんですけど。このままのやり方ではダメだって、考え直してやっていかないと…。もう(来年に向けて)始まっているんで。せっかく強い選手が出てきたのに、チャンスをモノにできないと。来年は必ず1着で」

 3番手を労せずに手に入れた木暮安由だったが、ゴールもそのままのポジションの3着入線。
 「もう3番手だから、誰も来ないしあの位置でいいかなって。あとは圭尚さんが追い込んで、自分は内か外かって思っていた。(新山が)強かった、認めるしかないですね」

 木暮の上昇に5番手まで下げた川村晃司だったが、打鐘で近藤にすくわれて反撃のタイミングを逸した。
 「近藤君は後ろのままっていうのは意外でした。近藤君をアテにしすぎました。まさか動かないとは。自分が悪いですね、(近藤をアテにしないで)先に動いていかないと」

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レース経過

 号砲で勢い良く新山響平が飛び出してスタートを取る。新山には菊地圭尚が付けて北日本コンビが前受け、中団には川村晃司-三谷将太の近畿コンビ、近藤隆司-成清貴之の千葉コンビが収まり、木暮安由-山下渡の関東コンビが後攻め。単騎の竹内雄作が最後方の形で並びは落ち着き、周回を重ねる。
 青板周回のバック前から木暮が上昇するが、前受けの新山は突っ張る素振りを見せて、これを阻む。怯んだ木暮が3番手に入り、川村は5番手に下げる。新山は後ろを何度も振り返って、後続の動きをけん制。打鐘で内をすくった近藤が川村をどかして5番手を奪う。打鐘過ぎの4コーナーから新山がスパート。菊地、木暮の順で続くが、5番手の近藤は大きく車間が開いてしまい、なかなか前との差が詰まらない。軽快に飛ばした新山が強じんな末脚で菊地の追撃を振り切り、記念初制覇を果たした。地元の菊地は2着で、木暮がそのまま3着に流れ込んだ。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 8 新山 響平 青森 107期 S2 11.2 逃切り H B
2 1 菊地 圭尚 北海道 89期 S1 1W 11.1 マーク
3 3 木暮 安由 群馬 92期 S1 1/2B 11.1
4 7 山下  茨城 91期 S1 3/4B 11
5 9 近藤 隆司 千葉 90期 S1 3B 10.8
6 5 川村 晃司 京都 85期 S1 1/2B 10.7
7 4 成清 貴之 千葉 73期 S2 2B 10.8
8 6 三谷 将太 奈良 92期 S2 2B 10.9
9 2 竹内 雄作 岐阜 99期 S1 4B 11.2